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転校生

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「新学期も気を引き締めて、勉学に励むように。」ジル教師はそう言うと、「今日からこのクラスに新しい仲間が加わるぞ。くれぐれも失礼のないようにな。」と続けた。そして、廊下に向かって、「リリシア嬢、お入りください。」と言ったのだった。

そして、教室に入ってきたのは、ストロベリーブロンドの髪の毛をふんわりと巻いた、空色の瞳を持つ、とても愛らしい女の子だった。(かわいい!) 私はこの女の子に釘付けになった。

彼女は教師の隣に立つと、「今日からよろしくお願いします。私のことはどうぞリリシアと呼んでください。」とそれはそれは可愛いらしい声で言った。クラスの男の子たちが色めきたち、何やらこそこそと互いに囁いている。彼女が空いている席に着席すると、教師は「みんな、リリシアくんにまた学校案内をしてやってくれ。」と言って授業を始めた。

昼休みになると、私はローズと連れ立ってランチに行こうとした。リリシアのほうをちらりと見ると男の子たちに囲まれていた。(さすが、魅力的な人は違うなぁ。)と私は心の中で舌を巻いた。その時、リリシアがこちらをちらりと見た気がしたが、あっと思う前に向こうが顔を背けたので、恐らく私の気のせいだったのだろう。


放課後、(今日は疲れた。)なんて考えながら教室の掃除をしていると、キースがやって来た。「久しぶりの学校はどうだった?」なんて言いながら。私がそれに対して返答せず曖昧に笑うと、「よかったら、送ってくよ。」と彼は続けた。あの夜以来、特別私に危害を加えるようなことはしてこなかったし、そもそも私と彼の間には何ら確執はないので私は「すいません。ありがとうございます。」と返事した。

道具を片付けて、いざ待たせていた彼と帰ろうとした時、向こうからピンク色のふわふわしたものが走って来た。「?」私は一瞬それが何なのかわからなかったが近くまできて、その人がリリシアだとわかった。彼女は走ってくるなり、私の腕に腕を絡ませると「ルーナさん、よろしければご一緒してもいいですか。」と青い瞳をキラキラさせて聞いてきた。

(綺麗な瞳! でも私たちって初対面だよね? 何だか前に)私はそこまで考えて、「うん、一緒に帰ろうか。キースもいいよね? 」と彼に同意を求めた。彼は「もちろん。」とにこやかに答えた。

学校の敷地内に私たちの寮はあるのだが、男子寮が手前、女子寮が奥にある。だから必然的にキースとは先に分かれて私たちは二人並んで歩き出した。リリシアは相変わらず私と腕を組んでいるが、私は特に悪い気はしなかった。
「もうわかってるよね?」彼女は笑顔で前を向いたまま、私に聞いてきたので「セインでしょ?」私はにやりと笑いながら返答したのだった。
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