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11-18 オズワルドの挑発
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ロイが死に、オズワルドが南塔を目指していた頃――。
「皆っ!我に続けっ!」
エデルガルトが南塔の騎士たちを率いて東塔の城内で反乱軍と激しい戦いを繰り広げていた。
人質となっていたミカエルとウリエルがロイによって助け出され、下働きの者達に無事保護された知らせはエデルガルトとシュミットの元に届けられた為であった。
東と南の騎士や兵士たちが入り混じり、至るところで剣で打ち合ってはいるものの、南塔の騎士達が装備しているのは殺傷能力の低い剣である。
それはエデルガルトの命令によるものだった。
「良いか皆の者っ!東塔の騎士や兵士たちも我らアイゼンシュタットの大切な仲間なのだっ!仲間内で殺し合うことは決してしないようにしろっ!そして可能であれば戦いをやめるように説得するのだっ!」
戦いの指揮を取りながらエデルガルトは声を張り上げた。
そしてその甲斐あってか…徐々に東塔の騎士及び兵士たちは投降し始めていた――。
****
宿場村から馬を走らせてきたエルウィン達の目の前に、ついにアイゼンシュタット城が見えてきた。
「城が見えてきたっ!気をつけろっ!我々の姿は丸見えだ!奴等が攻撃してくるかもしれないから油断するなっ!
エルウィンは騎士たちに向かって叫んだ。
『はいっ!』
その返事を聞くと、エルウィンは益々馬を走らせる速度を上げ……目を見張った。
「跳ね橋が降りているし、城門が開いている……!もしや南塔の者たちかっ?!」
有事の際、アイゼンシュタット城の城門は閉ざされ、跳ね橋も上がるようになっている。
現にエルウィン達が城を出発した際には跳ね橋も上がり、城門も固く閉ざされていたのだ。
「皆っ!アイゼンシュタット城が開城されている!このまま進むぞっ!勝機は我らにあるっ!」
『はいっ!!』
エルウィンの言葉に騎士たちは一斉に返事をした。
(待っていろよ…。オズワルドッ!今日こそお前と決着をつけてやるっ!)
エルウィンは激しい怒りを胸に、城門を目指した――。
****
「ほう……ついにあの生意気な青二才が現れたか…」
謁見の間にあるバルコニーから外の様子を眺めていたオズワルドは馬に乗って走ってくるエルウィンの姿を目にした。
「どれ…少し驚かせてやるか……」
オズワルドは手にしていた拳銃をピタリとエルウィンに向け、射程距離に入るのを静かに待った。
やがて……。
(今だっ!)
ドーンッ!!
オズワルドの銃口が火を噴いた。
その音は馬を駆けるエルウィンの耳にも届いた。
「!」
シュッ!!
オズワルドの撃った弾丸はエルウィンの頬をかすめる。
「チッ!」
エルウィンは手綱を引き、すぐに馬の動きを止めた。
「エルウィン様っ!大丈夫ですかっ?!」
エルウィンの直ぐ側を馬に乗って駆けていた騎士が馬を止めると慌てて声を掛けてきた。
「ああ…大丈夫だ。頬をかすめただけだからな……」
エルウィンの右頬からは一筋の血が流れている。
「オズワルド…」
頬の血を拭うと、エルウィンはバルコニーからこちらを見下ろしているオズワルドを見て声を張り上げた。
「オズワルドッ!貴様、わざと外したなっ!」
「ああ、そうだっ!エルウィンッ!貴様と決着をつけるためになっ!俺と剣で勝負するのだっ!ここまで来いっ!」
オズワルドのこえが響き渡る。
「面白い…。今からそこへ行く。全員手出しは無用だっ!勿論貴様の部下達もだ!」
「いいだろう!1対1の勝負だ!俺はここで貴様を待つ!」
「ああ!行ってやる!絶対にそこから逃げるなよっ!」
そしてエルウィンは部下たちに命じた。
「いいか、お前たち!これは俺とオズワルドの戦いだ!絶対に手出しはするな!」
それだけ言い残すとエルウィンは馬から降りると、オズワルドの待つ謁見の間へ急ぎ向かった――。
