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10-14 私を気遣ってくれる人
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「え?それではルペルト様は…3年生だったのですか?」
「うん、今18歳だよ。ロザリーとは2学年違いだね」
ルペルト様はにこやかに返事をする。
「そうだったのですか…」
イアソン王子の口調から、てっきりルペルト様は同じ年齢だとばかり思っていたけれども、まさか年上だったなんて。
「学年が違うからあまり会うことは無いかもしれないけど、これから宜しくね?」
笑みを浮かべるルペルト様。
「はい、こちらこそよろしくおねが…」
そこまで言いかけて、私は大事な事実を忘れていたことに気が付いた。
そうだった、ここ『リーガル学園』は身分の上下関係の厳しい世界。きっとルペルト様は白い制服に違いない。
私のようなグレーの制服では無いはずだ。
「どうかしたの?」
ルペルト様が尋ねてきた。
「い、いえ…。ルペルト様、仮に学園内で私に会ってもどうかお声を掛けないで頂けますか?」
「え?どうして?」
「はい。この学園は身分の上下関係が厳しい世界なのです。平民だけでなく、貴族間も下位貴族と上位貴族の区別がされています。制服の色ですら分けられているのですから…。でも交換留学生としてこちらに通われるのですからご存知ですよね?」
「…うん。知ってるよ」
「私は爵位も無い、平民なのです。本来であれば平民学生は貴族の学生と口を聞くのはおこがましいことです。ルペルト様は恐らく白い制服を着られる身分の方ですよね?その様な方が私みたいな平民に声を掛ければ、お互い周囲からどの様な目で見られるか分かったものではありません。なので、どうか…学園内では私に声を掛けないで頂けますか?お願いします」
ルペルト様に頭を下げた。
「ロザリー…」
ルペルト様は少しの間私を見つめていたけれども、やがて口を開いた。
「うん、分かったよ。君の言う通り…学園内で会っても声を掛けないようにするよ。ロザリーに迷惑を掛けたくはないからね」
「ルペルト様…」
その言葉に驚いた。
今迄『私に迷惑を掛けたくはない』と言ってきた人は私の周囲では父位しかいなかったのに。
「ありがとうございます…ルペルト様」
頭を下げてお礼を述べた時―。
「ロザリーッ!ルペルトーッ!」
イアソン王子が手を振って、こちらへ駆け寄ってきた。
「イアソン王子、どうでしたか?レナート様はいらっしゃいましたか?」
私が尋ねるとイアソン王子は首を振った。
「駄目だった…。レナートはまだ一度も寮に戻っていないそうだ」
「そうですか…」
ルペルト様が目を伏せた。
「そ、そんな…!」
フランシスカ様…っ!
「イアソン王子、フランシスカ様が出掛けそうな場所、本当に心当たりありませんか?!」
私はイアソン王子に詰め寄った。
「落ち着けって。本当にレナートがフランシスカに何かしようと思っているのか?」
「で、でもフランシスカ様はレナート様に婚約解消をお願いしているのですよ?御家族も一緒になって」
「何だって…?」
私の言葉にイアソン王子の眉が険しくなった―。
「うん、今18歳だよ。ロザリーとは2学年違いだね」
ルペルト様はにこやかに返事をする。
「そうだったのですか…」
イアソン王子の口調から、てっきりルペルト様は同じ年齢だとばかり思っていたけれども、まさか年上だったなんて。
「学年が違うからあまり会うことは無いかもしれないけど、これから宜しくね?」
笑みを浮かべるルペルト様。
「はい、こちらこそよろしくおねが…」
そこまで言いかけて、私は大事な事実を忘れていたことに気が付いた。
そうだった、ここ『リーガル学園』は身分の上下関係の厳しい世界。きっとルペルト様は白い制服に違いない。
私のようなグレーの制服では無いはずだ。
「どうかしたの?」
ルペルト様が尋ねてきた。
「い、いえ…。ルペルト様、仮に学園内で私に会ってもどうかお声を掛けないで頂けますか?」
「え?どうして?」
「はい。この学園は身分の上下関係が厳しい世界なのです。平民だけでなく、貴族間も下位貴族と上位貴族の区別がされています。制服の色ですら分けられているのですから…。でも交換留学生としてこちらに通われるのですからご存知ですよね?」
「…うん。知ってるよ」
「私は爵位も無い、平民なのです。本来であれば平民学生は貴族の学生と口を聞くのはおこがましいことです。ルペルト様は恐らく白い制服を着られる身分の方ですよね?その様な方が私みたいな平民に声を掛ければ、お互い周囲からどの様な目で見られるか分かったものではありません。なので、どうか…学園内では私に声を掛けないで頂けますか?お願いします」
ルペルト様に頭を下げた。
「ロザリー…」
ルペルト様は少しの間私を見つめていたけれども、やがて口を開いた。
「うん、分かったよ。君の言う通り…学園内で会っても声を掛けないようにするよ。ロザリーに迷惑を掛けたくはないからね」
「ルペルト様…」
その言葉に驚いた。
今迄『私に迷惑を掛けたくはない』と言ってきた人は私の周囲では父位しかいなかったのに。
「ありがとうございます…ルペルト様」
頭を下げてお礼を述べた時―。
「ロザリーッ!ルペルトーッ!」
イアソン王子が手を振って、こちらへ駆け寄ってきた。
「イアソン王子、どうでしたか?レナート様はいらっしゃいましたか?」
私が尋ねるとイアソン王子は首を振った。
「駄目だった…。レナートはまだ一度も寮に戻っていないそうだ」
「そうですか…」
ルペルト様が目を伏せた。
「そ、そんな…!」
フランシスカ様…っ!
「イアソン王子、フランシスカ様が出掛けそうな場所、本当に心当たりありませんか?!」
私はイアソン王子に詰め寄った。
「落ち着けって。本当にレナートがフランシスカに何かしようと思っているのか?」
「で、でもフランシスカ様はレナート様に婚約解消をお願いしているのですよ?御家族も一緒になって」
「何だって…?」
私の言葉にイアソン王子の眉が険しくなった―。
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