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第3章
第107話 真相は?
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僕はちらりと窓辺に寝そべっているプティの方を見た。
(プティ、ラルフ君達は『混乱』状態になっていて、この間来たときに一度状態異常が解けて、また今日までに『混乱』状態になってたってこと?)
(過去の状態は調べられるにゃん。このゲームするとちょっと状態異常耐性続くにゃん)
過去の状態は自分で調べろってこと?でも、ゲームして状態異常耐性が続いてたんなら、ラルフ君達は状態異常になりやすい環境にあったってことだよね。
「‥‥『混乱』‥‥とかかな、ねえ、いつ頃からか分かる?」
「混乱」状態でしたとはズバリ言いにくい。でもラルフ君達が「混乱」状態なら、ギュンター君もじゃないかな。
「そう‥‥、冒険者始めてからかな、と思うけど‥‥。」
「あ!さっき『あれ?』って一瞬思ったんだった!」
ロルフ君が大きな声を上げた。皆がロルフ君に注目すると、ちょっと気まずそうな顔になる。
「あ、いつ状態異常になったって話のことじゃないんだ、ごめん。」
「え?違うの?」
「さっき叔母様達と話をしてたとき『あれ?』って思った事があったんだけど、そのときもモヤモヤしてたのか、すぐ違う事考えちゃってたんだよね。
あれだよ!ゾフィーが破落戸に襲われたって話。最初にゾフィーに合ったとき、ゾフィーが破落戸に絡まれていて、僕らが助けたっていうきっかけで知り合ったんだけど、よく考えたらおかしいんだよ。相手は大人3人だったんだよ。僕らがやっつけられる訳ないと思うよ。」
「‥‥、そう言いきっちゃうと残念だけど‥‥、そうだよね。ギュンター君も含めて僕らその前にギルドで他の冒険者に簡単に吹っ飛ばされてたよね」
ラルフ君とロルフ君の話を聞いて、兄様が難しい顔をした。
「仕組まれていた可能性があるのかな。そのゾフィーという子はグルだったかもしれない」
「うわぁ~そうなっちゃうよね~~」
「僕らに近づく為に、芝居してたって事?でも何のため? 見習い冒険者の報酬なんて3人分でもかなりやっすいのに」
「『プティちゃんお願い』‥‥、貴族だからじゃないかしら」
駒を置いて、真ん中の魔石が光るのを見て、少し口角を上げながらアリサ姉様が言った。
「貴族だと知られていたなら、狙われた可能性は十分になるね。‥『プティちゃんお願い』」
「‥‥そういえば、ギュンター君、装備品とか防具とかプレゼントしてたんだった。『プティちゃんお願い』」
「‥‥今考えれば荷物運びになんで、防具とか防御の魔道具とかいるんだよ。『ゾフィーが怪我しない為』とかはぁぁ‥‥。『プティちゃんお願い』。あ、光らない!」
皆双六を続けながら話をしていたんだけど、ロルフ君はちゃんと「お願い」をしたのに魔石が光らなかった。不満そうに魔石を覗き込んでいる。
(「お願い」が惰性になってきてたにゃ。)
プティは知らんぷりをして毛繕いをしている。
「‥‥気持ちが籠ってなかったんじゃないのかな。『プティちゃんお願い』‥‥、よし、素早さアップ」
僕はしっかり気持ちを込めて「お願い」してみた。
「貴族に取り入ろうとしていたのかもしれないけど、調べないといけないね。『プティちゃんお願い』。力アップだ。そして上がり!」
兄様が最初に上がった。上がると、最後にアップした分が倍になるんだ。
「調べるって‥‥。破落戸は逃げちゃってるし顔隠してたから覚えてないよ。『プティちゃんお願い』」
「それにもうパーティを抜けちゃってるのに、『取り入ろうとしただろう』って言っても。『プティちゃんお願い!』よし光った!」
ロルフ君は今度は魔石が光ったので満足そうだ。ちなみにマーリエは会話には加わらず淡々と「お願い」をして進めている。
僕はふと思い出した。
「偵察君」で冒険者ギルドの中を見ていたときに、ラルフ君達が出て行った後に、ギルドを出た男女二人の後ろ姿。
女の子の方は髪型も服装も違ったけど、赤毛だった。あのときはラルフ君達の跡をつけて行ったわけじゃなかったから安心していたけど
「芝居」するための準備をしてたのか?そうするとあの赤茶けた髪の男の人は‥‥?
「‥‥大人が裏で指示してる?『プティちゃんお願い』」
僕の言葉に兄様が頷いた。
「子供が破落戸を雇うわけないからね。ちゃんと調べた方がいい」
「ああ~そうか~。」
「状態異常も、判断力を鈍らせるために何かされてたんじゃないかしら。『プティちゃんお願い』」
「うわぁ、なんか怖くなって来た!『プティちゃんお願い』」
「ひぇー『プティちゃん助けて!』あっ違う! あ、光った!」
ロルフ君は、焦っておまじないを間違えてしまったけど魔石が光ったみたい。
(面白かったからいいにゃ。)
プティは機嫌良さそうに寝そべっている。ゲームを上がった兄様は、母様達に報告に行くといって部屋を出て行った。
(プティ、ラルフ君達は『混乱』状態になっていて、この間来たときに一度状態異常が解けて、また今日までに『混乱』状態になってたってこと?)
