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第3章 4 ヒルダからのプレゼント
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包み紙を開けて中から出てきたのは高級万年筆だった。
「ヒルダ様・・これを僕に・・?」
ルドルフは嬉しさのあまり、声を上ずらせた。
「え、ええ・・・。あのね、この万年筆は・・・私のアルバイトのお金で買ったのよ?使ってもらえると嬉しいわ・・。」
ヒルダは真っ赤になりながら言う。
「ありがとうございます、ヒルダ様・・・大切に使わせて頂きます。ですが・・。」
突如ルドルフの顔が曇った。
「何?どうかしたの?」
ヒルダはルドルフの顔色が優れないのが気がかりになり、声を掛けた。
「僕は最低です・・。だって・・まだヒルダ様にプレゼントを用意していなかったから・・。」
唇をかみしめながらルドルフは言う。
「そんな、何を言ってるの?ルドルフは私に色々してくれたじゃない。あのマドレーヌの家のケーキもとても素晴らしかったわ。それに今日の旅行だって・・・全てルドルフがお金を出してくれているじゃないの。」
「そんなのは当然です。だって旅行に誘ったのは僕です。全額僕がお金を出すのは当然です。それに・・あのケーキを見ていたら・・ヒルダ様の顔が浮かんできて・・・貴女の喜ぶ顔が見たくて・・・自分の願望を満たすためにケーキを・・。」
ルドルフはうつむいた。その時―
「お待たせ致しました。」
2人の間に料理が運ばれてきた。そしてテーブルの上に置く。
「ごゆっくりどうぞ。」
ウェイターは頭を下げると下がって行った。
「まあ・・なんておいしそうなんでしょう・・。」
ヒルダは目を輝かせた。
「ええ。本当にそうですね・・。」
運ばれてきたのはチキンのグリル焼きの料理だった。きつね色にこんがり焼き目が付いたもも肉には先端部分に赤いリボンがついている。そしてグリーン野菜サラダにジャガイモのポタージュにはニンジンを星形に切り抜き、パセリが散らしてある。
「まさにクリスマスメニューって感じね。」
「はい、少し早めのクリスマスみたいです。」
2人は微笑みあった。
「ヒルダ様、温かいうちにいただきましょう。」
「ええ、そうね。」
ルドルフに促され、ヒルダは頷いた。そして2人は美味しい料理を食べながら、会話を楽しんだ。それはとても穏やかで・・幸せな時間だった―。
食事を終えた2人はエレベーターで3階に上がってきた。そしてヒルダの宿泊している301号室の前に行くとルドルフは言った。
「それではヒルダ様。おやすみなさい。明日7時に迎えに来ますね?」
「ええ、おやすみなさい。素敵な夢を見てね。」
「ヒルダ様・・。」
ルドルフはヒルダを抱き寄せ、キスをすると言った。
「はい、ヒルダ様も・・・。」
そして2人はもう一度キスを交わすと、それぞれの部屋へと入って行った―。
その日の夜―
シャワーを浴び、パジャマに着替えたルドルフは早速ヒルダからもらった万年筆で毎日の日課である日記をつけていた。
ヒルダがプレゼントしてくれた万年筆はとても使い心地が良く、すっかりルドルフは気に入ってしまった。
「ヒルダ様・・・これは僕の一生の宝物にします・・。だけど、僕はヒルダ様に何をプレゼントすればよいのだろう?」
ルドルフには同年代の女子がどのようなものを好むのか、全く分からなかった。
(こんな事なら・・・マドレーヌかカミラさんに尋ねておけば良かった・・・。)
そして思った。
ロータスに戻ったら、年頃の女性が好みそうな店を探して店員にアドバイスを貰おうと。
「ふう・・・。」
パタンと日記帳を閉じるとルドルフはカーテンを開けて窓の外を見た。カウベリーでは美しい星空が見えるのに、ここ『ボルト』の町では空が汚れているのか星を眺めることが出来ない。
