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第2章
第76話 また乙女ゲーム要素が
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一週間ほどたった頃の朝、屋敷の中は、ちょっと落ち着きのない雰囲気になっていた。
学園で、生徒達と来年入学予定の人たちと親交を深めるためのパーティがあるだって。招待状が届いたんだ。
兄様はまた支度で大変だな、と思ったら、僕まで礼服を着せられ、メイドのエミリに髪をセットされていた。
よく聞いてみると、来年出なくても入学予定で、一定以上の年齢の子供は、見学の為出席してもよいことになってるんだって。
姉様も、部屋で支度中なんだよ。
マーリエは、まだ規定年齢に達しないからって出席出来ないそうで、ちょっと拗ねていたようだ。
僕はギリギリ出席可能な年齢なんだ。おかげで、マーリエに睨まれてしまった。
いっそ、僕も出席しなくてもいいかなとも思ったんだけど、ミラ嬢もヨナスも出席するだろうと聞くと、ちょっと気になるんだよね。
マーリエをなだめる為に、別途大お着替え大会が開催されている。
可愛い黄色いドレスを着込んで、髪型もばっちりと決めたマーリエが、僕にドレスを見せにくる。
「ソーマ兄様、見てみて。」
「おー、可愛いね。マーリエ、似合っているよ」
「そうでしょう! ケニー兄様にも見せてくるわ」
将来パーティに出席するために練習しなければという名目で、ドレスを着ては着替えて、を繰り返している。
マーリエも機嫌が良くなって楽しそうだからいいのかな。
「ミラ・ファルケン侯爵令嬢! 貴様との婚約を破棄する!」
学園主催の、来年入学予定の人々を交えての懇親の為のパーティ会場で、その声は突然響いた。
オレンジ色の髪のヨナス・モーガン侯爵令息が、会場のど真ん中で怒鳴るようにそう言った。
腕には、ピンクブロンドの髪をした令嬢が、ぴったりと寄り添っている。
僕と兄様、姉様は会場の端で給仕から果実水を受け取ったところだったんだけど、
グラスを持ったまま、ぽかんとしてしまった。
何コレ、また乙女ゲームなの?
ヨナスに名指しされたミラ嬢は、他の令嬢と談笑している最中だった。
名前を呼ばれて、驚いた顔をして、ヨナスの方を振り向いた。
「ヨナス様、婚約破棄、でございますか。」
ミラ嬢は、持っていたグラスを、近くにいた給仕の人に預けて、しっかりとヨナスに向き直って言った。
「そうだ!貴様は、俺とニコラ嬢の仲に嫉妬して、ニコラ嬢に嫌がらせをしたな! そんな醜い心持ちの女性と婚約を継続することはできない!
破棄させてもらう!」
「‥‥、嫌がらせとは?」
ミラ嬢は目を瞬かせた。
ファルケン侯爵家からは、何度かモーガン侯爵家に婚約解消の話を持ちかけたっていっていたし、嫌がらせとかするわけないよね。
学園で、生徒達と来年入学予定の人たちと親交を深めるためのパーティがあるだって。招待状が届いたんだ。
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僕はギリギリ出席可能な年齢なんだ。おかげで、マーリエに睨まれてしまった。
いっそ、僕も出席しなくてもいいかなとも思ったんだけど、ミラ嬢もヨナスも出席するだろうと聞くと、ちょっと気になるんだよね。
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「ソーマ兄様、見てみて。」
「おー、可愛いね。マーリエ、似合っているよ」
「そうでしょう! ケニー兄様にも見せてくるわ」
将来パーティに出席するために練習しなければという名目で、ドレスを着ては着替えて、を繰り返している。
マーリエも機嫌が良くなって楽しそうだからいいのかな。
「ミラ・ファルケン侯爵令嬢! 貴様との婚約を破棄する!」
学園主催の、来年入学予定の人々を交えての懇親の為のパーティ会場で、その声は突然響いた。
オレンジ色の髪のヨナス・モーガン侯爵令息が、会場のど真ん中で怒鳴るようにそう言った。
腕には、ピンクブロンドの髪をした令嬢が、ぴったりと寄り添っている。
僕と兄様、姉様は会場の端で給仕から果実水を受け取ったところだったんだけど、
グラスを持ったまま、ぽかんとしてしまった。
何コレ、また乙女ゲームなの?
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名前を呼ばれて、驚いた顔をして、ヨナスの方を振り向いた。
「ヨナス様、婚約破棄、でございますか。」
ミラ嬢は、持っていたグラスを、近くにいた給仕の人に預けて、しっかりとヨナスに向き直って言った。
「そうだ!貴様は、俺とニコラ嬢の仲に嫉妬して、ニコラ嬢に嫌がらせをしたな! そんな醜い心持ちの女性と婚約を継続することはできない!
破棄させてもらう!」
「‥‥、嫌がらせとは?」
ミラ嬢は目を瞬かせた。
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