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第2章

第70話 極小魔道具

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お互いの声が聞こえる距離だと、通話できているのか今一分からないので、プティを部屋に残して、僕が部屋を離れてみることにした。
同じフロアの、廊下から、プティに連絡をしてみる。

「プティ、聞こえる?」
『にゃーん』
「よし、成功!」

上手くいった!と思ったんだけど、次にもう少し離れたところから話しかけてみたら、つながらなかった。

魔力不足なのか、魔力から変換された電波?の範囲が狭いのか‥‥。
魔石の魔力は、周囲の魔素から補うように魔法陣を書き換えてみても、うまくいかなかった。

「うーん、携帯みたいにするのって無理なのかなー」

実験のために何回か部屋と廊下を行ききしながら、考えてみた。

「そういえば携帯は、携帯端末同士だけで通話できているわけじゃなかったよね」

通信を中継する基地局みたいな機能の魔道具をつくればいいのかもしれない。
部屋に戻って、通信を中継する魔法陣魔石をいくつか作ってみた。そして、先ほど通話できなくなった地点より少し手前に、魔力を通した状態で置いてみる。
そして、先ほどまでは通話できていなかった場所から、もう一度プティに話しかけてみた。

「プティ、聞こえる?」
『にゃーん!』
(聞こえるにゃん)
「よし!」

プティの心の声はどうやって聞こえてきたかは置いておいて、とりあえず中継はうまくいった。次は、中継地点を増やして実験をしてみた。
いくつかの中継地点を経由しても、通話ができるようになった。順調だなと思っていたら、急に繋がらなくなってしまった。

何があったのかと思ったら、廊下のあちこちに配置していた、中継の魔法陣魔石を、メイドが片付けてしまったのだ。
丁寧に、箱に並べて、僕の部屋に運んでくれていた。

「はっきり、中継の魔道具ですよって分かるようにしていないとダメかな。でもみんなに説明しないといけないのか‥‥」

屋敷の中だけなら、「実験中なので触らないでね」と言っておけばいいけど、屋敷の外だと無理だよね。

だったら、目立たなくすればいいかな。
魔石を細かくして、米粒大の魔石に特製魔法陣キットで、魔法陣を書き込む。手で描くのだと大変だけど、魔道具だと小さい魔石にも描けるね。
米粒大の上に、隠蔽の魔法陣も描く。

この米粒大の魔法陣魔石を、搭載したドローンみたいな魔道具を作れないかな、と思ったんだけど、小さくて外枠を作るのが難しい。結局、小さい魔石なら軽いから、魔法で浮くようにすればいいのではと思い当たった

外枠の魔道具がないと物理的にスイッチを入れる手段がないけど、遠隔で操作をすればいい。魔石のまま、魔力をまとって指定した座標に飛んで行って、送られてきたデータを中継するようにする。

極小撮影魔道具も作ってみた。記録は短時間しかできないけど、米粒大で浮遊して、撮影したものを中継魔道具に転送していくもの。

撮影結果を最終的にデータストレージに集めるように設定して、試しに、庭に飛ばしてみた。
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