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第10章 5 グレースの母
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ガチャリ
エドガーがドアノブを握ってドアを開けるとそこには真っ青な顔をしたグレースの母が震えながら立っていた。
「何だ?どうかしたのか?」
エドガーが訝し気に尋ねると、彼女は小刻みに震えながら口を開いた。
「す、少しだけ・・・お・お話をさせて・・頂けませんか・・?」
「「・・・。」」
エドガーとルドルフは互いに顔を見合わせたが、うなずき合うとエドガーが言った。
「ああ、分かった。」
「そ、そうですか・・・。ではリビングへ・・ご案内します・・・。」
3人はギシギシ鳴る階段を降りると、グレースの母は2人をリビングへと案内した。
「「・・・・。」」
エドガーとルドルフはリビングへ通されて息を飲んだ。そこはとてもリビングと呼べるような部屋には見えなかったからだ。
だだっ広い部屋に置かれたのは薄汚れた丸テーブルに背もたれ付きの椅子が3脚あるのみだったのだ。暖炉で部屋は暖められてはいたが、何もないがらんどうの部屋を暖めるには不十分であった。さらに天井を見上げてもシャンデリアすら無い。窓には薄汚れた緑色のカーテンが掛けられている。
「どうぞ・・・お掛け下さい・・今・・お茶を淹れてまいりますので・・・。」
グレースの母は頭を下げるとリビングの奥へと歩いて行く。その後ろ姿を見届けながらエドガーがポツリと言った。
「先ほどのグレースの部屋といい・・・この部屋といい・・ほんとに何も無いな・・。」
「ええ、僕も驚いています。以前この屋敷に来たときは・・それは見事な調度品で溢れていたのに・・・よほどのことがあったのでしょうね。」
すると、そこへグレースの母が2つのティーカップをお盆に乗せて部屋に入ってきた。そしてコトンと2人の前に湯気の立つ薄い紅茶を置いた。
「申し訳ございません・・・おだしすることが出来るのが、これしか無くて・・・。」
言いながら自分も空いている席に座り、早速口を開いた。
「あ、あの・・・さ、先ほどの話は本当ですか・・・?グレース・・・あの子が・・あの人の足に大怪我を負わせただけでなく・・・教会の火事を引き起こしたのも・・本当はグレースだったって言う話は・・・。」
「聞いていたのか・・?」
エドガーはグレースの母を見た。
「は、はい・・・・。」
項垂れるグレースの母を見てルドルフは言った。
「おばさん・・・あの人って・・・誰の事ですか?」
「え?」
尋ねられて驚いたグレースの母はルドルフを見上げ、ビクリとした。ルドルフの目は・・恐ろしい程に冷たい物だったからだ。
「あ・・・あの人って言うのは・・・。」
グレースの母は震えた。ヒルダの名前を口にすることは、ここ『カウベリー』ではもはやタブー視されていたからだ。
「答えて下さい、あの人って言うのはどなたの事でしょうか?」
ゾクリとするほどに感情の伴わない声で再度尋ねられたグレースの母は震えながら答えた。
「ヒ・・・・ヒルダ様・・・です・・・。」
グレースの母は恐ろしくてたまらなかった。今、自分の目の前にいる2人が。そしてよりにもよって伯爵令嬢であるヒルダの足に大怪我を負わせたのが・・そして教会の火事の真犯人は我が娘なのかもしれないという事を知ってしまったから・・・。
そこで彼女は縋りつくようにエドガーに言った。
「あ、あの・・・・う、嘘ですよね?ま・・まさかグレースが・・・あの子がヒルダ様を・・・・!」
しかし、エドガーは言った。
「それなら・・自分の娘に直に尋ねてみるといい。最も・・あのグレースの事だ。断固として否定するだろうけどね。」
そしてエドガーは紅茶を一口飲み、顔をしかめた。
「し、信じられませんよ・・・あの子が・・グレースがそんな恐ろしい事をするなんて・・・。」
するとルドルフが怒気を含めた声で言った。
「おばさん。」
「な、何だい?!」
ビクリとしながらグレースの母はルドルフを見て・・息を飲んだ。そこには厳しい目でこちらを見ているルドルフがいたからだ。
「それなら・・ヒルダ様ならやりかねないと言うんですか?わざと自分の足に大怪我を負わせ・・火事を起こしたのも・・ヒルダ様ならやると言いたいんですか?」
「い、いや・・・それは・・・。」
エドガーは黙って事の成り行きを見守っていた。ルドルフにだって言いたいことは山ほどあるだろう。それら全てを吐き出してしまわないと前に進めないのではと思ったからだ。
「知っていましたか?おばさん。僕とヒルダ様は・・婚約していたんですよ・・?」
「えっ?!」
「その様子だと・・何も知らなかったようですね?なのに・・グレースは僕たちが恋人同士だと吹聴して・・僕はヒルダ様から婚約を破棄されたのですよ?」
いつしかルドルフの目には涙が浮かんでいた。
「そ、そんな・・・?!」
ガタンッ!!
