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9-1 初めての1人外出
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翌日も素晴らしく良い天気だった。
朝―いつものルームサービスの朝食が届けられた時、メッセージカードが添えられていた。
『本日10時にメイド服をお届けにお部屋に参ります』
「随分丁寧なメッセージカードね…。きっと送り主はイアソン王子ではないかもしれないわ」
そして私は今日も1人、部屋で朝食を食べた―。
****
午前10時―
コンコン
部屋の扉がノックされた。
「はい」
読みかけていた本を閉じ、扉をあけるとそこにはホテルの女性従業員が立っていた。
「あの…?」
「ロザリー・ダナン様。お城より贈り物が届きましたので、お届けに参りました」
にこやかな笑みを浮かべた女性従業員は大きな箱を手渡してきた。
「どうもありがとうございます」
「いいえ、それでは失礼致します」
女性は頭を下げて、扉をしめた。
パタン…
扉が閉じ、1人になると私は箱をベッドの上に置くと蓋を開けた。するとそこには一目でメイド服と分かる衣装が入っていた。
「まぁ…これがメイド服なの?でも…すごく可愛らしいデザインだわ…」
箱から取り出すと、中から出てきたのはパフスリーブの袖に裾がふんわりと広がったボリュームたっぷりの真っ黒なワンピース。それにフリルが可愛らしいエプロンが入っていた。
「これをお城のクリスマスパーティーで着て参加すれば、パーティーの様子も分かるわね」
ハンガーに届けられたメイド服を吊り下げると、出掛ける準備を始めた―。
****
イアソン王子に買ってもらった白い襟にチェック柄のロングワンピース姿でホテルのロビーに姿を現した私を誰も注目する人はいなかった。
良かった…このワンピースなら違和感が感じられないと言う事なのだ。安心した私はフロントに向かった。
「すみません。外出したいのでお部屋の鍵を預かって頂けますか?」
「はい、かしこまりました」
フロントマンはにこやかに鍵を受け取った。
「では宜しくお願い致します」
「はい、お気をつけて行ってらっしゃいませ」
そして私は『ヘンデル』に到着して始めて1人で外出する事になった―。
****
「本当にこの町は綺麗ね…」
真っ白な石畳に、通りに立ち並ぶお店も真っ白な石造りで街のすべてが観光地として整備されている。坂道が多いこの町青い海に囲まれて、まるで童話の世界の様だ。
「辻馬車乗り場はどこかしら…?」
町を歩きながらキョロキョロ辺りを見渡しているとベンチが置かれ、馬車の絵が書かれた標識のポールが目に入った。そして既に何人かの人が並んで立っている。
「きっとあそこが辻馬車乗り場ね…」
私は早速その場所へ向かった。
15分程列に並び、私は馬車に乗ることが出来た。
「お嬢さん、どちらまで行きますか?」
御者のおじさんが馬車に乗り込む私に声を掛けてきた。
「はい、海に行きたいのですけど」
「え?海ですか?何処の海ですか?」
「あ…」
そうだった。私は海に行くことしか考えておらず、何処の海が良いか等考えてもいなかった。
思わず黙り込んでしまうと、御者のおじさんが助け舟を出してくれた。
「それならイーストビーチに行ってみますか?ここから一番近いし、とても海がきれいな場所ですよ?」
「本当ですか?ではイーストビーチに連れて行って下さい」
「はい、承知致しました」
そして辻馬車は私を乗せてイーストビーチに向けて走り出した―。
朝―いつものルームサービスの朝食が届けられた時、メッセージカードが添えられていた。
『本日10時にメイド服をお届けにお部屋に参ります』
「随分丁寧なメッセージカードね…。きっと送り主はイアソン王子ではないかもしれないわ」
そして私は今日も1人、部屋で朝食を食べた―。
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午前10時―
コンコン
部屋の扉がノックされた。
「はい」
読みかけていた本を閉じ、扉をあけるとそこにはホテルの女性従業員が立っていた。
「あの…?」
「ロザリー・ダナン様。お城より贈り物が届きましたので、お届けに参りました」
にこやかな笑みを浮かべた女性従業員は大きな箱を手渡してきた。
「どうもありがとうございます」
「いいえ、それでは失礼致します」
女性は頭を下げて、扉をしめた。
パタン…
扉が閉じ、1人になると私は箱をベッドの上に置くと蓋を開けた。するとそこには一目でメイド服と分かる衣装が入っていた。
「まぁ…これがメイド服なの?でも…すごく可愛らしいデザインだわ…」
箱から取り出すと、中から出てきたのはパフスリーブの袖に裾がふんわりと広がったボリュームたっぷりの真っ黒なワンピース。それにフリルが可愛らしいエプロンが入っていた。
「これをお城のクリスマスパーティーで着て参加すれば、パーティーの様子も分かるわね」
ハンガーに届けられたメイド服を吊り下げると、出掛ける準備を始めた―。
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イアソン王子に買ってもらった白い襟にチェック柄のロングワンピース姿でホテルのロビーに姿を現した私を誰も注目する人はいなかった。
良かった…このワンピースなら違和感が感じられないと言う事なのだ。安心した私はフロントに向かった。
「すみません。外出したいのでお部屋の鍵を預かって頂けますか?」
「はい、かしこまりました」
フロントマンはにこやかに鍵を受け取った。
「では宜しくお願い致します」
「はい、お気をつけて行ってらっしゃいませ」
そして私は『ヘンデル』に到着して始めて1人で外出する事になった―。
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「本当にこの町は綺麗ね…」
真っ白な石畳に、通りに立ち並ぶお店も真っ白な石造りで街のすべてが観光地として整備されている。坂道が多いこの町青い海に囲まれて、まるで童話の世界の様だ。
「辻馬車乗り場はどこかしら…?」
町を歩きながらキョロキョロ辺りを見渡しているとベンチが置かれ、馬車の絵が書かれた標識のポールが目に入った。そして既に何人かの人が並んで立っている。
「きっとあそこが辻馬車乗り場ね…」
私は早速その場所へ向かった。
15分程列に並び、私は馬車に乗ることが出来た。
「お嬢さん、どちらまで行きますか?」
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「はい、海に行きたいのですけど」
「え?海ですか?何処の海ですか?」
「あ…」
そうだった。私は海に行くことしか考えておらず、何処の海が良いか等考えてもいなかった。
思わず黙り込んでしまうと、御者のおじさんが助け舟を出してくれた。
「それならイーストビーチに行ってみますか?ここから一番近いし、とても海がきれいな場所ですよ?」
「本当ですか?ではイーストビーチに連れて行って下さい」
「はい、承知致しました」
そして辻馬車は私を乗せてイーストビーチに向けて走り出した―。
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