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43日目―蹂躙、梓編―

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 それは、正午を5分ほどまわった時だった。
 監視カメラ越しに射抜かれて、体を凍り付かせていた梓の耳を、申し訳程度のノックが貫く。
 さも当然のように入ってきた真壁沙羅は、モニターの前に座ったままの梓を見下ろした。
「久しぶりだな。まさかお前から連絡を取ってくるとは思わなかったぞ」
「……あんたの方から私に接触するのは、禁止されてるからね」
「あんた?」
「あぐっ!」
 梓の前髪を掴んで、沙羅は手元に引き上げる。
 がしゃん、と椅子が倒れて、からからと乾いた音を立てた。
「上等な小屋を与えられ、幹部職に就いて身の程を忘れたか? お前のルーツはどこまで行ってもモルモットだろうが」
「っひ、あ……っ!」
 手を離して、床に倒れ込む梓の頭を踏み、沙羅は気を取り直すように喉を鳴らした。
「だがしかし、いま私はとても気分が良い。よくぞあれほどの傑物を探し出したものだ。褒めてやる」
「…………どうも」
「三度目はないぞ」
 ぐりぐりと頭を踏まれて、梓は床に頬擦りして呻く。
 なあ、おい、と低い声で、沙羅は梓にもう一度言った。
「褒めてやる。返事は」
「あ、りがどう、ございま……すっ……!」
「よろしい」
 頭蓋を軋ませていた圧力が解けて、梓は力なく体を起こす。
 ぺたん、と女の子座りで見上げる顔は、無力に震える少女のもので。
 梓と目線を合わせるように片膝を立てて、沙羅は嗜虐者の笑みを浮かべた。
「供物には褒美をやらねばな。今日は優しく犯してやるぞ」
 
■■■
 
 汗を流したい、という沙羅の申し出に従い、風呂を沸かした。
 当然のように梓も付き合わされる。
 1人用の浴室に、女が二人。
 もはや見上げるような背丈の沙羅は、高密度の体を広げて、梓に命じる。
「洗え。手は使うなよ」
「………はい」
 沙羅の意図を正確に汲む梓は、ボディソープを自分の体にまぶして、沙羅に抱き着く。
「思えば、地下牢の外でお前と接するのは初めてだな」
 恐る恐る、胸とお腹を使って沙羅の体に泡を広げていると、沙羅が言った。
「………幹部会議で何回か会ってます」
「あんなもの会ったうちに入るか」
 まあ、一瞬目が合うぐらいの交流を会ったというのは無理があるだろう。
 小さい体で慣れない奉仕に勤しむ梓の体が前に来た時に、沙羅はその頬を両手でつかんだ。
「あ、ちょ……っ」
「忘れないうちにな」
「んんっ⁉ んんんんんーーー~~~っ!」
 薄い唇を合わせられ、ねっとりとしたキスを強要される。
 上から潰されるようにして口内を暴かれた梓は、沙羅の唾液と、それから一錠の薬を嚥下させられた。
 白い喉が動くのを確認して、沙羅は豊満な胸の頂点に泡を滑らせる。
「うあ………っ」
「さすがに即効性なだけはあるな」
「いまの、は……?」
「感度を常人に戻す薬だ。万が一私が負けそうになったときの保険に口に忍ばせていたが、もういらないのでな」
 そして、上半身を梓の胸で洗われた沙羅は、椅子に座って梓を招く。
「次は足を洗ってもらおうか。だが上半身は使うなよ。わかるな」
「……………はい」
 しゃりしゃりと梓の下生えを弄る沙羅の眼光に射抜かれて。
 梓は自分の体が昂るのも無視して、陰部に泡を擦りつけた。
 
