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第3章

第110話 混乱対策

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その後ギュンター君は、ビアンカ嬢の屋敷に向うとか言って、ゾフィーの手を引いて移動して行った。
ラルフ君とロルフ君は、困ったような顔をして、顔を見合わせた。それからちょっとため息をついてから、ギュンター君の後を追って駆けて行った。

ここから、あのお茶会の現場になるのか‥。
とりあえず、装備品を奪われたのはビアンカ嬢のせいだっていうのはギュンター君の思い込みだっていうのは
この映像で、証明になるかな。
ゾフィーの借金の理由とかなんだかわからないけど、それは必要があれば調べてもらえばいいか。
今の映像を魔石に転写して、一応他の検索結果の映像も、別の魔石に転写しておこう。

「後は、これを叔父様のところに持って行けばいいね。でもどうやって撮ったの?って聞かれちゃうかな」
(こっそり置いてくればいいにゃ)
「まあ、そうだね。明日行こうっと」

一仕事終えたので、うーんと伸びをして、ごろんとストレージルームの床に寝転んだ。
熟練度と魔力が上がってきたのか、ストレージルームはだいぶ広くなって、屋敷の僕の部屋と同じくらいの広さになっている。
絨毯を敷いてあって、靴を脱いで上がって、座ったりゴロゴロしたりしている。プティも一緒に寝そべっている。
ゴロゴロできる分、屋敷の部屋より気楽な感じがする。畳とかちょっと欲しくなるね。

「畳‥、ストレージ錬金ボックスで作れないかな。」
(材料があれば作れそうにゃん。でも今だと小さいサイズになるにゃん。)
「あー、もしかして手紙用の紙とかと同じ位?」
(そうにゃん。プティが座れるくらいにゃん)
「うーん、頑張って熟練度あげないとね‥‥。」
(プティはその大きさでいいにゃん)
「僕もプティと一緒にゴロゴロしたいよ。」
(颯真にゃんと一緒! 一緒がいいにゃん。熟練度あげるにゃん)

その後、急にやる気になったプティに促されてしばらくの間、ストレージ錬金ボックスをつかって熟練度上げをした。

翌朝、早速エルスト商会に行く準備をしているときに、ふと重要な事を思い出した。
「混乱」の手鏡をまだゾフィーは持ち歩いているんだよね。
触れなければよいって言っても、万が一もあるかもしれないから、一応対策をしておこう。

僕は、状態異常耐性があるけど、周りの人が混乱状態になったりしたら、嫌だもの。
前に魅了耐性の魔法陣魔石を作った要領で、行ける気がする。

「混乱」の感覚を一番間近に感じたのは、ギュンター君がお茶会に乱入してきたときだ。
ゾフィーに注目してなかったし、触られてもいないから、状態異常耐性も発動しなかったけど、何か妙な感じはした。
魅了との違いを意識したら、耐性の魔法陣ができるんじゃないかな。
僕は、魔石を握りしめて、ストレージルームの中で座り込んで目を閉じた。
魅了耐性の魔法陣を思い浮かべて、そこから違う部分を置き換えて行く。
細かい魔法陣を手で描いているみたい。集中していないと、魔法陣のイメージが、霧散してしまう。
なんとか魔法陣のイメージが出来上がったら、集中力が続いているうちに、魔石に魔法陣を転写した。
ーーーー混乱耐性の魔法陣魔石、にゃ。赤毛の女に間延びした声で叫ばれても平気ニャ。

出来た‥よね?間延びした声って‥‥。
実際に試してはいないけど、鑑定としては、混乱耐性の魔法陣魔石ができあがったようだ。
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