いきなりルドルフは立ち上がった。そしてエドガーを見ると涙声で言った。
「・・・行きましょう。エドガー様。ここは・・空気が悪いです。」
「ああ、そうだな。行こう。」
エドガーも立ち上がり、返事をした。そして2人は無言で震えているグレースの母を部屋に残し、外に出た。
「ルドルフ・・・一度フィールズ家に戻ろう。」
繋いでいた馬の手綱を外しながらエドガーはルドルフに声を掛ける。
「はい・・・そうですね・・・。」
ルドルフは力なく返事をする。
そして2人は馬にまたがるとグレースの屋敷を後にした―。
エドガーがドアノブを握ってドアを開けるとそこには真っ青な顔をしたグレースの母が震えながら立っていた。
「何だ?どうかしたのか?」
エドガーが訝し気に尋ねると、彼女は小刻みに震えながら口を開いた。
「す、少しだけ・・・お・お話をさせて・・頂けませんか・・?」
「「・・・。」」
エドガーとルドルフは互いに顔を見合わせたが、うなずき合うとエドガーが言った。
「ああ、分かった。」
「そ、そうですか・・・。ではリビングへ・・ご案内します・・・。」
3人はギシギシ鳴る階段を降りると、グレースの母は2人をリビングへと案内した。
「「・・・・。」」
エドガーとルドルフはリビングへ通されて息を飲んだ。そこはとてもリビングと呼べるような部屋には見えなかったからだ。
だだっ広い部屋に置かれたのは薄汚れた丸テーブルに背もたれ付きの椅子が3脚あるのみだったのだ。暖炉で部屋は暖められてはいたが、何もないがらんどうの部屋を暖めるには不十分であった。さらに天井を見上げてもシャンデリアすら無い。窓には薄汚れた緑色のカーテンが掛けられている。
「どうぞ・・・お掛け下さい・・今・・お茶を淹れてまいりますので・・・。」
グレースの母は頭を下げるとリビングの奥へと歩いて行く。その後ろ姿を見届けながらエドガーがポツリと言った。
「先ほどのグレースの部屋といい・・・この部屋といい・・ほんとに何も無いな・・。」
「ええ、僕も驚いています。以前この屋敷に来たときは・・それは見事な調度品で溢れていたのに・・・よほどのことがあったのでしょうね。」
すると、そこへグレースの母が2つのティーカップをお盆に乗せて部屋に入ってきた。そしてコトンと2人の前に湯気の立つ薄い紅茶を置いた。
「申し訳ございません・・・おだしすることが出来るのが、これしか無くて・・・。」
言いながら自分も空いている席に座り、早速口を開いた。
「あ、あの・・・さ、先ほどの話は本当ですか・・・?グレース・・・あの子が・・あの人の足に大怪我を負わせただけでなく・・・教会の火事を引き起こしたのも・・本当はグレースだったって言う話は・・・。」
「聞いていたのか・・?」
エドガーはグレースの母を見た。
「は、はい・・・・。」
項垂れるグレースの母を見てルドルフは言った。
「おばさん・・・あの人って・・・誰の事ですか?」
「え?」
尋ねられて驚いたグレースの母はルドルフを見上げ、ビクリとした。ルドルフの目は・・恐ろしい程に冷たい物だったからだ。
「あ・・・あの人って言うのは・・・。」
グレースの母は震えた。ヒルダの名前を口にすることは、ここ『カウベリー』ではもはやタブー視されていたからだ。
「答えて下さい、あの人って言うのはどなたの事でしょうか?」
ゾクリとするほどに感情の伴わない声で再度尋ねられたグレースの母は震えながら答えた。
「ヒ・・・・ヒルダ様・・・です・・・。」
グレースの母は恐ろしくてたまらなかった。今、自分の目の前にいる2人が。そしてよりにもよって伯爵令嬢であるヒルダの足に大怪我を負わせたのが・・そして教会の火事の真犯人は我が娘なのかもしれないという事を知ってしまったから・・・。
そこで彼女は縋りつくようにエドガーに言った。
「あ、あの・・・・う、嘘ですよね?ま・・まさかグレースが・・・あの子がヒルダ様を・・・・!」
しかし、エドガーは言った。
「それなら・・自分の娘に直に尋ねてみるといい。最も・・あのグレースの事だ。断固として否定するだろうけどね。」
そしてエドガーは紅茶を一口飲み、顔をしかめた。
「し、信じられませんよ・・・あの子が・・グレースがそんな恐ろしい事をするなんて・・・。」
するとルドルフが怒気を含めた声で言った。
「おばさん。」
「な、何だい?!」
ビクリとしながらグレースの母はルドルフを見て・・息を飲んだ。そこには厳しい目でこちらを見ているルドルフがいたからだ。
「それなら・・ヒルダ様ならやりかねないと言うんですか?わざと自分の足に大怪我を負わせ・・火事を起こしたのも・・ヒルダ様ならやると言いたいんですか?」
「い、いや・・・それは・・・。」
エドガーは黙って事の成り行きを見守っていた。ルドルフにだって言いたいことは山ほどあるだろう。それら全てを吐き出してしまわないと前に進めないのではと思ったからだ。
「知っていましたか?おばさん。僕とヒルダ様は・・婚約していたんですよ・・?」
「えっ?!」
「その様子だと・・何も知らなかったようですね?なのに・・グレースは僕たちが恋人同士だと吹聴して・・僕はヒルダ様から婚約を破棄されたのですよ?」
いつしかルドルフの目には涙が浮かんでいた。
「そ、そんな・・・?!」
ガタンッ!!
いきなりルドルフは立ち上がった。そしてエドガーを見ると涙声で言った。
「・・・行きましょう。エドガー様。ここは・・空気が悪いです。」
「ああ、そうだな。行こう。」
エドガーも立ち上がり、返事をした。そして2人は無言で震えているグレースの母を部屋に残し、外に出た。
「ルドルフ・・・一度フィールズ家に戻ろう。」
繋いでいた馬の手綱を外しながらエドガーはルドルフに声を掛ける。
「はい・・・そうですね・・・。」
ルドルフは力なく返事をする。
そして2人は馬にまたがるとグレースの屋敷を後にした―。
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