「皆っ!我に続けっ!」
エデルガルトが南塔の騎士たちを率いて東塔の城内で反乱軍と激しい戦いを繰り広げていた。
人質となっていたミカエルとウリエルがロイによって助け出され、下働きの者達に無事保護された知らせはエデルガルトとシュミットの元に届けられた為であった。
東と南の騎士や兵士たちが入り混じり、至るところで剣で打ち合ってはいるものの、南塔の騎士達が装備しているのは殺傷能力の低い剣である。
それはエデルガルトの命令によるものだった。
「良いか皆の者っ!東塔の騎士や兵士たちも我らアイゼンシュタットの大切な仲間なのだっ!仲間内で殺し合うことは決してしないようにしろっ!そして可能であれば戦いをやめるように説得するのだっ!」
戦いの指揮を取りながらエデルガルトは声を張り上げた。
そしてその甲斐あってか…徐々に東塔の騎士及び兵士たちは投降し始めていた――。
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宿場村から馬を走らせてきたエルウィン達の目の前に、ついにアイゼンシュタット城が見えてきた。
「城が見えてきたっ!気をつけろっ!我々の姿は丸見えだ!奴等が攻撃してくるかもしれないから油断するなっ!
エルウィンは騎士たちに向かって叫んだ。
『はいっ!』
その返事を聞くと、エルウィンは益々馬を走らせる速度を上げ……目を見張った。
「跳ね橋が降りているし、城門が開いている……!もしや南塔の者たちかっ?!」
有事の際、アイゼンシュタット城の城門は閉ざされ、跳ね橋も上がるようになっている。
現にエルウィン達が城を出発した際には跳ね橋も上がり、城門も固く閉ざされていたのだ。
「皆っ!アイゼンシュタット城が開城されている!このまま進むぞっ!勝機は我らにあるっ!」
『はいっ!!』
エルウィンの言葉に騎士たちは一斉に返事をした。
(待っていろよ…。オズワルドッ!今日こそお前と決着をつけてやるっ!)
エルウィンは激しい怒りを胸に、城門を目指した――。
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「ほう……ついにあの生意気な青二才が現れたか…」
謁見の間にあるバルコニーから外の様子を眺めていたオズワルドは馬に乗って走ってくるエルウィンの姿を目にした。
「どれ…少し驚かせてやるか……」
オズワルドは手にしていた拳銃をピタリとエルウィンに向け、射程距離に入るのを静かに待った。
やがて……。
(今だっ!)
ドーンッ!!
オズワルドの銃口が火を噴いた。
その音は馬を駆けるエルウィンの耳にも届いた。
「!」
シュッ!!
オズワルドの撃った弾丸はエルウィンの頬をかすめる。
「チッ!」
エルウィンは手綱を引き、すぐに馬の動きを止めた。
「エルウィン様っ!大丈夫ですかっ?!」
エルウィンの直ぐ側を馬に乗って駆けていた騎士が馬を止めると慌てて声を掛けてきた。
「ああ…大丈夫だ。頬をかすめただけだからな……」
エルウィンの右頬からは一筋の血が流れている。
「オズワルド…」
頬の血を拭うと、エルウィンはバルコニーからこちらを見下ろしているオズワルドを見て声を張り上げた。
「オズワルドッ!貴様、わざと外したなっ!」
「ああ、そうだっ!エルウィンッ!貴様と決着をつけるためになっ!俺と剣で勝負するのだっ!ここまで来いっ!」
オズワルドのこえが響き渡る。
「面白い…。今からそこへ行く。全員手出しは無用だっ!勿論貴様の部下達もだ!」
「いいだろう!1対1の勝負だ!俺はここで貴様を待つ!」
「ああ!行ってやる!絶対にそこから逃げるなよっ!」
そしてエルウィンは部下たちに命じた。
「いいか、お前たち!これは俺とオズワルドの戦いだ!絶対に手出しはするな!」
それだけ言い残すとエルウィンは馬から降りると、オズワルドの待つ謁見の間へ急ぎ向かった――。
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