■■■
 
「おい、なんだこの浴槽。私でも足を延ばせるぞ。絶対こんなに要らないだろ」
「………ぅ、あ……、たまにバタ足とか、して、遊んで、あうっ! ま、す……っ」
「子供っぽさが抜けないな……。体はこんなに成長したのにな」
「あ、ああんっ! そんな、さわ、らないでっ……」
 浴槽に深く身を沈める沙羅に後ろから抱きすくめられて。
 片手で両腕を後ろにまとめられ、足を開くことを強要されて、梓は好き放題に体を弄られていた。
 絶対栄養が偏っているくせに膨らんだ胸を揉みしだき、ゆらゆらと揺れる陰毛に守られた陰核を押す。声を抑えても体を丸める梓の首に、痕がつくぐらいの強さで歯を立てる。
「く、はあっ!」
「痛いか」
「いっ、だい、ですっ!」
「そうか。では詫びだ」
「あ、ひゃあっ! まって、くださっ!」
 ぐり、と肛門に指を突っ込まれて、梓は官能の混じったうめき声を漏らした。
 お湯が腸に入ってくる感覚と、皮膚の厚い沙羅の指で愛撫される刺激が重なって、体の奥が熱くなっていく。
「い、ゃ、ああああっ!」
「このぐらいでわめくな。お前だって普段は責める側なんだろうが」
 言われて、梓は先ほどまで沙羅に苛まれていた蛍を思い出す。
 真正面から折られて、戦いの中で何度もイかされて、痛めつけられて。それでも最後まで折れなかった強い人。
「ひっ……っ!」
 蛍の顔を思い出した途端、体中が熱くなって、梓はわきあがってくる快楽への対処がわからずに悲鳴を漏らす。
 沙羅の方も、湯に交じった愛液のぬめりを感じて、梓の腕を解放し、肛門から指を抜いた。
「こちらを向いて股を突き出せ」
「………………は、い」
―――私には、無理だ。
 顔を伏せ、沙羅の前に濡れた陰唇を捧げて、梓は目を閉じる。
 沙羅の指が膣の奥深くまで入って、ぱしゃりと湯が跳ねた。
「あ、あああっ!」
「何を想像したんだか。すごい濡れ方じゃないか。媚び方の勉強でもしていたのか」
「あ、ああ、ああん、んんんっ! ふ、ぅ、あああっ!」
 優雅に入浴を楽しむ沙羅の、暇つぶしぐらいの雑な愛撫に翻弄されて、梓は全身を震わせる。
 沙羅の鋭い目を見ると、思考が固まる。
 沙羅の指で体に触れられると、屈服しきった体が強制的に発情する。
 ぱしゃ、ぱしゃ、というお湯の音と、ぐちゅぐちゅと鳴る淫液の音だけが浴室にしばし反響し。
 ぶるぶると全身の震えが収まらなくなって、梓は熱にうなされた顔を上げる。
「あ、はあっ! イ、っても、いいです、か………っ」
 ぎゅ、と閉じそうになる太ももで必死に体を支える梓の陰核を親指の腹で押して、沙羅は一言で返した。
「許す」
「あ、あん、ああんっ! イき、ます、イぐ、ぅあ、イっ、くぅぅううああああああっ!」
 その光景は、まさに敗北だっただろう。
 浴槽の中で膝を立て、体を反り返らせて女の秘部を敵に晒して果てる梓に、沙羅はくつくつと笑い声をあげた。
「ようやく思い出してきたじゃないか。モルモットとしての立ち振る舞いが」
「あ、あう、ぅ……」
「さあ、続きだ」
「………え、きゃあっ!」
 ぐいっ、と片腕で無理やり浴槽から出されて、梓はベッドまで運ばれる。
 荷物のように雑にベッドに頬られた梓に、沙羅は上から伸し掛かった。
 その手で、張形をベルトで腰に固定しているのを見て、梓の喉が干上がる。
「まって、待ってください! お願いします、まだ、だって10時間も……っ」
「お前に拒否権はない」
 装着を終え、人を殺せるほどの眼光を梓に向け、握った拳をゆらゆらと揺らして、沙羅は問う。
「優しく抱かれたいなら、自分の手で襞をめくれ。壊されたいなら好きに抗え。私はどちらでもいいぞ」
―――蛍ちゃんだったら、吠えるんだろうなあ……。
 だったら、なんて現実逃避で。
 梓は自分に、そんな気骨がないことはもう知っている。目の前の女に、尊厳と一緒に奪われたときの記憶が頭から離れない。
 ひっぐ、としゃくりあげながら、梓は足をM字に開いて、自分の指で、ぬるぬると涎を垂らす膣内を晒した。
「………い、たいのは、やめて、ください……っ」
「いいだろう」
 言葉とは裏腹に。
 容赦なく突き立てられた張形に、梓は呼吸を忘れてベッドの上で小さな体を反り返らせた。
 
