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第97話 新たな護衛騎士
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「前世の魂…成程。それで時々訳の分からない記憶が蘇っていたのね?」
「そうなのかい?それでは徐々に記憶を取り戻していると言う事だね?僕のかけた魔法は60日かけて完成するようになっている。今の状況では前世と今世の記憶に翻弄されてしまうかもしれないから、最終的に融合するようにしたんだよ。その間に僕は
命を狙うオルニアスからユリアを守り抜く予定だったんだ。何しろ魂だけの存在ではオルニアスは地上でわずかで60日間しか存在出来ないからね」
「そうだったの?そしてセラフィムは私を護衛していたのに…身体を奪われてしまったのね?」
「…そうだよ。誤算だった…。天界から人間として地上に降り立って26年経過しているからオルニアスに僕の正体がばれないと思っていたのに…」
「え…?ひょっとして、それって…つまりオルニアスがターゲットである私を見つけられたのはセラフィムの正体に気付いたからなの?それで身体を乗っ取った際に、貴方の記憶をもとに、私が狙うべき相手だと言う事に気付いてしまった…と言う事なの?」
「うん…そうだね。…端的に言えばそう言う事だよ」
「そ、そんな…それじゃセラフィムが身体を乗っ取られていなければ私は60日間の間、命を狙われる事も無かったのね?!」
「え?でもそれ以前からユリアは命を狙われていたんじゃないか?それで僕の所に助けを求めに来たんだろう?僕の所に来た時は10日程前から突然命を狙われ始めたから助けてほしいと訴えていたよ?そしてユリアを見た時に魂にターゲットの目印が付けられている事に気付いて前世の眠っている魂を上に引っ張り上げたんだ。その時に一時はオルニアスの目をくらます事が出来たのに…僕がもと天使だと言う事に気付かれてしまって、身体を奪う為に襲って来たんだよ。油断していた僕はオルニアスに身体を乗っ取られてしまって、彼はユリアが自分のターゲットだと再認識したんだ」
「それで…私の命を狙う為にオルニアスはセラフィムのふりをして護衛騎士として私の傍にいたの?」
「そうだよ。召喚された者は召喚者の命令は絶対に聞かなければいけないからね。だけど乗っ取ったのは僕の身体だったから、ユリアの命を狙いながらも守らなければという気持ちが彼の中で働いていたんじゃないかな?」
「成程…でも確かにジョン…じゃなくてオルニアスは護衛騎士らしくないふるまいばかりしていたわね…」
今更ながらジョンの行動を思い返してみた。私の護衛騎士でありながら態度は悪かったし、嫌がらせとも思える事をしておきながら、私を庇うような行動を取ったりと矛盾な行動が多かった。
「でも、もう完全に僕の身体から分離して本体を持ってしまった。今のオルニアスは容赦なくユリアを襲ってくるつもりだ。今回は何とかオルニアスに傷を負わせて、この屋敷に掛けられた魔法を解くことが出来たけれども、多分また奴は襲ってくると思う。これからはユリアの側で護衛するよ。こんな事になってしまったのは僕の責任だからね」
セラフィムはじっと私の目を見つめると言った―。
「そうなのかい?それでは徐々に記憶を取り戻していると言う事だね?僕のかけた魔法は60日かけて完成するようになっている。今の状況では前世と今世の記憶に翻弄されてしまうかもしれないから、最終的に融合するようにしたんだよ。その間に僕は
命を狙うオルニアスからユリアを守り抜く予定だったんだ。何しろ魂だけの存在ではオルニアスは地上でわずかで60日間しか存在出来ないからね」
「そうだったの?そしてセラフィムは私を護衛していたのに…身体を奪われてしまったのね?」
「…そうだよ。誤算だった…。天界から人間として地上に降り立って26年経過しているからオルニアスに僕の正体がばれないと思っていたのに…」
「え…?ひょっとして、それって…つまりオルニアスがターゲットである私を見つけられたのはセラフィムの正体に気付いたからなの?それで身体を乗っ取った際に、貴方の記憶をもとに、私が狙うべき相手だと言う事に気付いてしまった…と言う事なの?」
「うん…そうだね。…端的に言えばそう言う事だよ」
「そ、そんな…それじゃセラフィムが身体を乗っ取られていなければ私は60日間の間、命を狙われる事も無かったのね?!」
「え?でもそれ以前からユリアは命を狙われていたんじゃないか?それで僕の所に助けを求めに来たんだろう?僕の所に来た時は10日程前から突然命を狙われ始めたから助けてほしいと訴えていたよ?そしてユリアを見た時に魂にターゲットの目印が付けられている事に気付いて前世の眠っている魂を上に引っ張り上げたんだ。その時に一時はオルニアスの目をくらます事が出来たのに…僕がもと天使だと言う事に気付かれてしまって、身体を奪う為に襲って来たんだよ。油断していた僕はオルニアスに身体を乗っ取られてしまって、彼はユリアが自分のターゲットだと再認識したんだ」
「それで…私の命を狙う為にオルニアスはセラフィムのふりをして護衛騎士として私の傍にいたの?」
「そうだよ。召喚された者は召喚者の命令は絶対に聞かなければいけないからね。だけど乗っ取ったのは僕の身体だったから、ユリアの命を狙いながらも守らなければという気持ちが彼の中で働いていたんじゃないかな?」
「成程…でも確かにジョン…じゃなくてオルニアスは護衛騎士らしくないふるまいばかりしていたわね…」
今更ながらジョンの行動を思い返してみた。私の護衛騎士でありながら態度は悪かったし、嫌がらせとも思える事をしておきながら、私を庇うような行動を取ったりと矛盾な行動が多かった。
「でも、もう完全に僕の身体から分離して本体を持ってしまった。今のオルニアスは容赦なくユリアを襲ってくるつもりだ。今回は何とかオルニアスに傷を負わせて、この屋敷に掛けられた魔法を解くことが出来たけれども、多分また奴は襲ってくると思う。これからはユリアの側で護衛するよ。こんな事になってしまったのは僕の責任だからね」
セラフィムはじっと私の目を見つめると言った―。
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