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ミラージュの物語 2
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私の名前はミラージュ。
私の母は人間。そして父は人間の姿に化身できる優れたドラゴンであり、一族の王の息子であった―。
今から20年以上昔の話―
ある日ドラゴンである父は人の姿で地上におり、そこで若い人間の女性と偶然出会った。そして2人は互いを一目見た瞬間に恋に落ち、会瀬を重ね・・・私が生まれた。
父はその時になって、初めて自分がドラゴンの化身であることを伝え、2人で一緒に天空にあるドラゴンの国へと行ったが、誇り高きドラゴンの一族は人間を受け入れることを許さず、人間と通じた父を罰としてドラゴンの力を奪って幽閉し、母は生まれたばかりの私ともども、元の世界へ返されてしまった。
母は、素性もわからない男の子供を産んだ罰として村を追い出され、赤子だった私を抱いてさ迷い歩いていた時に助けてくれたのが、やがてレベッカ様の母になられるレイラ様だった。
そしてレイラ様は・・・この世界で、絶対的な力を持つ・・・・『エデンの楽園』の人間だった―。
****
19年前―
「レイラ様ーっ!。」
美しい花々が咲き乱れる『エデンの楽園』の花畑で私は大好きなレイラ様への元へ、シロツメクサで編んだ花かんむりを持って駆け寄った。
「キャアッ!」
その時、うっかりした私は躓いて転びそうになった。
「危ない!ミラージュッ!」
とっさに駆け寄ったレイラ様が私を抱きとめてくれた。
「まあ、ミラージュ。そんなに駆けて来たら危ないわよ?」
レイラ様は私をしっかり受け止めるとニッコリ微笑んだ。レイラ様は膝にまで届くほどの金色の髪を持つ、それはそれは美しい女性だった。神秘的な緑の瞳にはこの世界の星々が宿っている。
ここは『エデンの楽園』と呼ばれる地―
外界とは切り離された空間に存在する不思議な世界。そしてレイラ様はこの国の姫であり・・外界では『神』とも呼ばれる一族の1人だった。レイラ様の一族がいつ、どのような手段でこの星へやってきたのかは謎であったが、ただ一つ言えることはこの世界を作ったのはレイラ様の一族であり、万物の力を自由に扱う事が出来る絶対的な・・・それこそドラゴンなど足元にも及ばない程の存在だった。
レイラ様は私の髪をなでながら言う。
「ミラージュ、それじゃ・・貴女のお母さまのお墓へ行きましょうか?」
「はい、レイラ様。」
そして私とレイラ様はしっかり手をつないで、この花畑の先にある・・私の母のお墓へと向かった・・・。
「それにしても・・・ミラージュ。たった1年でこんなに成長するなんて・・やはり貴女は半分は人間だけれども、しっかりドラゴンの血を引いているのね?貴女と初めて出会ったときはまだ赤ちゃんだったのに。今ではほら、私の肩にまで背が届く程に成長したのだから。」
レイラ様は笑顔で言う。
「でも・・本当にドラゴンて成長が早いんですね・・・。私、このままあっという間におばあちゃんになっちゃうんでしょうか・・・?」
私は不安になってレイラ様に尋ねる。
「フフ・・・大丈夫よ、ミラージュ。ドラゴンはね、生まれてから成人になるまでの期間がとても速いのよ。だけど、ある程度まで成長すると、そこからはとってもゆっくり年を取っていくの。例えば人の寿命が80年だとすると・・・ドラゴンはその10倍は長生き出来るわ。」
「え・・?そ、それじゃ・・・レイラ様はどうなのですか?やはり・・人と同じ寿命しか生きられないのですか?」
するとレイラ様は笑って言った。
「安心して、ミラージュ。私たちは『エデン』の人間よ?自分が望めばそれこそ何千年だって生きられるわ。現にこの世界の長老はこの世界を作る前から存在しているのだから。でも中には・・人と恋に落ちて、この国を出て行って・・・同じ寿命だけ生きて死んでいった人たちもいたみたいだけど・・・。」
何故かレイラ様は寂しそうに言う。
「レイラ様?」
するとレイラ様は空を見上げながら言った。
「私たち一族は・・・何故か人の異性からは・・嫌われることが多いの。ひょっとすると『エデン』の血を・・人の世界に浸透させないために防衛反応が起こっているのかもしれないけれど・・でもね、ミラージュ。私は・・・人間の男性と恋をしたいのよ。できれば・・人間の世界で・・普通の人として暮らしたい。それが私の夢なの。」
「え・・?レイラ様。そんなに短い時間しか生きられないのに・・人間として生きたいのですか?」
私は思わず足を止めてレイラ様を見た。
「大丈夫、安心して?多分私は人間の男性には・・好きになってもらえないと思うから・・だから、ずっと貴女と一緒にいるわよ。ミラージュ?」
