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『君がランか。会いたかったよ』

私はこんな美しい人見たことないし知らない。

「君はいま私を頭の中で思い出そうとしているね。無駄だ。君と私は初対面だ」

まあ、そうなるよね。
こんな人を見て忘れるほうがおかしいし。

「でも私は君をずっとここから見ていたいたよ」

もしかしてストーカー?
やばい人かもしれない。

「端的に自己紹介をすると私は神様です」

神様?本物?
でもこの美しさは人間のそれではない。あり得るかも。

「あと君は私を救ってくれると信じているよ」

何の事だろう。

「私はできるだけ君の手助けをしよう、楽しい人生をおくりたまえ」

次の瞬間私は光に包まれた。
目を開けるとまた城に戻っていた。

城はざわめいていて、私はみんなに冷たい目で見られていた。

さっきの所まで戻ったのかな。

「婚約を破棄されて私はどうしたらいいんですか?」

ふと声が出ていた。

「平民として平凡な人生を送って二度と私に顔を見せるな。国外追放とする」

国外追放って、私何もしてなくない?
ただ頑張ってきただけなのに。

「今すぐ立ち去れ」

ひどい。
そんなに私のこと嫌いでしたら喜んで平民に戻って平凡な暮らしをしますよ。

私は走って城を出て行った。

私何もしてないのにそんなにひどいこと言わなくてよくない?

気が付くと私はまた森の中にいた。
さっきと同じ道。

私はさっき言っていた道をたどった。
するとやはり彼はいた。

「私が手助けしよう」

また光につつまれて、目を開けると、どこかの家の前にいた。
ドアの前まで行くと張り紙があって、「〃自由に使ってください〃神様」と書いてあったので使わせてもらうことにした。

裏には畑があって農業ができそうだ。

周りには家はなく高いところに家があった。
下のほうには村があった。試しに降りてみた。

すると一人の男性に声をかけられた。

「見ない顔ですね。旅行か何かですか?」

うわっ。イケメン。
神様には程遠いけど。

「あ、あそこの方に引っ越してきたものです」

私は自分の家の方面に指をさして伝えた。

「そうなんですか。では私とともに来てください」

なんだろう。すごい一気に真面目な顔になった。
私は彼に言われるがままについて行った。

すると村長と呼ばれる人が出てきた。

「あなたはどうやってあの家を見つけましたか?」

「気が付いたらですかね。詳しくは言えないですけど」

さっきの男性と村長が目を合わせてからこちらを見た。
そして硬く手を握りこう言われた。

「あなたが神の巫女ですか!」

目を輝かせて私を見ていた。
なんだ神の巫女って。

「なんですかそれ」

「伝説の神の巫女ですよ!」
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