109 / 466
第3章
第109話 混乱中
しおりを挟む
転写の操作をしていたら、部屋の扉をノックする音がした。
出ると、ラルフ君とロルフ君が立っていた。
「僕達はこれから父上と一緒に、お茶会開いていたハーン伯爵家と、ビアンカ嬢のシュナイダー伯爵家に謝罪に行ってくることになったよ。」
「そうなんだね‥‥。」
ラルフ君が僕の鼻をきゅっと指でつまんだ。
「そんな心配そうな顔しなくても大丈夫だよ。僕らはあの場に乱入しちゃったけど、それだけだから。ギュンター君とももうパーティメンバーではないですって
説明してくるよ。」
ラルフ君達は既に冒険者ギルドに行って、パーティ脱退の手続きは済ませてるんだって。
まあ、確かに、冒険者パーティメンバーの責任をって言われる前に伝えておいた方がいいのかもね。
「状態異常の件で、念のため聖水を飲ませてもらったんだ。凄いね、聖水を常備しているなんて。状態異常の事は、調べるから、今は口外しないでって言われたよ。
ソーマ君も、他の人に言わないでね。シュナイダー伯爵令嬢とかにもだよ。」
「うん。分かった!」
来たときより、大分元気な様子で、ラルフ君達は去って行った。
それからまた、映像のチェック再開する。
ビアンカ嬢が、装備品を奪わせたって疑われた件から確認してみよう。時間帯を昨日から今日に絞り込んで、ゾフィーとギュンター君達が近くに居るのを条件に検索してみる。
検索結果の映像を16分割の早送りで一気に再生したら、それらしい映像が見つかった。
ゾフィーを3人組の男達が取り囲んでいて、ゾフィーが身に付けていたペンダントを掴んで、鎖を引きちぎった。
『金目の物持ってるじゃねえか!借金払えねえならこれをもらってくぜ!』
『いやぁ!やめてよぉ~!それおきにいりなのにぃ~かえしてぇ~』
『恨むなら、借金返せねえ兄貴を恨めよ!こっちの腕輪も利子位にはなるだろう。』
『やだぁ~』
『文句言うならてめえを売り飛ばすぞ!』
腕を掴んで、腕輪も無理矢理奪い取った。そこに遠くからギュンター君の声がした。
『何してる!!ゾフィーから離れろ!!』
ギュンター君が駆けてくる。後ろをラルフ君とロルフ君が走ってきている。
『チッ!』
3人組の一人がゾフィーを突き飛ばした。ゾフィーが地面に転ぶ。
ギュンター君がゾフィーに駆け寄り、助け起こそうとしている間に3人組は駆けて行く。
3人組。覆面してないけど、あの大根役者の破落戸3人組と同じ服装してるじゃん‥‥。
『ゾフィー大丈夫か?怪我は?』
『ギュンターさまぁ~!ペンダントとうでわを~とられちゃってぇ~』
『何だって!? 待てー!貴様ら!?』
『あ! ギュンターさまぁ!だめ!』
3人組を追いかけようとしたギュンターの腕を、ゾフィーが両手で掴んで止めた。
『ゾフイー?』
『だめよぅ~。おいかけちゃぁ~』
『何故だ! 奪われた物を取り返さないと!』
『でもぉ~』
『どうしたんだ、ゾフィー。まさか脅かされているのか?』
ゾフィーはモゴモゴとしている。ちらっちらっと、3人組が逃げて行った方を見てる。
『‥‥あのぅ~、あたしぃ~こわくってぇ~』
『やっぱり脅かされてるのか? ‥‥まさか! ビアンカか!?』
『え?ビアンカって? え、あのぅ~‥‥』
いや、ギュンター君、何で突然、ビアンカ嬢の名前が出てくるの?
