上 下
116 / 466
第3章

第116話 エリア広がる

しおりを挟む
「で、出来た! ありがとうプティ。」

僕はプティの頭をなで回した。
プティはゴロゴロと満足そうに喉を鳴らした。

(早いけど魔力を沢山使うニャン。気をつけるニャン)
「うん、わかった。」

もう一カ所くらい大丈夫かなと思ったけど、すぐに使うわけではないから、無理はしないようにしよう。
とりあえず、どこからアクティベートして行くかの計画を立てる事にした。
まずは王都の近郊とエルストベルク領かな。領に行くまでの途中の塔もアクティベートしないと中継できないのかな。

魔力を塔から補充する事は出来ないかなと思ったけど、現地に送り込んだ魔道具の魔力は補充できるけど、
僕の魔力は現地に行かないと補充出来ないみたいだ。もしかして指だけ渦からだして、魔力補充のフロアの床に触れたらいけるのかな。
まあ、今はそこまでしなくてもいいか。

通信の目処が立って来た気がする。各地のゲートから「偵察君」と中継の魔道具を飛ばして行けば、全国の映像も見られるようになるかな。
ストレージルーム内で「偵察君」と中継魔道具を量産するように設定をしてから部屋に戻った。

「『行ったつもりビュー』が全国に広がると楽しそうだね」

今のところ通信する相手が全国に居るわけではないので、各地の映像を見られる事の方が楽しみな気がする。

(目指せ全国制覇にゃ)
「プティも国中の映像が見たいの?」
プティが得意げに胸を反らして言った。国中に通信エリアが広がると、嬉しいみたいだ。

いつの間にか時間が過ぎていたらしく、夕食の時間になっていた。夕食を食べた後は、入浴もして何時でも寝られる準備をしてから、もう一カ所アクティベートして、ゲート渦から記録魔道具と中継魔道具を送り込んで送り込んでおいた。

マップを見ると、点が緑色になった場所の周辺に道とか建物とかが細かく表示されるようになっている。魔道具が飛んで行った辺りなのかな。
詳細な地図が王都とまだ繋がっていないから、繋がるまで王都からと渦の先からとで中継魔道具を飛ばしておく。

アクティベートした塔は、王都から馬車で数十分位離れた村の近くのようだ。そんなに王都から離れていないけど、魔道具が自律的に魔力を補充に行くタイミングは、王都内より早くしないといけないね。

それから2日位、魔力の残量を意識しながら、暇を見つけては、ゲートから塔に中継魔道具を送り込んでアクティベートしたり、塔の周辺に記録魔道具や中継魔道具を送り込んだりしていた。

以前冒険者ギルドの依頼票に討伐依頼があったブラックボアがグラウ平原を冒険者達を追って走っている姿や、レッドリザードが、ゲルプ砂地で日光浴をしている映像などを見る事が出来た。
王都周辺は大分網羅できたみたいだ。

ちょっと「行ったつもりビュー」で、王都近郊の村を探索してみよう。
マップ上で適当に王都から東に馬車で一時間くらいの場所にある村を選んで、地上の映像に切り替えた。

地図で見ると王都と村の間には、小高い山とか森がある。村は石で出来た塀で囲まれていて、門は閉ざされている。
映像の視点は、閉ざされた門を素通りして村の中に入る。門の近くに門番の待機所らしきものがある。
門から村の中心に続いている道は土で出来ていて、土ぼこりが舞っていた。
村の中心に石造りで作られた教会が建っている。教会の前の広場から道が四方に広がっていて、教会付近に建物がいくつも並んでいる。お店や宿の看板があるが、一つの建物に役場と冒険者ギルドの看板が並べてあった。
小さな村だと、一つの建物に役場と冒険者ギルドがまとまっていたりするのかな。

冒険者ギルドとかなら、人の出入りがあるんじゃないかと、しばらく眺めていたら、門の方から荷馬車が走って来て、建物の前で止まった。
御者台と荷台に冒険者の格好をした男性が二人。馬車を降りると荷台から、大きな麻袋をひっぱって、肩に担いで、中に入って行った。そして、少しして、報酬を受け取ったらしい袋を持って男性二人が出て来て、また馬車に乗ってどこかに去って行った。
王都から比較的近い割に少し寂れた雰囲気の村だけど、冒険者ギルドはちゃんと機能しているってことなのかな。
依頼票とか覗いてみようかな、と思ったけど、ノックがして夕ご飯の時間のお知らせがきたので、行ったつもりの冒険はひとまず終了した。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生王女は異世界でも美味しい生活がしたい!~モブですがヒロインを排除します~

ちゃんこ
ファンタジー
乙女ゲームの世界に転生した⁉ 攻略対象である3人の王子は私の兄さまたちだ。 私は……名前も出てこないモブ王女だけど、兄さまたちを誑かすヒロインが嫌いなので色々回避したいと思います。 美味しいものをモグモグしながら(重要)兄さまたちも、お国の平和も、きっちりお守り致します。守ってみせます、守りたい、守れたらいいな。え~と……ひとりじゃ何もできない! 助けてMyファミリー、私の知識を形にして~! 【1章】飯テロ/スイーツテロ・局地戦争・飢饉回避 【2章】王国発展・vs.ヒロイン 【予定】全面戦争回避、婚約破棄、陰謀?、養い子の子育て、恋愛、ざまぁ、などなど。 ※〈私〉=〈わたし〉と読んで頂きたいと存じます。 ※恋愛相手とはまだ出会っていません(年の差) ブログ https://tenseioujo.blogspot.com/ Pinterest https://www.pinterest.jp/chankoroom/ ※作中のイラストは画像生成AIで作成したものです。

