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第2章

第47話 マジック財布

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「叔父上のお店みたいに、ちゃんと確認してから売ってくれるお店で買うのが一番だよ。ほら、この間、呪術師の人にあったよね。黒髪の。」
「ああ、ジュジュチュシの人」
「市場は、掘り出し物もあるけど、怪しい物も有ると思うよ。 」
「そっか、そういうのが分かる人が、掘り出し物を見つけるにはこういう場所はいいんだね」

僕の鑑定をもっと鍛えれば、掘り出し物も見つけられるのかな。

とりあえず、市場のアクセサリーはそういう物が紛れ込んでいる物だと思って、怪しくてもスルーしよう。

中古の魔道具が売られているエリアも、ぐるりと見て回ったけど、こちらも掘り出し物が分かる人が買うのがよさそうな感じだった。

ーーーーランプ、にゃ。壊れているにゃ。少しの間くらいは光るにゃ。
ーーーー湯沸かし、にゃ。音がうるさそうにゃ。
ーーーー香炉、にゃ。匂いが嫌いにゃ。
ーーーー魚焼き機、にゃ。焼いた魚は割と好きニャ。

プティの好みにばかり詳しくなって行くような気がしてきた。

でも、鑑定の熟練度を上げるには、色々な物が見れていいのかもしれない。

ーーーーマジックバッグ、にゃ。皮がちょっと古くさいにゃ。容量はたいしたことないにゃ。

お、マジックバッグ?
皮でできた、肩掛け鞄を鑑定してみたら、マジックバッグだと出た。確かに表面がちょっと痛んでいるみたいに見える。

「兄様、あの鞄、ちょっと見たいです」
「ん?あれ?」

僕の目線の先の、ちょっと古い鞄を見て、兄様は不思議そうな顔をした。
兄様の許可が出たので、お店に近づいて、鞄を見せてもらう。
お店のおじさんが二カッと笑って言った。

「坊ちゃん、これはマジックバッグなんだよ。ダンジョン産だ。見た目ボロだけど、見た目の2倍入るよ」


2倍か、確かに容量はそんなに大きくないね。
値段を聞いたら金貨10枚だって。うーん。金貨1枚が10万円くらいだったから100万円くらい。

元々の鞄のサイズもそんなに大きくないから、普通に2倍の大きさの鞄を持ち歩いてもそんなに大変じゃないんじゃないかな。

おじさんは、マジックバッグにしては破格だっていうけど、ちょっとなー。

どんな作りになっているか見てみたかったけど、見た目もぼろいし容量も少ないのに、金貨10枚は高すぎる気がするよ。というより、今日の予算を遥かに超えてるね。

おじさんも、僕たちが貴族に見えたから、ちょっと売り込んでは見た物の、売れるとはあまり思っていなかったみたいで、あまりしつこく売りつけはしなかった。

その場を離れようとしたとき、端っこに並べられていた小さい財布に気がついた。

ーーーーマジック財布、にゃ。色がいいにゃ。見た目は普通の財布にゃ。

灰色と白の柄で、プティの色と一緒だった。だからプティの好みの色なのか。

「おじさん、そのお財布を見せてもらえますか?」
「これかい?こっちは普通の財布だよ。小銭入れだね。」

手に取らせてもらったので、もう一度鑑定をかけてみる。

ーーーーマジック財布、にゃ。色はいいけど、プティの方が可愛いにゃ。所有者ロックがかかってるにゃ。

所有者のロックがかかっているから、所有者以外には普通の財布にしか見えないみたいだ。
僕が手に取ったから、プティの方が可愛いとかライバル心を出したのかな‥‥。
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