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27 口に出しかけたヘンリーの本音
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「ありがとう、ヘンリー。カバンを持ってきてくれたのね?」
私がヘンリーの差しだしたカバンを受け取ろうとしたとき、ニコルが言った。
「テア、その腕じゃカバンを持つのが大変だろう?俺が持つよ。」
そして代わりにニコルがカバンを受け取ると言った。
「本当に君はテアに対して思いやりの欠片も持つことが出来ないんだね?テアの利き腕がこんな怪我をしていると言うのに、君はカバンを持って上げようともせずに渡すだけなんだから。」
途端にヘンリーの顔が険しくなる。
「ニ、ニコル。いいのよ。だって片腕は使えるのだから自分のカバンくらい持てるわ。」
慌てて私はニコルに言った。また不用意な発言によってヘンリーの機嫌が悪くなったら、ますます彼に憎まれてしまう。
「いいや。ちっとも良くないよ。テア。」
しかしニコルは引いてくれない。そしてあろう事か飛んでも無いことを彼は口にしてしまった。
「ヘンリー。仮にもテアは君の許嫁なんだろう?どうしてテアに親切にしてあげずに彼女の親友ばかり大事にするんだ?本来君が大切にしてあげるべき存在は今、目の前にいるテアだろう。」
ニコルはヘンリーの目を見ながらはっきり言い切った。すると・・・。
「俺達の話は部外者には関係無いだろう?!大体・・許嫁の話しだって・・!」
しかし、そこでヘンリーは言葉を切った。何故ならまだ教室に残っていたクラスメイト達の視線がヘンリーに集中していたからだった。皆の目は・・何処かヘンリーを非難しているように見えた。
けれど・・・私は最後まで、ヘンリーの言葉を聞かずとも彼の気持ちが分ってしまった。やっぱり彼は親たちによって勝手に私を許嫁として決められてしまったことが不本意だったのだ。
だけど、このまま私が黙っていたら・・ヘンリーの立場がますますまずいことになってしまう。
「ニコル、カバンなら一人で持つことが出来るから大丈夫よ。貸してくれる?」
私のカバンを持っているニコルに言った。
「テア。だけど・・。」
「大丈夫、その代わり・・・悪いけど、肩に掛けてくれる?お願い。」
じっとニコルを見つめた。
「分った・・・。」
ニコルはカバンのショルダー部分を右肩から掛けてくれた。
「ありがとう、ニコル。また明日ね?」
ヘンリーはずっと無言でニコルを睨んでいる。
私はこれ以上親切なニコルを巻き込みたくなくて声を掛けた。
「大丈夫なのかい?テア。」
ニコルは心配そうに見ている。
「ええ、大丈夫よ。」
私なら平気だから・・早く行って、ニコル。これ以上ヘンリーの機嫌が悪くならないうちに・・。
「それじゃ・・また明日。テア。」
「ええ。また明日ね。」
ニコルが教室から出て行くと、私はヘンリーに言った。
「キャロルの所へ行って来るわ。」
「・・・。」
しかし、ヘンリーは無言だ。私とは口をききたくも無いのかもしれない。
無視されるくらいなら、まだ冷たい言葉を投げつけられる方が余程ましだと思った。
心の中でため息を1つつくと、先ほどからずっと心配そうな顔で私の方を見つめているキャロルの元へと向かった。
「キャロル。待たせてごめんね?」
キャロルの前に立つと私は彼女の隣に座った。
「何を言ってるの?貴女は何も悪い事していないじゃない。だから謝らないで。それよりも・・・そんなに腕の怪我・・・酷かったの?」
「え?ええ・・・・でもね、別に骨には何の異常も無かったから大丈夫よ?」
「そうなの?それなら良かったわ。」
その時・・・。
「キャロル。」
背後からヘンリーの声が聞こえた。振り向くとそこにはキャロルをじっと見つめているヘンリーが立っていた。
「何?ヘンリー。」
キャロルは返事をした。
「女子寮まで一緒に送る約束をしていただろう?そろそろ行こう。」
「でもまだ私はテアと話しが終わっていないわ。」
「だけど・・・この後、寮でまたオリエンテーションがあるんだろう?テアとの話なら明日だっていいだろう?」
ヘンリーは私の方を見ようともせずに言う。だけど、私には分る。ヘンリーが私に対してイラついていると言う事が。
「ごめんなさい、ヘンリー。キャロルを引き留めてしまって・・・。どうかキャロルをよろしくお願いします。」
頭を下げるとヘンリーは言う。
「そんな事は十分分っている。お前にわざわざ言われる筋合いは無いさ。」
何所までも冷たい言い方をするヘンリーの言葉に・・・私の心は何も感じなくなってきていた。
「それじゃ、キャロル。また明日ね?」
「あ・・テアッ!そんな怪我で・・・1人で帰るつもりなの?!」
キャロルが驚いて声を掛けてきた。
「ええ、大丈夫よ。また明日ね。」
そう言って席を立つと、すでに教室の中はしんと静まりかえり、私達以外は誰もいなくなっていた。
トボトボと教室の出口を目指して歩いていると、背後でヘンリーの声が聞こえてきた。
「大丈夫かい?キャロル。歩けるかい?」
