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13−5 空気の読めない騎士達
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アリアドネは一心不乱に編み物を続けていた。
何としても城に到着するまでに、エルウィンに感謝の気持ちを込めてマフラーを手渡したかったからだ。
それもただ平坦な編み方ではなく、複雑な模様が編みこまれたマフラーだった。
このマフラーは初めてエルウィンにプレゼントする品だったので、どうしても手の込んだ網目模様のマフラーをプレゼントしたかったからだ。
そしてマフラーが20㎝程編みあがった頃……。
突然馬車が停車した。
「あら?もしかしたら宿場町に到着したのかしら?」
バスケットの中に編みかけのマフラーをしまった時……。
馬車の扉がカチャリと開かれ、エルウィンの姿が現れた。
「アリアドネ、休憩地点に到着したぞ。降りよう」
エルウィンが手を差しのべて来た。
「あ、ありがとうございます」
エルウィンのエスコートで馬車を降りた。
すると、目の前には踏み固められた広々とした土の路面が広がった賑やかな街並みが目に飛び込んできた。
路面の両サイドを挟むように丸太を組んだ店が立ち並び、通りを歩く人々がいる。
「随分この宿場町は賑わっていますね?」
アリアドネは始めて見る宿場町の光景に目を奪われながら尋ねた。
「そうか、アリアドネは城に来る際はこのルートを通らなかったのだな?この町は『アイデン』地方でもかなり大きな町に当たる場所だ」
エルウィンが説明した。
「そうですか…エルウィン様はこの町の領主様でもいらっしゃるのですね」
「う、うむ‥‥まぁ、そういうことにはなるが……俺はあまり領地の管理には詳しく無くてな…。殆どシュミットに任せてあるんだ。何しろ俺はこの国を守るのが専門だからな」
隠していても仕方が無いと思ったエルウィンは正直に話すことにした。
むしろ、もうこれ以上アリアドネに隠し事をするのは嫌だったからだ。
(俺がアリアドネの正体に気付いておきながら、その事実を伏せていたせいであのような事件が起きてしまったからな。もう二の舞は踏むものか)
「そうですよね、エルウィン様はこの国の為に命を掛けて下さっているのですよね。本当にご立派なことだと思います」
「アリアドネ……」
一瞬、アリアドネとエルウィンが見つめ合った時――。
「エルウィン様!馬を預けてまいりました!」
「食堂の手配も済みました!すぐに全員入れるそうですよ!」
「早く行きましょう!」
騎士たちが大勢2人の元へ押しかけてきた。
「あ、ああ。分かった。そ、それでは行こうか?アリアドネ」
エルウィンは気が利かない騎士たちに苛立ちを感じながら、ぎこちない笑みを浮かべてアリアドネに声を掛けた。
すると……。
「お、おい…見たか?今の…」
「あ、ああ。笑った…よな…?」
「エルウィン様もあんな顔出来るのか?」
騎士たちのざわめきがエルウィンの背後で聞こえる。
「お、お前たち…いい加減にしろっー!!」
ついにエルウィンは切れて大声をあげてしまった――。
何としても城に到着するまでに、エルウィンに感謝の気持ちを込めてマフラーを手渡したかったからだ。
それもただ平坦な編み方ではなく、複雑な模様が編みこまれたマフラーだった。
このマフラーは初めてエルウィンにプレゼントする品だったので、どうしても手の込んだ網目模様のマフラーをプレゼントしたかったからだ。
そしてマフラーが20㎝程編みあがった頃……。
突然馬車が停車した。
「あら?もしかしたら宿場町に到着したのかしら?」
バスケットの中に編みかけのマフラーをしまった時……。
馬車の扉がカチャリと開かれ、エルウィンの姿が現れた。
「アリアドネ、休憩地点に到着したぞ。降りよう」
エルウィンが手を差しのべて来た。
「あ、ありがとうございます」
エルウィンのエスコートで馬車を降りた。
すると、目の前には踏み固められた広々とした土の路面が広がった賑やかな街並みが目に飛び込んできた。
路面の両サイドを挟むように丸太を組んだ店が立ち並び、通りを歩く人々がいる。
「随分この宿場町は賑わっていますね?」
アリアドネは始めて見る宿場町の光景に目を奪われながら尋ねた。
「そうか、アリアドネは城に来る際はこのルートを通らなかったのだな?この町は『アイデン』地方でもかなり大きな町に当たる場所だ」
エルウィンが説明した。
「そうですか…エルウィン様はこの町の領主様でもいらっしゃるのですね」
「う、うむ‥‥まぁ、そういうことにはなるが……俺はあまり領地の管理には詳しく無くてな…。殆どシュミットに任せてあるんだ。何しろ俺はこの国を守るのが専門だからな」
隠していても仕方が無いと思ったエルウィンは正直に話すことにした。
むしろ、もうこれ以上アリアドネに隠し事をするのは嫌だったからだ。
(俺がアリアドネの正体に気付いておきながら、その事実を伏せていたせいであのような事件が起きてしまったからな。もう二の舞は踏むものか)
「そうですよね、エルウィン様はこの国の為に命を掛けて下さっているのですよね。本当にご立派なことだと思います」
「アリアドネ……」
一瞬、アリアドネとエルウィンが見つめ合った時――。
「エルウィン様!馬を預けてまいりました!」
「食堂の手配も済みました!すぐに全員入れるそうですよ!」
「早く行きましょう!」
騎士たちが大勢2人の元へ押しかけてきた。
「あ、ああ。分かった。そ、それでは行こうか?アリアドネ」
エルウィンは気が利かない騎士たちに苛立ちを感じながら、ぎこちない笑みを浮かべてアリアドネに声を掛けた。
すると……。
「お、おい…見たか?今の…」
「あ、ああ。笑った…よな…?」
「エルウィン様もあんな顔出来るのか?」
騎士たちのざわめきがエルウィンの背後で聞こえる。
「お、お前たち…いい加減にしろっー!!」
ついにエルウィンは切れて大声をあげてしまった――。
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