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第2章

第59話 直接は教えてくれない

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夕食を終えて、お風呂にも入って、後は寝るだけ、となってから、さあ、と、特製魔法陣キットを取り出した。

改めてパラメータに入り口の数値と、中の容量を設定する。
入り口は、前と同じで5メートル四方でいけるかな。容量は、馬車二台分くらいとか、どうかな。

魔力補充用の魔石も、大きい物をセット。
念のため、財布の中に入っていたお金は、出しておこう。失敗して、財布ごと消えちゃったりしたら残念だもんね。

財布の中のお金は全部出して、ストレージルームに入れておいた。
部屋の中に置いていたら、メイドさんに見つかってびっくりされるかもしれないからね。
魔石の魔力が足りなくなったら、僕の魔力も入れられるように設定して、スイッチオン!

プスン

変な音がした。発動しかけて終わった感じ?

慌てて財布が壊れていないか、確認する。中に手を入れて魔力を流してみたけど大丈夫そうだ。
セットした魔法陣魔石を確認すると、魔力補充用の魔石に罅が入っていた。

「これって、魔力が足りなかったからかな」

ちょっと鑑定してみる。

ーーーー魔力補充用魔石、にゃ。罅がはいっているにゃ。魔力は充分あるにゃ

プティの感想がなかった。好きでも嫌いでもないのかな。魔力は充分あるって言ってたね。魔力が足りなくて壊れたんじゃない?

「うーん。」

もう一度他の魔石を調べてみたけど、他の魔石は変わりなかった。
よくわからないので、財布も鑑定してみる。

ーーーーマジック財布、にゃ。颯真ニャンが登録者にゃん。ヒントは空間魔法にゃよ。

うん? なんか、ヒントって言った?

もう一度鑑定をしてみる。

ーーーーマジック財布、にゃ。颯真ニャンが登録者にゃん。ヒント!作るには空間属性の魔力が必要にゃよ。それと

それと?

ーーーーマジック財布、にゃ。颯真ニャンが登録者にゃん。ヒント!それと、ロックしている登録者の魔力が最初に流れないと上手く行かないニャン


ちょっと、プティ。絶対、鑑定の裏でしゃべってるでしょ。直接教えてくれればいいのに‥‥。

僕は毛繕いをしているプティの方を見た。プティはちらっとこちらに目を向けたけど、構わず毛繕いを続けている。
直接アドバイスはしてくれないようだね。

空間魔法?空間属性の魔力?それって、アイテムボックスとかのことかな。
そうすると、僕は一応空間属性の魔力を流せるのかな‥‥。魔力補充用の魔石を見る。これは、サラマンダーの魔石だったから、そのまま魔力が流れると
火属性になるんだだと思う。

そうすると、この魔石は使えないのかな。
ディスペルの魔法陣魔石を作ったときは、起動用の魔力だけ、光属性の魔力を使えるようにしたんだった。

それなら、発動の時は、僕が空間属性の魔力を流すようにして、後は、魔力補充用魔石でも大丈夫かな。もちろん足りなくなったら、僕が続きの魔力を補充するとしよう。
僕の魔力が最初に流れれば登録者の魔力が最初に必要ってところもクリアだよね。
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