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5-4 友人
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レナート様が立ち去って行く姿を見届けると、私は2人に声を掛けた。
「あの…」
「あ、ロザリー」
フランシスカ様が振り向き、笑顔で私を見た。
「いくらだったのかしら?」
「はい、4000ダルクになるそうですが…」
「そうなの?ではこれでお願い」
フランシスカ様は1000ダルク紙幣を4枚差し出して来た。
「はい、丁度お預かり致します。今、お花をお持ちしますね」
「ええ。よろしくね」
頭を下げると私はすぐにカトリーヌさんの元へ戻った。作業台の前にはカトリーヌさんが立っていて、既に台の上には美しい花束が出来上がっていた。
「カトリーヌさん。お金を預かってきました」
「あ、ロザリー。こっちも花束が出来上がったわ」
カトリーヌさんは出来上がった花束を指さした。
「素敵…とてもきれいな花束ですね」
「そうね、それじゃお客様に花を持っていってくれる?」
「はい、こちらがお金です。丁度4000ダルク預かってきました」
カトリーヌさんにお金を手渡し、私は花束を受け取ると店先で待っているフランシスカ様とイアソン王子の元へ向かった。
「どうもお待たせ致しました」
出来上がった花束をフランシスカ様に手渡した。
「まぁ。とってもきれいな花束ね。嬉しいわ、ありがとう」
「い、いえ。こ、こちらこそお買い上げありがとうございます」
顔を赤らめて頭を下げた。
「ロザリー…。さっきレナートの姿を見たんだろう?」
今迄私達の様子を黙って見つめていたイアソン王子が声を掛けてきた。
「は、はい…。あの…ありがとうございます…。私の為に…レナート様を帰して頂いたのですよね…?」
「「…」」
フランシスカ様とイアソン王子は顔を見合わせ、次に私を見た。
「レナートが…何の為にこの店に来たのかは大体見当が付いているわ。私が貴女の事を友人と言ったから…今度は貴女に取り入る為に近付こうとしていたのよ」
「全く…。フランシスカの前でこんな事は言いたくないけれど、女性を泣かせるなんて最低な男だよ。あいつは…」
イアソン王子はため息をつきながら言う。
「でも、それは…仕方の無い事です。レナート様がそれだけフランシスカ様の事を大切に思ってらっしゃるという事でしょうから」
私の言葉にフランシスカ様は首を振った。
「だけど、私のせいで貴女がレナートに責められるのは嫌だわ」
その時、帽子を目深に被ったお客さんがやってきた。それを目にしたイアソン王子がフランシスカ様に声を掛けた。
「フランシスカ。ロザリーの仕事の邪魔をしてはいけない。僕達はもう行こう」
「え、ええ。そうね…」
フランシスカ様は頷くと、私の方を振り向いた。
「それじゃ、アルバイト頑張ってね」
「またな、ロザリー」
「はい、ありがとうございます」
2人は手を振ると店を後にした。するとお花を見ていた男性客が声を掛けてきた。
「そこの君、ちょっといいかい?」
「はい、お花のお買い上げですか?」
男性客の元へ行った。
「ロザリー。どうやら君に貴族の友人が出来たようだね…?」
え…?そ、その声は…?
男性客は目深に被った帽子を上げ…私はその人物を見て思わず目を見開いた―。
「あの…」
「あ、ロザリー」
フランシスカ様が振り向き、笑顔で私を見た。
「いくらだったのかしら?」
「はい、4000ダルクになるそうですが…」
「そうなの?ではこれでお願い」
フランシスカ様は1000ダルク紙幣を4枚差し出して来た。
「はい、丁度お預かり致します。今、お花をお持ちしますね」
「ええ。よろしくね」
頭を下げると私はすぐにカトリーヌさんの元へ戻った。作業台の前にはカトリーヌさんが立っていて、既に台の上には美しい花束が出来上がっていた。
「カトリーヌさん。お金を預かってきました」
「あ、ロザリー。こっちも花束が出来上がったわ」
カトリーヌさんは出来上がった花束を指さした。
「素敵…とてもきれいな花束ですね」
「そうね、それじゃお客様に花を持っていってくれる?」
「はい、こちらがお金です。丁度4000ダルク預かってきました」
カトリーヌさんにお金を手渡し、私は花束を受け取ると店先で待っているフランシスカ様とイアソン王子の元へ向かった。
「どうもお待たせ致しました」
出来上がった花束をフランシスカ様に手渡した。
「まぁ。とってもきれいな花束ね。嬉しいわ、ありがとう」
「い、いえ。こ、こちらこそお買い上げありがとうございます」
顔を赤らめて頭を下げた。
「ロザリー…。さっきレナートの姿を見たんだろう?」
今迄私達の様子を黙って見つめていたイアソン王子が声を掛けてきた。
「は、はい…。あの…ありがとうございます…。私の為に…レナート様を帰して頂いたのですよね…?」
「「…」」
フランシスカ様とイアソン王子は顔を見合わせ、次に私を見た。
「レナートが…何の為にこの店に来たのかは大体見当が付いているわ。私が貴女の事を友人と言ったから…今度は貴女に取り入る為に近付こうとしていたのよ」
「全く…。フランシスカの前でこんな事は言いたくないけれど、女性を泣かせるなんて最低な男だよ。あいつは…」
イアソン王子はため息をつきながら言う。
「でも、それは…仕方の無い事です。レナート様がそれだけフランシスカ様の事を大切に思ってらっしゃるという事でしょうから」
私の言葉にフランシスカ様は首を振った。
「だけど、私のせいで貴女がレナートに責められるのは嫌だわ」
その時、帽子を目深に被ったお客さんがやってきた。それを目にしたイアソン王子がフランシスカ様に声を掛けた。
「フランシスカ。ロザリーの仕事の邪魔をしてはいけない。僕達はもう行こう」
「え、ええ。そうね…」
フランシスカ様は頷くと、私の方を振り向いた。
「それじゃ、アルバイト頑張ってね」
「またな、ロザリー」
「はい、ありがとうございます」
2人は手を振ると店を後にした。するとお花を見ていた男性客が声を掛けてきた。
「そこの君、ちょっといいかい?」
「はい、お花のお買い上げですか?」
男性客の元へ行った。
「ロザリー。どうやら君に貴族の友人が出来たようだね…?」
え…?そ、その声は…?
男性客は目深に被った帽子を上げ…私はその人物を見て思わず目を見開いた―。
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