それはとても優し気な声で・・・私はこれ以上ヘンリーのキャロルに向ける言葉を聞いていたくなくて・・・足早に教室を後にした―。
私がヘンリーの差しだしたカバンを受け取ろうとしたとき、ニコルが言った。
「テア、その腕じゃカバンを持つのが大変だろう?俺が持つよ。」
そして代わりにニコルがカバンを受け取ると言った。
「本当に君はテアに対して思いやりの欠片も持つことが出来ないんだね?テアの利き腕がこんな怪我をしていると言うのに、君はカバンを持って上げようともせずに渡すだけなんだから。」
途端にヘンリーの顔が険しくなる。
「ニ、ニコル。いいのよ。だって片腕は使えるのだから自分のカバンくらい持てるわ。」
慌てて私はニコルに言った。また不用意な発言によってヘンリーの機嫌が悪くなったら、ますます彼に憎まれてしまう。
「いいや。ちっとも良くないよ。テア。」
しかしニコルは引いてくれない。そしてあろう事か飛んでも無いことを彼は口にしてしまった。
「ヘンリー。仮にもテアは君の許嫁なんだろう?どうしてテアに親切にしてあげずに彼女の親友ばかり大事にするんだ?本来君が大切にしてあげるべき存在は今、目の前にいるテアだろう。」
ニコルはヘンリーの目を見ながらはっきり言い切った。すると・・・。
「俺達の話は部外者には関係無いだろう?!大体・・許嫁の話しだって・・!」
しかし、そこでヘンリーは言葉を切った。何故ならまだ教室に残っていたクラスメイト達の視線がヘンリーに集中していたからだった。皆の目は・・何処かヘンリーを非難しているように見えた。
けれど・・・私は最後まで、ヘンリーの言葉を聞かずとも彼の気持ちが分ってしまった。やっぱり彼は親たちによって勝手に私を許嫁として決められてしまったことが不本意だったのだ。
だけど、このまま私が黙っていたら・・ヘンリーの立場がますますまずいことになってしまう。
「ニコル、カバンなら一人で持つことが出来るから大丈夫よ。貸してくれる?」
私のカバンを持っているニコルに言った。
「テア。だけど・・。」
「大丈夫、その代わり・・・悪いけど、肩に掛けてくれる?お願い。」
じっとニコルを見つめた。
「分った・・・。」
ニコルはカバンのショルダー部分を右肩から掛けてくれた。
「ありがとう、ニコル。また明日ね?」
ヘンリーはずっと無言でニコルを睨んでいる。
私はこれ以上親切なニコルを巻き込みたくなくて声を掛けた。
「大丈夫なのかい?テア。」
ニコルは心配そうに見ている。
「ええ、大丈夫よ。」
私なら平気だから・・早く行って、ニコル。これ以上ヘンリーの機嫌が悪くならないうちに・・。
「それじゃ・・また明日。テア。」
「ええ。また明日ね。」
ニコルが教室から出て行くと、私はヘンリーに言った。
「キャロルの所へ行って来るわ。」
「・・・。」
しかし、ヘンリーは無言だ。私とは口をききたくも無いのかもしれない。
無視されるくらいなら、まだ冷たい言葉を投げつけられる方が余程ましだと思った。
心の中でため息を1つつくと、先ほどからずっと心配そうな顔で私の方を見つめているキャロルの元へと向かった。
「キャロル。待たせてごめんね?」
キャロルの前に立つと私は彼女の隣に座った。
「何を言ってるの?貴女は何も悪い事していないじゃない。だから謝らないで。それよりも・・・そんなに腕の怪我・・・酷かったの?」
「え?ええ・・・・でもね、別に骨には何の異常も無かったから大丈夫よ?」
「そうなの?それなら良かったわ。」
その時・・・。
「キャロル。」
背後からヘンリーの声が聞こえた。振り向くとそこにはキャロルをじっと見つめているヘンリーが立っていた。
「何?ヘンリー。」
キャロルは返事をした。
「女子寮まで一緒に送る約束をしていただろう?そろそろ行こう。」
「でもまだ私はテアと話しが終わっていないわ。」
「だけど・・・この後、寮でまたオリエンテーションがあるんだろう?テアとの話なら明日だっていいだろう?」
ヘンリーは私の方を見ようともせずに言う。だけど、私には分る。ヘンリーが私に対してイラついていると言う事が。
「ごめんなさい、ヘンリー。キャロルを引き留めてしまって・・・。どうかキャロルをよろしくお願いします。」
頭を下げるとヘンリーは言う。
「そんな事は十分分っている。お前にわざわざ言われる筋合いは無いさ。」
何所までも冷たい言い方をするヘンリーの言葉に・・・私の心は何も感じなくなってきていた。
「それじゃ、キャロル。また明日ね?」
「あ・・テアッ!そんな怪我で・・・1人で帰るつもりなの?!」
キャロルが驚いて声を掛けてきた。
「ええ、大丈夫よ。また明日ね。」
そう言って席を立つと、すでに教室の中はしんと静まりかえり、私達以外は誰もいなくなっていた。
トボトボと教室の出口を目指して歩いていると、背後でヘンリーの声が聞こえてきた。
「大丈夫かい?キャロル。歩けるかい?」
それはとても優し気な声で・・・私はこれ以上ヘンリーのキャロルに向ける言葉を聞いていたくなくて・・・足早に教室を後にした―。
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