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第26話 魅了耐性の腕輪

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翌日、父様にOKをもらって、公園まで来た。

なんだか一昨日より護衛の人が多めだ。

赤い石に触れると早速、プティが話しかけてきた。

(颯真ニャン。さっそく加護が効いたにゃん)
(プティ、ありがとう。本当助かったよ)
(神力たまってきたから、今日は毒耐性つけられるにゃん)
(ありがたいけど、それ、フラグじゃないよね)

プティに、状態異常耐性って、魔法陣で作れるかどうかを相談してみた。

状態異常だと範囲が広いから、魔力を沢山使うだろうから、作るにしても、魅了耐性だけとか、効果を狭めた方がよいかもといわれた。

(魔法陣のことは、よくわからないにゃん。颯真ニャンに耐性をあげているにゃんから、解析してみるといいにゃん)
(解析したら作れるの?)
(よくわからないにゃん。颯真ニャンが、時々やってた、リバースなんとかにゃん)
(リバースエンジニアリング?え、魔法にそれって使えるのかな‥‥)

その日は公園に行っただけで、他に寄らずに帰った。

おかげで毒耐性のフラグは回避できた気がする。

帰ってから、状態異常耐性の加護がなんとか解析できないか考えてみた。

ソファーに、ごろんと横になりながら、一昨日、アクセサリー店の前で、魅了の女性とすれ違ったときの事を思い出す。

あの時の感覚。魅了の魔力がふりまかれた感覚と、それをレジストした感覚。

プティの加護で自動でやってくれたけど、思い出すと、レジストが発動した時、魔力の流れに変化があった気がする。

魔力を身体の中でコネコネと練って、似た感覚になるかを探っていく。

ダイブ感覚が近くなったな、と思ってから、机の引き出しから魔石を取り出して、転写の魔法を使う。

魔石に、魔法陣が描かれた。

今度は、描かれた魔法陣を眺め、不要な部分をとり除いて行く。

不要な部分を取り除いたら、強弱のパラメータを調整する。
イメージできたなと思ったら、もう一度転写した。
大体出来たと思う。
魔法陣に、魔力を込めてみる。
魔石が光った。

ーーー魅了耐性魔法が発動したにゃ。特に影響はないにゃ。

うん。いちいち教えてくれるの、結構便利だね。

後は、特製魔法陣キットで、効果範囲を調整したり、小さい魔石に書き込んだりする。
魔法陣を魔石に転写することは、魔法でできるんだけど、複雑だとかなり魔力も集中力も必要になるんだ。

特製魔法陣キットを使うと、集中しなくていいから、楽なんだよ。

ふと、光属性魔法の事を思い出す。
一昨日は慌てていて、思いつかなかったけど、光属性魔法のディスペルを使っていたら、魅了を解除できたんじゃないかな。

光属性魔法は、使っていいって言われたときしか使っちゃ行けないッて言われているけれど、

家族用にだけでも、ディスペルの魔道具を作ってみてもいいか、聞いてみようかな。

出来上がった魔法陣魔石は、腕輪に加工してみた。プティのシルエットがさりげない感じでデザインしてある。

それを持って父様に、見せにいった。

執務室にいた父様は、僕が来ると、執務机の前から、テーブルセットのところに移動をして、テーブルの上に置かれた腕輪を眺めている。

「魅了耐性の腕輪、か‥‥」

「うん、それでね、僕、ディスペルのも作れるんじゃないかと思うんだけど。家族の分だけでも、作ってみちゃダメかな」

「ディスペルか‥‥。光属性魔法が表にでるようなことは極力さけたほうがいいと思うんだよ。」

「でも、すぐ傍に、聖水がないときとか、心配だよ」

「そうだね‥。」

父様は、腕輪を手に取って眺めてから、しばらく考えて言った。

「ディスペルの魔道具は、家族の分だけ作って見てくれるか。
なるべく人の目に触れないようにして、猫の意匠からたどられないように、猫のデザインもなしでもいいかい?」

「プティの‥‥。うん。わかった。作ってみるね」

プティグッズに出来ないのはちょっと残念だけど、家族の分数個しか作らないし、安全第一だ。

父様は、いつの間にか叔父様を呼びにやっていたようで、しばらくして叔父様がやってきた

僕が魔道具をつくったから、呼んだんだろうけれど、叔父様はうちに来る頻度高すぎ。もう住んじゃえばいいのに。
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