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4-9 アリアドネの危機
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「ねぇ…あんた随分若そうに見えるけど、幾つなの?」
地下通路を3人で歩いていると、1人のメイドがアリアドネに声を掛けて来た。
「はい、18歳です」
「何ですって?18歳?私よりも4歳も若いじゃない」
「私よりも2歳若くて何で下働きなんかしてるのよ」
2人のメイド達は口々に言う。
「それは…あの作業場での仕事が好きだからです」
アリアドネは苦しい言い訳をした。
「だけど、下働きは35歳を過ぎた女達が働く場所よ?そんなに若いのなら、この城でメイドの仕事をすればいいじゃない。下働きなんかに比べるとずっと楽よ?」
「そうそう、それに夜は可愛がって貰えるからね~」
その言葉にアリアドネは頬が赤くなってしまった。
(やっぱり本当の事だったのだわ…一部のメイド達は夜はこの城の男の人達のお相手をしているという話は…)
城内の使用人用の廊下を歩いていると、多くの者の視線が集まって来る。メイド達やフットマンの視線がアリアドネを見つめている。
「あ、あの…どこまで炭をお届けすれば良いのでしょうか?」
あまり目立ちたくなかったアリアドネはたまらず、前を歩くメイド達に声を掛けた。
「ああ、この炭は騎士様や兵士様達の部屋に届けるのよ」
1人のメイドが振り返りながら答えた。
「え?」
(そ、そんな…。)
アリアドネは焦った。城内には女性に手が早い騎士や兵士達がいるので、城にはあまり近付かない方が良いと、下働きの女性達から警告されていたからである。
その時―。
前方から3人の兵士と思しき男たちがこちらへ向かって近付いて来る姿が目に留まった。
「あ、こんにちは」
「こんにちは、兵士様」
たちまち2人のメイドは笑顔で挨拶をする。すると兵士達はメイド達の肩を抱き寄せながら言った。
「よぉ、元気にしていたか?そうだ…ここで偶然会ったのも何かの縁だ。今夜相手をして貰えるか?」
「ああ、俺も頼む」
「ええ。勿論いいですわ」
「フフ…愉しみにしています」
そこへ1人の兵士が少し離れた場所に立っているアリアドネに目を付けた。
「へ~あの娘は誰だ?見たところ、下働きの使用人に見えるが…偉く若いじゃないか?」
すると2人のメイドはその言葉が気に入らなかったのか、意地悪気に言った。
「ええ、そうなんですよ。若いくせに下働きなんかしているんです」
「まだ18歳なのですって」
「へ~18歳…いいねぇ…」
「ああ。若いから肌艶もいいじゃないか」
「今夜はあの娘でもいいかな…」
「!」
兵士達の言葉にアリアドネは恐怖を覚えた。すると流石にメイド達は焦った様子で兵士たちに口々に言う。
「で、でも…ほら、あの娘は下働きだから…」
「ええ、そうです。相手なら私達でいいでしょう?」
しかし、兵士たちはメイド達を押しのけるようにアリアドネに近付いてくると、最初に声をかけてきた兵士が乱暴にアリアドネの腕を掴むと、とんでもない事を言った。
「へぇ~…近くで見ると、ますます美人だな…よし、決めた。今夜俺の相手はお前が務めろ」
「そ、そんな…それだけはお許し下さい…」
アリアドネはその言葉に恐怖を覚え、震えながら返事をした。
「何だと…?お前、下働き女のくせに俺を拒否するって言うのか…!生意気な…!」
兵士が腕を振り上げたその時―。
「おいっ!貴様…一体そこで何をやっているんだっ!!」
怒気を含んだ声が廊下に響き渡り、アリアドネを含めたその場にいる全員が振り返った。
するとそこには、激しい怒りを込めた目でこちらを睨み付けているエルウィンの姿があった―。
地下通路を3人で歩いていると、1人のメイドがアリアドネに声を掛けて来た。
「はい、18歳です」
「何ですって?18歳?私よりも4歳も若いじゃない」
「私よりも2歳若くて何で下働きなんかしてるのよ」
2人のメイド達は口々に言う。
「それは…あの作業場での仕事が好きだからです」
アリアドネは苦しい言い訳をした。
「だけど、下働きは35歳を過ぎた女達が働く場所よ?そんなに若いのなら、この城でメイドの仕事をすればいいじゃない。下働きなんかに比べるとずっと楽よ?」
「そうそう、それに夜は可愛がって貰えるからね~」
その言葉にアリアドネは頬が赤くなってしまった。
(やっぱり本当の事だったのだわ…一部のメイド達は夜はこの城の男の人達のお相手をしているという話は…)
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あまり目立ちたくなかったアリアドネはたまらず、前を歩くメイド達に声を掛けた。
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1人のメイドが振り返りながら答えた。
「え?」
(そ、そんな…。)
アリアドネは焦った。城内には女性に手が早い騎士や兵士達がいるので、城にはあまり近付かない方が良いと、下働きの女性達から警告されていたからである。
その時―。
前方から3人の兵士と思しき男たちがこちらへ向かって近付いて来る姿が目に留まった。
「あ、こんにちは」
「こんにちは、兵士様」
たちまち2人のメイドは笑顔で挨拶をする。すると兵士達はメイド達の肩を抱き寄せながら言った。
「よぉ、元気にしていたか?そうだ…ここで偶然会ったのも何かの縁だ。今夜相手をして貰えるか?」
「ああ、俺も頼む」
「ええ。勿論いいですわ」
「フフ…愉しみにしています」
そこへ1人の兵士が少し離れた場所に立っているアリアドネに目を付けた。
「へ~あの娘は誰だ?見たところ、下働きの使用人に見えるが…偉く若いじゃないか?」
すると2人のメイドはその言葉が気に入らなかったのか、意地悪気に言った。
「ええ、そうなんですよ。若いくせに下働きなんかしているんです」
「まだ18歳なのですって」
「へ~18歳…いいねぇ…」
「ああ。若いから肌艶もいいじゃないか」
「今夜はあの娘でもいいかな…」
「!」
兵士達の言葉にアリアドネは恐怖を覚えた。すると流石にメイド達は焦った様子で兵士たちに口々に言う。
「で、でも…ほら、あの娘は下働きだから…」
「ええ、そうです。相手なら私達でいいでしょう?」
しかし、兵士たちはメイド達を押しのけるようにアリアドネに近付いてくると、最初に声をかけてきた兵士が乱暴にアリアドネの腕を掴むと、とんでもない事を言った。
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怒気を含んだ声が廊下に響き渡り、アリアドネを含めたその場にいる全員が振り返った。
するとそこには、激しい怒りを込めた目でこちらを睨み付けているエルウィンの姿があった―。
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