■■■
 
「ひ、ああああっ! やす、ませ、でぇぇ……………っ」
「軟弱だな。私なんてほとんど徹夜なんだぞ」
 襞がめくれ上がるぐらいしつこく正常位で貫かれ。
 次は騎乗位を強要され、沙羅のお腹の上で何度もバウンドさせられ、挙句の果てに陰核も同時に責められて気絶するぐらいイかされて。
 それが終わったら、次に求められたのは対面座位で。
 子宮口まで貫かれたまま、陰核と乳首を手で愛撫されて、梓は擦り切れた喉をさらに酷使する。
「ひ、っく、はあ、も、う……いや、だよ、っ、イぎ、たく、ない、よぉ……っ!」
「っは、っは……。お前はもう少し運動しろ」
 沙羅の太腿の上でがくっ、がくっ、と震えて、顔じゅうを汗と涙と鼻水でぐしょぐしょにした梓が、壊れるほどの絶頂を迎える。
 張形と膣の隙間から盛大に愛液を吹き出す梓。
 沙羅は寝室の時計を見て、ふう、と小さくため息をついた。
「そろそろ、時間か」
「ぁ、ぅ………ほん、と、です、か……」
「ああ」
 言うが早いか。
 梓の脇に手を入れて持ち上げて、ベッドにうつ伏せに叩きつける。
 伸びをする猫のように、尻を突き出して上半身をべったりと寝かせた姿勢にされて、梓はつぶれたような声を上げた。
「ぐ、ぎゅ……っ!」
「最後は背面で突いてやる。まあ、後日湿布ぐらいは送ってやるよ」
「ま、って、もうっ、―――~~~~っ!」
 ばぢゅん、という音は、びちょびちょに濡れた梓の膣の最奥に、張形が叩きつけられた音だったが。
 それが梓にとっては、ブレーカーの落ちる音に聞こえた。
 何も聞こえない、何も見えない。何もわからない。
 ただ激しく突かれて快楽を訴える秘貝の感触だけが頭を支配する。
「あ、あああ、くっ、はああああああああああああああっ!」
 形のいい双臀をわななかせ、たらたらと愛液を下に垂らしながら、梓は絶叫する。
 ばぢゅん、ばぢゅん、ばぢゅん、ばぢゅん、ばぢゅんっ。
「あ、っが、ゔ、うあっ! ああっ! あんっ!」
「やはりお前は、良い声で鳴く」
 小刻みに絶頂を迎え続ける梓をさらに高めようと、沙羅は腰の動きを最大まで早める。
 そして、とどめに。
 ひくひくと悲鳴のように開閉する肛門を見ながら、沙羅は梓の腰を掴んで。
 全体重をかけて、子宮を潰さんばかりに突き込んだ。
 ぴんっ、と全身を伸ばして固まる梓の耳元で、囁く。
「果てろ、猫」
「イっぎ、っく、あああああああああああああああああああっ!」
 一瞬の硬直ののち、梓は全身を震わせて大絶頂を迎える。
 噴水のように愛液を噴き、さらに開いた股から尿まで漏らしてべしゃりと突っ伏す梓。
 その痴態を上から見下ろして、沙羅は超然と呟いた。
「飼い主に粗相をするとは。悪い猫だ」
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