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第3章
第108話 猫パンチ
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しばらくして、ラルフ君とロルフ君も詳しい状況を聞くために呼ばれていった。
皆一旦上がったところで人数も減ったので、ゲームは一段落。アリサ姉様がマーリエに絵本を読むというので、僕はプティを連れて部屋に戻った。
部屋に戻ってから早速ストレージルームに入った。
過去に遡って、映像を見てみよう。検索対象を、ギュンター君、ラルフ君ロルフ君、あのゾフィーって子と、赤茶けた髪の人、その周辺。
範囲が広すぎるかな、まあ早送りにして流して気になるところがあったら停止させよう。
時間の範囲は、ラルフ君達が冒険者ギルドに行った日以降にしておこう。
ストレージルームの壁に、9分割で色々な映像が流れる。量が多いので早送りで流していたら、顔半分と頭を布で覆った3人組にギュンター君が向って行く場面を見つけた。
3人組の近くには、赤毛の女の子が居る。ギルドを出て行くところを見た赤毛の子の後ろ姿と服装が同じに見えた。後でそれも確認しておこう。
ゾフィーの腕を掴んでいる男に向って、ギュンター君が腕を振り上げた。かなり大降りだ。最後に手首をちょっと返して頭を殴った。
殴られた男が、地面に転がった。
(猫パンチにゃ。)
プティが、真似してひゅんっと前足を振った。
「ぷ。やめてプティ、可愛いけど」
殴られた男が、頭を片手で抑え、怯えた風に地面に尻餅をついたまま後ずさった。
他の二人が、ギュンター君に殴り掛かって行く。でも映像をスロー再生したかと思うほど遅い。ラルフ君とロルフ君が突っ込んで行った。
『『えいっ』』
ラルフ君とロルフ君の二人で3人組の一人を突き飛ばした。
『う、うわぁ~、やられた~』
突き飛ばされた男が、大声を上げて、数歩後ろに下がってから、地面に尻餅をついた。
ギュンター君が、残りの一人にパンチを繰り出す。
(また猫パンチにゃ)
ギュンター君の拳は相手に届いてなかったように見えたけど、風圧で飛ばされたかのように、ひっくり返った。
『に、逃げるぞ~』
最初に殴られた男が感情がこもっていない声で言うと、他の二人も頷いて、3人組は逃げて行った。
うん、思わず「カーット!」って言いたくなるくらい酷い演技だね。
『ありがとうございますぅ~。たすかりました~。あたし~こわくてぇ~』
ゾフィーが、ギュンター君の手を握って、上目遣いでギュンター君を見つめた。
ーーーー「混乱」にゃ。触られると思考力がちょっと低下するにゃ。
ここでもう「混乱」?混乱の魔法かなにかを発動してるの?
僕はゾフィーを見てみた。
ーーーー「混乱」状態にゃ。でも思考力は元々低いにゃ。
ちょっと、プティ‥。何気なくディスってない?
『あなたたちもぉ~ありがとうございますぅ~。すごぉ~い!つよいんですねぇ~』
『ま、まあね‥‥』
『それほどでも‥』
ゾフィーがラルフ君とロルフ君の手を握った。
ーーーー「混乱」にゃ。触られると思考力がちょっと低下するにゃ。ラルフにゃんはデレてるにゃん。
ーーーー「混乱」にゃ。触られると思考力がちょっと低下するにゃ。ロルフにゃんは鼻の下をのばしてるにゃん。
やめたげてよぉ。
僕が言われたとしたらちょっと恥ずかしいぞ。
ゾフィーは、自分自身も混乱状態で、他の人も混乱状態にできるの?どうなってるんだろう。
もう一度じっと見ていると、黒いモヤモヤがうっすらとゾフィーを包んでいるのが見えてきた。あれが「混乱」の状態異常の元なのかな。
ギュンター君達も、さらにうっすらと黒いモヤモヤが先ほど触れていた手を中心に広がって来ているようにみえる。
ゾフィーの腰につけているポーチの辺りの黒いモヤモヤの色がちょっと濃い。
ーーーーポーチにゃ。中に手鏡が入ってるニャ。手鏡から「混乱」が出てるにゃ。
「混乱」の手鏡ってこと? 持ってる人に触ると「混乱」状態になるのかな。
ちょっとその前のゾフィーの様子を見てみよう。
その場所の少し前の時間の映像を見る。
ゾフィーと先ほどの3人が歩いてきた。3人組は覆面はまだしていない。一人だけ、その場を離れて行った。
ゾフィーと残った二人は、普通に会話をしている様子だ。
『もうすぐここを通るはずだ。いいか、うまくやれよ。』
『わかってるぅ~。』
『ベルノの奴が戻って来て、俺たちが覆面被ってから悲鳴をあげんだぞ』
『はあ~い』
『おい、来たぞ!』
その場を離れていた一人が戻って来て、3人組が頭と顔を布で覆った。
ゾフィーが、すぅーっと息を吸い込んで、大きな声を上げた。
『きゃぁーん! だれかぁー!』