ゾフィーもビアンカ嬢の名前を聞いてきょとんとした顔をしてる。ギュンター君が気にせず更に問いつめてる。
『ゾフィー、君の事は俺が守るから、怖がらずにはっきり言ってくれ。ビアンカに脅かされて、ペンダントを奪われたのか?』
『え~、あのぅ~。う~ん‥‥。うん‥‥。』
ゾフィーは挙動不審にキョロキョロと目を動かして何か考えている様子だったが、結局頷いた。
『やっぱり! ビアンカめ!!』
『ちょ、ちょっと、ギュンター君、それはちょっと考え過ぎじゃない?』
近くで聞いていたラルフ君が、困惑した様子で、ギュンター君に言った。
『そうだよ。それより早く追いかけないと‥‥』
ロルフ君は、3人組が駆けて行った方向を見ながら言う。
『何言っているんだ。ゾフィーがビアンカに取られたって言ってるんだぞ。そうだよな。ゾフィー!』
『う、うん‥‥』
『ほら見ろ!被害者が証言しているんだ。間違いない!』
ギュンター君の勢いに押されて、無理やり頷いているみたいに見えるんだけど‥‥。
ーーーー「混乱」状態にゃ。思考力が低下してるにゃ。ちょっとついてけにゃいにゃ。
ここで、プティ式鑑定。 見たまんまだけど、感想付きだね。
出ると、ラルフ君とロルフ君が立っていた。
「僕達はこれから父上と一緒に、お茶会開いていたハーン伯爵家と、ビアンカ嬢のシュナイダー伯爵家に謝罪に行ってくることになったよ。」
「そうなんだね‥‥。」
ラルフ君が僕の鼻をきゅっと指でつまんだ。
「そんな心配そうな顔しなくても大丈夫だよ。僕らはあの場に乱入しちゃったけど、それだけだから。ギュンター君とももうパーティメンバーではないですって
説明してくるよ。」
ラルフ君達は既に冒険者ギルドに行って、パーティ脱退の手続きは済ませてるんだって。
まあ、確かに、冒険者パーティメンバーの責任をって言われる前に伝えておいた方がいいのかもね。
「状態異常の件で、念のため聖水を飲ませてもらったんだ。凄いね、聖水を常備しているなんて。状態異常の事は、調べるから、今は口外しないでって言われたよ。
ソーマ君も、他の人に言わないでね。シュナイダー伯爵令嬢とかにもだよ。」
「うん。分かった!」
来たときより、大分元気な様子で、ラルフ君達は去って行った。
それからまた、映像のチェック再開する。
ビアンカ嬢が、装備品を奪わせたって疑われた件から確認してみよう。時間帯を昨日から今日に絞り込んで、ゾフィーとギュンター君達が近くに居るのを条件に検索してみる。
検索結果の映像を16分割の早送りで一気に再生したら、それらしい映像が見つかった。
ゾフィーを3人組の男達が取り囲んでいて、ゾフィーが身に付けていたペンダントを掴んで、鎖を引きちぎった。
『金目の物持ってるじゃねえか!借金払えねえならこれをもらってくぜ!』
『いやぁ!やめてよぉ~!それおきにいりなのにぃ~かえしてぇ~』
『恨むなら、借金返せねえ兄貴を恨めよ!こっちの腕輪も利子位にはなるだろう。』
『やだぁ~』
『文句言うならてめえを売り飛ばすぞ!』
腕を掴んで、腕輪も無理矢理奪い取った。そこに遠くからギュンター君の声がした。
『何してる!!ゾフィーから離れろ!!』
ギュンター君が駆けてくる。後ろをラルフ君とロルフ君が走ってきている。
『チッ!』
3人組の一人がゾフィーを突き飛ばした。ゾフィーが地面に転ぶ。
ギュンター君がゾフィーに駆け寄り、助け起こそうとしている間に3人組は駆けて行く。
3人組。覆面してないけど、あの大根役者の破落戸3人組と同じ服装してるじゃん‥‥。
『ゾフィー大丈夫か?怪我は?』
『ギュンターさまぁ~!ペンダントとうでわを~とられちゃってぇ~』
『何だって!? 待てー!貴様ら!?』
『あ! ギュンターさまぁ!だめ!』
3人組を追いかけようとしたギュンターの腕を、ゾフィーが両手で掴んで止めた。
『ゾフイー?』
『だめよぅ~。おいかけちゃぁ~』
『何故だ! 奪われた物を取り返さないと!』
『でもぉ~』
『どうしたんだ、ゾフィー。まさか脅かされているのか?』
ゾフィーはモゴモゴとしている。ちらっちらっと、3人組が逃げて行った方を見てる。
『‥‥あのぅ~、あたしぃ~こわくってぇ~』
『やっぱり脅かされてるのか? ‥‥まさか! ビアンカか!?』
『え?ビアンカって? え、あのぅ~‥‥』
いや、ギュンター君、何で突然、ビアンカ嬢の名前が出てくるの?
ゾフィーもビアンカ嬢の名前を聞いてきょとんとした顔をしてる。ギュンター君が気にせず更に問いつめてる。
『ゾフィー、君の事は俺が守るから、怖がらずにはっきり言ってくれ。ビアンカに脅かされて、ペンダントを奪われたのか?』
『え~、あのぅ~。う~ん‥‥。うん‥‥。』
ゾフィーは挙動不審にキョロキョロと目を動かして何か考えている様子だったが、結局頷いた。
『やっぱり! ビアンカめ!!』
『ちょ、ちょっと、ギュンター君、それはちょっと考え過ぎじゃない?』
近くで聞いていたラルフ君が、困惑した様子で、ギュンター君に言った。
『そうだよ。それより早く追いかけないと‥‥』
ロルフ君は、3人組が駆けて行った方向を見ながら言う。
『何言っているんだ。ゾフィーがビアンカに取られたって言ってるんだぞ。そうだよな。ゾフィー!』
『う、うん‥‥』
『ほら見ろ!被害者が証言しているんだ。間違いない!』
ギュンター君の勢いに押されて、無理やり頷いているみたいに見えるんだけど‥‥。
ーーーー「混乱」状態にゃ。思考力が低下してるにゃ。ちょっとついてけにゃいにゃ。
ここで、プティ式鑑定。 見たまんまだけど、感想付きだね。
1
お気に入りに追加
177
あなたにおすすめの小説
転生したけど、前世の記憶いる?
