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12-8 私の婚約者
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「は?何言ってるんだい?そんな嘘…通用すると思っているの?言っただろう?姉さんは運と年の離れた…年寄と結婚させられるって!」
「ダミアンッ!口を慎んで頂戴っ!」
仮にも相手はユーグ大公なのに…!
あの方のお陰で私は教育を受けることが出来、実家も援助を受けることが出来ているのに…!
「ルペルト、お前…俺に婚約者がいると話したことがあるだろう?それなのにそんな嘘をついていいのか?第一ロザリーの結婚相手は既に決まっているんだぞ?」
何故かイアソン王子迄険しい顔でルペルト様を見ている。
「ええ、以前確かにイアソン王子に話した通りです。彼女が…僕の婚約者ですから」
ルペルト様は満面の笑みを浮かべて私を見る。
「ルペルト様…?」
私をダミアンから守ろうとしてくれているのは分かるし、その気持はすごく嬉しい。
けれど、何故誰もが分かるような嘘をルペルト様は堂々とつくのだろうか?
するとダミアンが叫んだ。
「嘘を言うのはやめろよっ!いいよ…そこまで堂々と嘘をつくと言うのなら姉さんの婚約者のことを話して上げるよ」
「ダミアンッ!」
けれど、ダミアンは私の静止も聞かずに、とうとうその名を口にしてしまった。
「姉さんの結婚相手は…ユーグ・オブ・ローデン。『ローデン』公国を治める大公なんだよ!うんと年老いたね!」
ダミアンの言葉にその場が静まり返る。
とうとう…私はルペルト様に知られてしまった…。
ルペルト様は、一体どう思っているのだろう…?
恐る恐るルペルト様を見ると、何故か口元に笑みを浮かべている。
「そうか…随分誤解をさせてしまったようだね?それともあえて大叔父様は黙っていたのかな?だとしたら随分人が悪いな…。最も…僕も冬期休暇に入る直前に聞かされた話だから無理もないか…」
「え…?」
一体ルペルト様は何を言っているのだろう?
「な、何だよ!一体さっきからブツブツと…」
ダミアンがイライラした様子でルペルト様を睨んでいる。
「ルペルト、お前…さっきから何を言ってるんだ?」
イアソン王子は戸惑いを隠せない様子で、先程から私とルペルト様を交互に見ている。
するとルペルト様は驚くべきことを口にした。
「そう言えば、まだ僕の自己紹介をしていなかったよね?僕の名前はルペルト・オレイン。ユーグ大公は僕の大叔父で、学校を卒業後はローデン家に養子に入ることになっているんだ。何しろ独身だったユーグ大公には跡継ぎがいないからね。そして僕の婚約者がロザリー…君なんだよ?」
ルペルト様は私の髪をそっと撫でて、優しく微笑んだ―。
「ダミアンッ!口を慎んで頂戴っ!」
仮にも相手はユーグ大公なのに…!
あの方のお陰で私は教育を受けることが出来、実家も援助を受けることが出来ているのに…!
「ルペルト、お前…俺に婚約者がいると話したことがあるだろう?それなのにそんな嘘をついていいのか?第一ロザリーの結婚相手は既に決まっているんだぞ?」
何故かイアソン王子迄険しい顔でルペルト様を見ている。
「ええ、以前確かにイアソン王子に話した通りです。彼女が…僕の婚約者ですから」
ルペルト様は満面の笑みを浮かべて私を見る。
「ルペルト様…?」
私をダミアンから守ろうとしてくれているのは分かるし、その気持はすごく嬉しい。
けれど、何故誰もが分かるような嘘をルペルト様は堂々とつくのだろうか?
するとダミアンが叫んだ。
「嘘を言うのはやめろよっ!いいよ…そこまで堂々と嘘をつくと言うのなら姉さんの婚約者のことを話して上げるよ」
「ダミアンッ!」
けれど、ダミアンは私の静止も聞かずに、とうとうその名を口にしてしまった。
「姉さんの結婚相手は…ユーグ・オブ・ローデン。『ローデン』公国を治める大公なんだよ!うんと年老いたね!」
ダミアンの言葉にその場が静まり返る。
とうとう…私はルペルト様に知られてしまった…。
ルペルト様は、一体どう思っているのだろう…?
恐る恐るルペルト様を見ると、何故か口元に笑みを浮かべている。
「そうか…随分誤解をさせてしまったようだね?それともあえて大叔父様は黙っていたのかな?だとしたら随分人が悪いな…。最も…僕も冬期休暇に入る直前に聞かされた話だから無理もないか…」
「え…?」
一体ルペルト様は何を言っているのだろう?
「な、何だよ!一体さっきからブツブツと…」
ダミアンがイライラした様子でルペルト様を睨んでいる。
「ルペルト、お前…さっきから何を言ってるんだ?」
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するとルペルト様は驚くべきことを口にした。
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ルペルト様は私の髪をそっと撫でて、優しく微笑んだ―。
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