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王への決意

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後輩が仕事の初日に王子と喧嘩しています。

「そんな理不尽な理由で解雇するのであれば訴えますよ」

「お前誰に向かって口きいてるんだ、敬語を使え」

止めるべきなのかほっておくべきなのか。
分からないけど今はまず止めておこう。

「仕事中ですベルさん。後輩をいじめないでくださいリヒト様」

二人は同時にこっちを向いて、うなずいた。
リヒトが悪いと思うけど。

ベルが廊下の清掃に行ったときに私はリヒトと話した。

「なんであんなに解雇したかったんですか?」

私が訪ねると、リヒトが目を逸らして顔を赤らめてい言った。

「ミーシャとの二人の時間が減るじゃねえか」

やっぱりリヒトってすごい乙女だよね。
以外にも私よりも女子って感じ。

「そんな理由ですか。一応私の後輩です。いじめたら許しませんよ」

リヒトは以外にも私の言葉を素直に聞いてくれる。
そういうところは好きかも。

廊下の清掃から帰ってきたベルが私とリヒトに向けて、仲がよろしいようで。と軽くおこりながら言った。

仕事も終わりベルも帰った。
そして私も帰ろうとしたら急にリヒトに手をつかまれた。

「ごめん。やっぱ俺まてねーわ、答え聞かせてくれないか」

答え?
告白の事だろう。答えはもう決まっている。

「告白のですよね?それだったらもちろんオーケーですよ」

ずっと緊張していたようなリヒトの顔が一気に緩んで頬から一粒の涙がこぼれた。
告白されてからきずいた。

なぜかずっとドキドキしていて、顔が熱くなって、リヒトがいないとき急に会いたくなる。
ほんとはきずいていた、ずっときずかないふりをしていたのかもしれない。

会うたびに増すこの気持ち。
人を好きになったことなんて初めてだ。

「念のためにもう一回伝えとく。好きだミーシャ」

いつもと違って真っすぐ私の方を見て言ってきた。
その言葉に対して私もこういった。

「私もですよ。リヒト様」

二人でニコッと笑いあって、私はそのまま嬉しい気分のまま部屋に戻り布団に入ってすぐ寝た。
しかし次の日。

「なんて言いましたか?ミーシャ先輩とリヒト様がお付き合いされている?」

なぜかベルにリヒトの口からそう話していた。
なんですぐにばらすのかな。

そのせいで城中にその噂が広まった。

「メイドと王族が付き合う?そんなことがあっていいわけないだろう!」

リヒトと私はいま王直々に怒られて言います。
ずっと我慢して聞いていたがリヒトが限界を超えたそうで、反論をし始めた。

「なんでミーシャと俺が付き合ったらだめなんですか?」

「位が違いすぎるんだよ!二人でいたいならお前が王になってルールを変えて見せろ。それだったら認めてやる」

リヒトは一歩も引かず前に出た。

「なってやりますよ。ミーシャと一緒にいるためなら俺は世界だって変えてやる」

世界、大きく出たな。

でもそれだけの覚悟で私を好きになってくれたと考えたら相当嬉しい。
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