そしてレイラ様は美しい笑みを浮かべた―。
私の母は人間。そして父は人間の姿に化身できる優れたドラゴンであり、一族の王の息子であった―。
今から20年以上昔の話―
ある日ドラゴンである父は人の姿で地上におり、そこで若い人間の女性と偶然出会った。そして2人は互いを一目見た瞬間に恋に落ち、会瀬を重ね・・・私が生まれた。
父はその時になって、初めて自分がドラゴンの化身であることを伝え、2人で一緒に天空にあるドラゴンの国へと行ったが、誇り高きドラゴンの一族は人間を受け入れることを許さず、人間と通じた父を罰としてドラゴンの力を奪って幽閉し、母は生まれたばかりの私ともども、元の世界へ返されてしまった。
母は、素性もわからない男の子供を産んだ罰として村を追い出され、赤子だった私を抱いてさ迷い歩いていた時に助けてくれたのが、やがてレベッカ様の母になられるレイラ様だった。
そしてレイラ様は・・・この世界で、絶対的な力を持つ・・・・『エデンの楽園』の人間だった―。
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19年前―
「レイラ様ーっ!。」
美しい花々が咲き乱れる『エデンの楽園』の花畑で私は大好きなレイラ様への元へ、シロツメクサで編んだ花かんむりを持って駆け寄った。
「キャアッ!」
その時、うっかりした私は躓いて転びそうになった。
「危ない!ミラージュッ!」
とっさに駆け寄ったレイラ様が私を抱きとめてくれた。
「まあ、ミラージュ。そんなに駆けて来たら危ないわよ?」
レイラ様は私をしっかり受け止めるとニッコリ微笑んだ。レイラ様は膝にまで届くほどの金色の髪を持つ、それはそれは美しい女性だった。神秘的な緑の瞳にはこの世界の星々が宿っている。
ここは『エデンの楽園』と呼ばれる地―
外界とは切り離された空間に存在する不思議な世界。そしてレイラ様はこの国の姫であり・・外界では『神』とも呼ばれる一族の1人だった。レイラ様の一族がいつ、どのような手段でこの星へやってきたのかは謎であったが、ただ一つ言えることはこの世界を作ったのはレイラ様の一族であり、万物の力を自由に扱う事が出来る絶対的な・・・それこそドラゴンなど足元にも及ばない程の存在だった。
レイラ様は私の髪をなでながら言う。
「ミラージュ、それじゃ・・貴女のお母さまのお墓へ行きましょうか?」
「はい、レイラ様。」
そして私とレイラ様はしっかり手をつないで、この花畑の先にある・・私の母のお墓へと向かった・・・。
「それにしても・・・ミラージュ。たった1年でこんなに成長するなんて・・やはり貴女は半分は人間だけれども、しっかりドラゴンの血を引いているのね?貴女と初めて出会ったときはまだ赤ちゃんだったのに。今ではほら、私の肩にまで背が届く程に成長したのだから。」
レイラ様は笑顔で言う。
「でも・・本当にドラゴンて成長が早いんですね・・・。私、このままあっという間におばあちゃんになっちゃうんでしょうか・・・?」
私は不安になってレイラ様に尋ねる。
「フフ・・・大丈夫よ、ミラージュ。ドラゴンはね、生まれてから成人になるまでの期間がとても速いのよ。だけど、ある程度まで成長すると、そこからはとってもゆっくり年を取っていくの。例えば人の寿命が80年だとすると・・・ドラゴンはその10倍は長生き出来るわ。」
「え・・?そ、それじゃ・・・レイラ様はどうなのですか?やはり・・人と同じ寿命しか生きられないのですか?」
するとレイラ様は笑って言った。
「安心して、ミラージュ。私たちは『エデン』の人間よ?自分が望めばそれこそ何千年だって生きられるわ。現にこの世界の長老はこの世界を作る前から存在しているのだから。でも中には・・人と恋に落ちて、この国を出て行って・・・同じ寿命だけ生きて死んでいった人たちもいたみたいだけど・・・。」
何故かレイラ様は寂しそうに言う。
「レイラ様?」
するとレイラ様は空を見上げながら言った。
「私たち一族は・・・何故か人の異性からは・・嫌われることが多いの。ひょっとすると『エデン』の血を・・人の世界に浸透させないために防衛反応が起こっているのかもしれないけれど・・でもね、ミラージュ。私は・・・人間の男性と恋をしたいのよ。できれば・・人間の世界で・・普通の人として暮らしたい。それが私の夢なの。」
「え・・?レイラ様。そんなに短い時間しか生きられないのに・・人間として生きたいのですか?」
私は思わず足を止めてレイラ様を見た。
「大丈夫、安心して?多分私は人間の男性には・・好きになってもらえないと思うから・・だから、ずっと貴女と一緒にいるわよ。ミラージュ?」
そしてレイラ様は美しい笑みを浮かべた―。
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