そしてさっきのギュンター君が走ってくる場面になった。
この映像とさっきの映像を連続で記録魔石に転写しておこう。
皆一旦上がったところで人数も減ったので、ゲームは一段落。アリサ姉様がマーリエに絵本を読むというので、僕はプティを連れて部屋に戻った。
部屋に戻ってから早速ストレージルームに入った。
過去に遡って、映像を見てみよう。検索対象を、ギュンター君、ラルフ君ロルフ君、あのゾフィーって子と、赤茶けた髪の人、その周辺。
範囲が広すぎるかな、まあ早送りにして流して気になるところがあったら停止させよう。
時間の範囲は、ラルフ君達が冒険者ギルドに行った日以降にしておこう。
ストレージルームの壁に、9分割で色々な映像が流れる。量が多いので早送りで流していたら、顔半分と頭を布で覆った3人組にギュンター君が向って行く場面を見つけた。
3人組の近くには、赤毛の女の子が居る。ギルドを出て行くところを見た赤毛の子の後ろ姿と服装が同じに見えた。後でそれも確認しておこう。
ゾフィーの腕を掴んでいる男に向って、ギュンター君が腕を振り上げた。かなり大降りだ。最後に手首をちょっと返して頭を殴った。
殴られた男が、地面に転がった。
(猫パンチにゃ。)
プティが、真似してひゅんっと前足を振った。
「ぷ。やめてプティ、可愛いけど」
殴られた男が、頭を片手で抑え、怯えた風に地面に尻餅をついたまま後ずさった。
他の二人が、ギュンター君に殴り掛かって行く。でも映像をスロー再生したかと思うほど遅い。ラルフ君とロルフ君が突っ込んで行った。
『『えいっ』』
ラルフ君とロルフ君の二人で3人組の一人を突き飛ばした。
『う、うわぁ~、やられた~』
突き飛ばされた男が、大声を上げて、数歩後ろに下がってから、地面に尻餅をついた。
ギュンター君が、残りの一人にパンチを繰り出す。
(また猫パンチにゃ)
ギュンター君の拳は相手に届いてなかったように見えたけど、風圧で飛ばされたかのように、ひっくり返った。
『に、逃げるぞ~』
最初に殴られた男が感情がこもっていない声で言うと、他の二人も頷いて、3人組は逃げて行った。
うん、思わず「カーット!」って言いたくなるくらい酷い演技だね。
『ありがとうございますぅ~。たすかりました~。あたし~こわくてぇ~』
ゾフィーが、ギュンター君の手を握って、上目遣いでギュンター君を見つめた。
ーーーー「混乱」にゃ。触られると思考力がちょっと低下するにゃ。
ここでもう「混乱」?混乱の魔法かなにかを発動してるの?
僕はゾフィーを見てみた。
ーーーー「混乱」状態にゃ。でも思考力は元々低いにゃ。
ちょっと、プティ‥。何気なくディスってない?
『あなたたちもぉ~ありがとうございますぅ~。すごぉ~い!つよいんですねぇ~』
『ま、まあね‥‥』
『それほどでも‥』
ゾフィーがラルフ君とロルフ君の手を握った。
ーーーー「混乱」にゃ。触られると思考力がちょっと低下するにゃ。ラルフにゃんはデレてるにゃん。
ーーーー「混乱」にゃ。触られると思考力がちょっと低下するにゃ。ロルフにゃんは鼻の下をのばしてるにゃん。
やめたげてよぉ。
僕が言われたとしたらちょっと恥ずかしいぞ。
ゾフィーは、自分自身も混乱状態で、他の人も混乱状態にできるの?どうなってるんだろう。
もう一度じっと見ていると、黒いモヤモヤがうっすらとゾフィーを包んでいるのが見えてきた。あれが「混乱」の状態異常の元なのかな。
ギュンター君達も、さらにうっすらと黒いモヤモヤが先ほど触れていた手を中心に広がって来ているようにみえる。
ゾフィーの腰につけているポーチの辺りの黒いモヤモヤの色がちょっと濃い。
ーーーーポーチにゃ。中に手鏡が入ってるニャ。手鏡から「混乱」が出てるにゃ。
「混乱」の手鏡ってこと? 持ってる人に触ると「混乱」状態になるのかな。
ちょっとその前のゾフィーの様子を見てみよう。
その場所の少し前の時間の映像を見る。
ゾフィーと先ほどの3人が歩いてきた。3人組は覆面はまだしていない。一人だけ、その場を離れて行った。
ゾフィーと残った二人は、普通に会話をしている様子だ。
『もうすぐここを通るはずだ。いいか、うまくやれよ。』
『わかってるぅ~。』
『ベルノの奴が戻って来て、俺たちが覆面被ってから悲鳴をあげんだぞ』
『はあ~い』
『おい、来たぞ!』
その場を離れていた一人が戻って来て、3人組が頭と顔を布で覆った。
ゾフィーが、すぅーっと息を吸い込んで、大きな声を上げた。
『きゃぁーん! だれかぁー!』
そしてさっきのギュンター君が走ってくる場面になった。
この映像とさっきの映像を連続で記録魔石に転写しておこう。
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