「こんな汚れた町で・・コリンとノラは2年も暮らしてきたのか・・。」
ルドルフは2人の事を思い・・胸を痛めるのだった―。
「ヒルダ様・・これを僕に・・?」
ルドルフは嬉しさのあまり、声を上ずらせた。
「え、ええ・・・。あのね、この万年筆は・・・私のアルバイトのお金で買ったのよ?使ってもらえると嬉しいわ・・。」
ヒルダは真っ赤になりながら言う。
「ありがとうございます、ヒルダ様・・・大切に使わせて頂きます。ですが・・。」
突如ルドルフの顔が曇った。
「何?どうかしたの?」
ヒルダはルドルフの顔色が優れないのが気がかりになり、声を掛けた。
「僕は最低です・・。だって・・まだヒルダ様にプレゼントを用意していなかったから・・。」
唇をかみしめながらルドルフは言う。
「そんな、何を言ってるの?ルドルフは私に色々してくれたじゃない。あのマドレーヌの家のケーキもとても素晴らしかったわ。それに今日の旅行だって・・・全てルドルフがお金を出してくれているじゃないの。」
「そんなのは当然です。だって旅行に誘ったのは僕です。全額僕がお金を出すのは当然です。それに・・あのケーキを見ていたら・・ヒルダ様の顔が浮かんできて・・・貴女の喜ぶ顔が見たくて・・・自分の願望を満たすためにケーキを・・。」
ルドルフはうつむいた。その時―
「お待たせ致しました。」
2人の間に料理が運ばれてきた。そしてテーブルの上に置く。
「ごゆっくりどうぞ。」
ウェイターは頭を下げると下がって行った。
「まあ・・なんておいしそうなんでしょう・・。」
ヒルダは目を輝かせた。
「ええ。本当にそうですね・・。」
運ばれてきたのはチキンのグリル焼きの料理だった。きつね色にこんがり焼き目が付いたもも肉には先端部分に赤いリボンがついている。そしてグリーン野菜サラダにジャガイモのポタージュにはニンジンを星形に切り抜き、パセリが散らしてある。
「まさにクリスマスメニューって感じね。」
「はい、少し早めのクリスマスみたいです。」
2人は微笑みあった。
「ヒルダ様、温かいうちにいただきましょう。」
「ええ、そうね。」
ルドルフに促され、ヒルダは頷いた。そして2人は美味しい料理を食べながら、会話を楽しんだ。それはとても穏やかで・・幸せな時間だった―。
食事を終えた2人はエレベーターで3階に上がってきた。そしてヒルダの宿泊している301号室の前に行くとルドルフは言った。
「それではヒルダ様。おやすみなさい。明日7時に迎えに来ますね?」
「ええ、おやすみなさい。素敵な夢を見てね。」
「ヒルダ様・・。」
ルドルフはヒルダを抱き寄せ、キスをすると言った。
「はい、ヒルダ様も・・・。」
そして2人はもう一度キスを交わすと、それぞれの部屋へと入って行った―。
その日の夜―
シャワーを浴び、パジャマに着替えたルドルフは早速ヒルダからもらった万年筆で毎日の日課である日記をつけていた。
ヒルダがプレゼントしてくれた万年筆はとても使い心地が良く、すっかりルドルフは気に入ってしまった。
「ヒルダ様・・・これは僕の一生の宝物にします・・。だけど、僕はヒルダ様に何をプレゼントすればよいのだろう?」
ルドルフには同年代の女子がどのようなものを好むのか、全く分からなかった。
(こんな事なら・・・マドレーヌかカミラさんに尋ねておけば良かった・・・。)
そして思った。
ロータスに戻ったら、年頃の女性が好みそうな店を探して店員にアドバイスを貰おうと。
「ふう・・・。」
パタンと日記帳を閉じるとルドルフはカーテンを開けて窓の外を見た。カウベリーでは美しい星空が見えるのに、ここ『ボルト』の町では空が汚れているのか星を眺めることが出来ない。
「こんな汚れた町で・・コリンとノラは2年も暮らしてきたのか・・。」
ルドルフは2人の事を思い・・胸を痛めるのだった―。
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