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4-9 目覚めた場所は
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具合の悪い身体に鞭打つように私は花屋目指して歩いた。
「はぁ…はぁ…」
身体は酷く寒気がし、頭は割れそうに痛む。それに何だか眩暈もする。相当熱が高いのだろう。お金に余裕があれば辻馬車も拾えるし、医者にかかることだって出来るけれども、私にはそのような余裕は一切無かった。
私は昨夜自分が取った行動を激しく後悔していた。あそこでレナート様を待っていなければ風邪を引く事も無かった、心が傷付く事も無かった。
…私は馬鹿だった。レナート様がどれだけフランシスカ様の事が好きなのか失念していたのだ。レナート様にとって、フランシスカ様に少しでも害を及ぼす人間は憎む対象になるのだ。それに気付けなかった私がいけなかった。
何とか、花屋まで自力で辿り着いて…もし可能ならアルバイト代を前借りしてお医者さんへ…。だけどアルバイト先まではまだ半分も歩けていない。意識が朦朧と仕掛けた時―。
ガラガラと音を立てて馬車が近付いてくる気配を感じたと思えば背後から声を掛けられた。
「あれ?ひょっとして…ロザリーじゃないか?」
「え…?」
振り向くと、そこに乗っていたのはイアソン王子と…。
「フランシスカ…様…?」
するとフランシスカ様は私を見て驚くと馬車の扉を開けて降りてきた。
「どうしたのっ?!ロザリーッ!顔色が真っ青よっ!
「あ…フランシスカ様…」
フランシスカ様は私の額に手を当てると目を見開いた。
「酷い熱…っ!あんな寒いところでずっといたからじゃないのっ?!」
するとイアソン王子もいつの間にか降りてきていて私に尋ねてきた。
「ロザリー。こんなに高い熱なのに一体何処へ行こうとしていたんだ?」
「ア、アルバイトへ…」
「アルバイト?そんな身体で出来るはずないじゃないの」
フランシスカ様が心配そうな顔で私を見ている。
「い、いえ…今日はお休み…させて下さいというつもり…だったんです…。それで…アルバイト代の前借りを…」
そこから先の記憶は無い―。
****
次に目を覚ますと私は自室のベッドに寝かされていた。
「私…いつの間に…?」
するとすぐそばで声が聞こえた。
「ロザリー?目が覚めたのね?」
「え?」
視線を移すと、そこには私を心配そうに覗き込むフランシスカ様の姿があった。
「あ…フランシスカ様…」
「良かった…目が覚めてくれて…」
ほっとした様子のフランシスカ様に尋ねた。
「あの…私一体何故ここに…」
「ロザリー。貴女はあの場で気を失ってしまったのよ?そこで私は別の辻馬車を拾って診療所によって貴女を診察してもらったの。その後、また馬車で連れ帰って来て寮母さんと2人で運んだのよ」
その話を聞いて私は青ざめた。ベッドから起き上がるとフランシスカ様は驚いた様に声を掛けて来た。
「な、何してるの?何故起きようとするの?」
「フランシスカ様に…お詫びを…」
「お詫び?そんなのは必要ないわ。早く横になって」
「申し訳ございません…」
再びベッドに横たわると私は言った。
「本当に…高貴なお方に…こんなにもご迷惑を掛けてしまって、お詫びのしようがありません。それに…このように狭いお部屋に…」
するとフランシスカ様は首を振った。
「何を言ってるの?こんな時にまで遠慮はやめて頂戴」
「はい…」
力なく返事をするとフランシスカ様が言った。
「アルバイトの事も心配しないで。イアソン王子が貴女のアルバイト先を探して伝えてくれたから。明日もバイト休んで下さい、お大事にと言っていたらしいわ」
「イアソン王子が…?」
「本当に…お2人共、ありがとうございます…」
レナート様の件で傷ついていた心に2人の優しさが身に染み…私の目から一筋の涙が流れ落ちた―。
「はぁ…はぁ…」
身体は酷く寒気がし、頭は割れそうに痛む。それに何だか眩暈もする。相当熱が高いのだろう。お金に余裕があれば辻馬車も拾えるし、医者にかかることだって出来るけれども、私にはそのような余裕は一切無かった。
私は昨夜自分が取った行動を激しく後悔していた。あそこでレナート様を待っていなければ風邪を引く事も無かった、心が傷付く事も無かった。
…私は馬鹿だった。レナート様がどれだけフランシスカ様の事が好きなのか失念していたのだ。レナート様にとって、フランシスカ様に少しでも害を及ぼす人間は憎む対象になるのだ。それに気付けなかった私がいけなかった。
何とか、花屋まで自力で辿り着いて…もし可能ならアルバイト代を前借りしてお医者さんへ…。だけどアルバイト先まではまだ半分も歩けていない。意識が朦朧と仕掛けた時―。
ガラガラと音を立てて馬車が近付いてくる気配を感じたと思えば背後から声を掛けられた。
「あれ?ひょっとして…ロザリーじゃないか?」
「え…?」
振り向くと、そこに乗っていたのはイアソン王子と…。
「フランシスカ…様…?」
するとフランシスカ様は私を見て驚くと馬車の扉を開けて降りてきた。
「どうしたのっ?!ロザリーッ!顔色が真っ青よっ!
「あ…フランシスカ様…」
フランシスカ様は私の額に手を当てると目を見開いた。
「酷い熱…っ!あんな寒いところでずっといたからじゃないのっ?!」
するとイアソン王子もいつの間にか降りてきていて私に尋ねてきた。
「ロザリー。こんなに高い熱なのに一体何処へ行こうとしていたんだ?」
「ア、アルバイトへ…」
「アルバイト?そんな身体で出来るはずないじゃないの」
フランシスカ様が心配そうな顔で私を見ている。
「い、いえ…今日はお休み…させて下さいというつもり…だったんです…。それで…アルバイト代の前借りを…」
そこから先の記憶は無い―。
****
次に目を覚ますと私は自室のベッドに寝かされていた。
「私…いつの間に…?」
するとすぐそばで声が聞こえた。
「ロザリー?目が覚めたのね?」
「え?」
視線を移すと、そこには私を心配そうに覗き込むフランシスカ様の姿があった。
「あ…フランシスカ様…」
「良かった…目が覚めてくれて…」
ほっとした様子のフランシスカ様に尋ねた。
「あの…私一体何故ここに…」
「ロザリー。貴女はあの場で気を失ってしまったのよ?そこで私は別の辻馬車を拾って診療所によって貴女を診察してもらったの。その後、また馬車で連れ帰って来て寮母さんと2人で運んだのよ」
その話を聞いて私は青ざめた。ベッドから起き上がるとフランシスカ様は驚いた様に声を掛けて来た。
「な、何してるの?何故起きようとするの?」
「フランシスカ様に…お詫びを…」
「お詫び?そんなのは必要ないわ。早く横になって」
「申し訳ございません…」
再びベッドに横たわると私は言った。
「本当に…高貴なお方に…こんなにもご迷惑を掛けてしまって、お詫びのしようがありません。それに…このように狭いお部屋に…」
するとフランシスカ様は首を振った。
「何を言ってるの?こんな時にまで遠慮はやめて頂戴」
「はい…」
力なく返事をするとフランシスカ様が言った。
「アルバイトの事も心配しないで。イアソン王子が貴女のアルバイト先を探して伝えてくれたから。明日もバイト休んで下さい、お大事にと言っていたらしいわ」
「イアソン王子が…?」
「本当に…お2人共、ありがとうございます…」
レナート様の件で傷ついていた心に2人の優しさが身に染み…私の目から一筋の涙が流れ落ちた―。
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