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

ざまぁ対象の悪役令嬢は穏やかな日常を所望します

たぬきち25番
ファンタジー
*『第16回ファンタジー小説大賞【大賞】・【読者賞】W受賞』 *書籍化2024年9月下旬発売 ※書籍化の関係で1章が近日中にレンタルに切り替わりますことをご報告いたします。 彼氏にフラれた直後に異世界転生。気が付くと、ラノベの中の悪役令嬢クローディアになっていた。すでに周りからの評判は最悪なのに、王太子の婚約者。しかも政略結婚なので婚約解消不可?! 王太子は主人公と熱愛中。私は結婚前からお飾りの王太子妃決定。さらに、私は王太子妃として鬼の公爵子息がお目付け役に……。 しかも、私……ざまぁ対象!! ざまぁ回避のために、なんやかんや大忙しです!! ※【感想欄について】感想ありがとうございます。皆様にお知らせとお願いです。 感想欄は多くの方が読まれますので、過激または攻撃的な発言、乱暴な言葉遣い、ポジティブ・ネガティブに関わらず他の方のお名前を出した感想、またこの作品は成人指定ではありませんので卑猥だと思われる発言など、読んだ方がお心を痛めたり、不快だと感じるような内容は承認を控えさせて頂きたいと思います。トラブルに発展してしまうと、感想欄を閉じることも検討しなければならなくなりますので、どうかご理解いただければと思います。

追放幼女の領地開拓記~シナリオ開始前に追放された悪役令嬢が民のためにやりたい放題した結果がこちらです~

一色孝太郎
ファンタジー
【小説家になろう日間1位!】 悪役令嬢オリヴィア。それはスマホ向け乙女ゲーム「魔法学園のイケメン王子様」のラスボスにして冥界の神をその身に降臨させ、アンデッドを操って世界を滅ぼそうとした屍(かばね)の女王。そんなオリヴィアに転生したのは生まれついての重い病気でずっと入院生活を送り、必死に生きたものの天国へと旅立った高校生の少女だった。念願の「健康で丈夫な体」に生まれ変わった彼女だったが、黒目黒髪という自分自身ではどうしようもないことで父親に疎まれ、八歳のときに魔の森の中にある見放された開拓村へと追放されてしまう。だが彼女はへこたれず、領民たちのために闇の神聖魔法を駆使してスケルトンを作り、領地を発展させていく。そんな彼女のスケルトンは産業革命とも称されるようになり、その評判は内外に轟いていく。だが、一方で彼女を追放した実家は徐々にその評判を落とし……? 小説家になろう様にて日間ハイファンタジーランキング1位! 更新予定:毎日二回(12:00、18:00) ※本作品は他サイトでも連載中です。

召喚魔法で幼児が現れました僕がなりたい職業は保父さんではなく冒険者なのですが

盛平
ファンタジー
 レオンは待ちに待った十五歳の誕生日を迎えた。レオンの一族は、十五歳になると、自らを守護する精霊と契約するのだ。レオンが精霊を召喚すると、現れたのは小さな幼児だった。幼児は自分を神だと名乗った。だが見た目も能力もただの幼児だった。神を自称する幼児のアルスは、わがままで甘えん坊。レオンは気を取り直して、幼い頃からの夢だった冒険者になるため、冒険者試験を受けた。だが自分を守護するアルスはただの幼児。あえなく試験に落ちてしまった。夢をあきらめられないレオンは冒険者見習いとして、自称神と共にマイナスからのスタートをきった。

悪役令嬢ですが最強ですよ??

鈴の音
ファンタジー
乙女ゲームでありながら戦闘ゲームでもあるこの世界の悪役令嬢である私、前世の記憶があります。 で??ヒロインを怖がるかって?ありえないw ここはゲームじゃないですからね!しかも、私ゲームと違って何故か魂がすごく特別らしく、全属性持ちの神と精霊の愛し子なのですよ。 だからなにかあっても死なないから怖くないのでしてよw 主人公最強系の話です。 苦手な方はバックで!

イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)

こたろう文庫
ファンタジー
カクヨムにて日間・週間共に総合ランキング1位! 死神が間違えたせいで俺は死んだらしい。俺にそう説明する神は何かと俺をイラつかせる。異世界に転生させるからスキルを選ぶように言われたので、神にイラついていた俺は1回しか使えない強奪スキルを神相手に使ってやった。 閑散とした村に子供として転生した為、強奪したスキルのチート度合いがわからず、学校に入学後も無自覚のまま周りを振り回す僕の話 2作目になります。 まだ読まれてない方はこちらもよろしくおねがいします。 「クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される」

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

処理中です...