(過去の状態は調べられるにゃん。このゲームするとちょっと状態異常耐性続くにゃん)
過去の状態は自分で調べろってこと?でも、ゲームして状態異常耐性が続いてたんなら、ラルフ君達は状態異常になりやすい環境にあったってことだよね。
「‥‥『混乱』‥‥とかかな、ねえ、いつ頃からか分かる?」
「混乱」状態でしたとはズバリ言いにくい。でもラルフ君達が「混乱」状態なら、ギュンター君もじゃないかな。
「そう‥‥、冒険者始めてからかな、と思うけど‥‥。」
「あ!さっき『あれ?』って一瞬思ったんだった!」
ロルフ君が大きな声を上げた。皆がロルフ君に注目すると、ちょっと気まずそうな顔になる。
「あ、いつ状態異常になったって話のことじゃないんだ、ごめん。」
「え?違うの?」
「さっき叔母様達と話をしてたとき『あれ?』って思った事があったんだけど、そのときもモヤモヤしてたのか、すぐ違う事考えちゃってたんだよね。
あれだよ!ゾフィーが破落戸に襲われたって話。最初にゾフィーに合ったとき、ゾフィーが破落戸に絡まれていて、僕らが助けたっていうきっかけで知り合ったんだけど、よく考えたらおかしいんだよ。相手は大人3人だったんだよ。僕らがやっつけられる訳ないと思うよ。」
「‥‥、そう言いきっちゃうと残念だけど‥‥、そうだよね。ギュンター君も含めて僕らその前にギルドで他の冒険者に簡単に吹っ飛ばされてたよね」
ラルフ君とロルフ君の話を聞いて、兄様が難しい顔をした。
「仕組まれていた可能性があるのかな。そのゾフィーという子はグルだったかもしれない」
「うわぁ~そうなっちゃうよね~~」
「僕らに近づく為に、芝居してたって事?でも何のため? 見習い冒険者の報酬なんて3人分でもかなりやっすいのに」
「『プティちゃんお願い』‥‥、貴族だからじゃないかしら」
駒を置いて、真ん中の魔石が光るのを見て、少し口角を上げながらアリサ姉様が言った。
「貴族だと知られていたなら、狙われた可能性は十分になるね。‥『プティちゃんお願い』」
「‥‥そういえば、ギュンター君、装備品とか防具とかプレゼントしてたんだった。『プティちゃんお願い』」
「‥‥今考えれば荷物運びになんで、防具とか防御の魔道具とかいるんだよ。『ゾフィーが怪我しない為』とかはぁぁ‥‥。『プティちゃんお願い』。あ、光らない!」
皆双六を続けながら話をしていたんだけど、ロルフ君はちゃんと「お願い」をしたのに魔石が光らなかった。不満そうに魔石を覗き込んでいる。
(「お願い」が惰性になってきてたにゃ。)
プティは知らんぷりをして毛繕いをしている。
「‥‥気持ちが籠ってなかったんじゃないのかな。『プティちゃんお願い』‥‥、よし、素早さアップ」
僕はしっかり気持ちを込めて「お願い」してみた。
「貴族に取り入ろうとしていたのかもしれないけど、調べないといけないね。『プティちゃんお願い』。力アップだ。そして上がり!」
兄様が最初に上がった。上がると、最後にアップした分が倍になるんだ。
「調べるって‥‥。破落戸は逃げちゃってるし顔隠してたから覚えてないよ。『プティちゃんお願い』」
「それにもうパーティを抜けちゃってるのに、『取り入ろうとしただろう』って言っても。『プティちゃんお願い!』よし光った!」
ロルフ君は今度は魔石が光ったので満足そうだ。ちなみにマーリエは会話には加わらず淡々と「お願い」をして進めている。
僕はふと思い出した。
「偵察君」で冒険者ギルドの中を見ていたときに、ラルフ君達が出て行った後に、ギルドを出た男女二人の後ろ姿。
女の子の方は髪型も服装も違ったけど、赤毛だった。あのときはラルフ君達の跡をつけて行ったわけじゃなかったから安心していたけど
「芝居」するための準備をしてたのか?そうするとあの赤茶けた髪の男の人は‥‥?
「‥‥大人が裏で指示してる?『プティちゃんお願い』」
僕の言葉に兄様が頷いた。
「子供が破落戸を雇うわけないからね。ちゃんと調べた方がいい」
「ああ~そうか~。」
「状態異常も、判断力を鈍らせるために何かされてたんじゃないかしら。『プティちゃんお願い』」
「うわぁ、なんか怖くなって来た!『プティちゃんお願い』」
「ひぇー『プティちゃん助けて!』あっ違う! あ、光った!」
ロルフ君は、焦っておまじないを間違えてしまったけど魔石が光ったみたい。
(面白かったからいいにゃ。)
プティは機嫌良さそうに寝そべっている。ゲームを上がった兄様は、母様達に報告に行くといって部屋を出て行った。
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