護茶丸夫
ファンタジー
ファンタジーな世界に転生したぜ、やっほう?
お約束な神様にも会えず、チートもなく。文明レベルははテンプレより上ですか。
ゲームか何かの世界ですか?特に記憶に無いので、どうしたらいいんでしょうね?
とりあえず家族は優しいので、のんびり暮らすことにします。
追記:投稿仕様は手探りで試しております。手際が悪くても「やれやれこれだから初心者は」と、流していただけると幸いです。
追記2:完結まで予約投稿終了しました。全12話 幼少期のみの物語です。
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
【完結】契約結婚は円満に終了しました ~勘違い令嬢はお花屋さんを始めたい~
九條葉月
ファンタジー
【ファンタジー1位獲得!】
【HOTランキング1位獲得!】
とある公爵との契約結婚を無事に終えたシャーロットは、夢だったお花屋さんを始めるための準備に取りかかる。
花を包むビニールがなければ似たような素材を求めてダンジョンに潜り、吸水スポンジ代わりにスライムを捕まえたり……。そうして準備を進めているのに、なぜか店の実態はお花屋さんからかけ離れていって――?
【二部開始】所詮脇役の悪役令嬢は華麗に舞台から去るとしましょう
蓮実 アラタ
恋愛
アルメニア国王子の婚約者だった私は学園の創立記念パーティで突然王子から婚約破棄を告げられる。
王子の隣には銀髪の綺麗な女の子、周りには取り巻き。かのイベント、断罪シーン。
味方はおらず圧倒的不利、絶体絶命。
しかしそんな場面でも私は余裕の笑みで返す。
「承知しました殿下。その話、謹んでお受け致しますわ!」
あくまで笑みを崩さずにそのまま華麗に断罪の舞台から去る私に、唖然とする王子たち。
ここは前世で私がハマっていた乙女ゲームの世界。その中で私は悪役令嬢。
だからなんだ!?婚約破棄?追放?喜んでお受け致しますとも!!
私は王妃なんていう狭苦しいだけの脇役、真っ平御免です!
さっさとこんなやられ役の舞台退場して自分だけの快適な生活を送るんだ!
って張り切って追放されたのに何故か前世の私の推しキャラがお供に着いてきて……!?
※本作は小説家になろうにも掲載しています
二部更新開始しました。不定期更新です
深窓の悪役令嬢~死にたくないので仮病を使って逃げ切ります~
白金ひよこ
恋愛
熱で魘された私が夢で見たのは前世の記憶。そこで思い出した。私がトワール侯爵家の令嬢として生まれる前は平凡なOLだったことを。そして気づいた。この世界が乙女ゲームの世界で、私がそのゲームの悪役令嬢であることを!
しかもシンディ・トワールはどのルートであっても死ぬ運命! そんなのあんまりだ! もうこうなったらこのまま病弱になって学校も行けないような深窓の令嬢になるしかない!
物語の全てを放棄し逃げ切ることだけに全力を注いだ、悪役令嬢の全力逃走ストーリー! え? シナリオ? そんなの知ったこっちゃありませんけど?
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
転生者の取り巻き令嬢は無自覚に無双する
山本いとう
ファンタジー
異世界へと転生してきた悪役令嬢の取り巻き令嬢マリアは、辺境にある伯爵領で、世界を支配しているのは武力だと気付き、生き残るためのトレーニングの開発を始める。
やがて人智を超え始めるマリア式トレーニング。
人外の力を手に入れるモールド伯爵領の面々。
当然、武力だけが全てではない貴族世界とはギャップがある訳で…。
脳筋猫かぶり取り巻き令嬢に、王国中が振り回される時は近い。
悪役令嬢に転生したら病気で寝たきりだった⁉︎完治したあとは、婚約者と一緒に村を復興します!
Y.Itoda
恋愛
目を覚ましたら、悪役令嬢だった。
転生前も寝たきりだったのに。
次から次へと聞かされる、かつての自分が犯した数々の悪事。受け止めきれなかった。
でも、そんなセリーナを見捨てなかった婚約者ライオネル。
何でも治癒できるという、魔法を探しに海底遺跡へと。
病気を克服した後は、二人で街の復興に尽力する。
過去を克服し、二人の行く末は?
ハッピーエンド、結婚へ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる