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川口直人 93 <完>
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7月 大安吉日の日曜日―
午前7時に目が覚めた。ベッドから目をこすりながら起き上がると、眼前にスイートルームの巨大な部屋が目に飛び込んでくる。
「鈴音…この部屋を見たら…驚くだろうな…」
ポツリと呟いた。
****
前日から結婚式場の近くにあるリゾートホテルのスイートルームを手配し、和也と2人で宿泊していた。
…今夜は絶対俺の花嫁となった鈴音とこの部屋で過ごすと心に決めていた。そこで思い切ってスイートルームを手配したのだ。
つい、先日常盤恵理とも完全に縁が切れた。約束の半年が過ぎたからだ。もう俺を束縛するものは何も無い。鈴音の前に堂々と現れて…どれ程鈴音を愛しているかを伝えてプロポーズをする。
鈴音…もうすぐだ。もうすぐ迎えに行くから…。
結婚式は10時からだ。
鈴音は何も知らされないまま、岡本とお姉さんと一緒に来るはずだ。
「そろそろ起きるか…」
ベッドから降りるとバスルームへ向かい、顔を洗って部屋に戻るとスマホの着信が鳴り響いている。見ると着信相手は岡本からだった。何となく嫌な予感がしたのですぐにスマホをタップした。
「もしもし?」
『た、大変だっ!鈴音が…鈴音がいなくなった!!』
「何だってっ?!」
話を聞いてみると今朝、鈴音の姉が部屋に起こしに行った時は既に部屋の中はもぬけも空だったらしい。けれど、式に着ていくフォーマルドレスにショルダーバッグ、靴も無くなっていたので、恐らくは式場に1人で向かったのだろうと言うのが岡本と鈴音の姉の見解だった。
『実は俺達、車でもうそっちに向かっている処なんだ。じきに式場に到着予定だ。だからお前もすぐにこっちへ向かってくれ!手分けして鈴音を探すんだよっ!』
「ああ、分った!」
電話を切ると、すぐに隣の部屋で寝ている和也を起こしに行った。
「和也っ!起きてくれっ!和也っ!」
激しく揺すぶると、和也が目を開けた。
「うわっ!な、何だよ兄ちゃん!」
「大変だっ!鈴音がいなくなったらしいんだっ!岡本の話だと多分1人で式場に向かったんじゃないかって言ってる。俺達も急ごう!」
「分った!」
そして俺達は急いで準備をし…ホテルを出たのは7時半を過ぎていた―。
****
タクシーを拾い、海沿いにある教会へ俺達は向かっていた。
「それにしても…どうして鈴音さんは1人で教会へ向かったのかな…?」
和也がタクシーの車内で呟く。
「分らない…分らないけど…嫌な予感がする…」
「え?どういう事?」
俺は前を向いたまま言った。
「ひょっとして…鈴音は岡本と姉が結婚するのがショックで…3人で式場へ向かうのが嫌で1人で先に出発したんじゃないかな…」
「え?ちょ、ちょっと待ってよ。何で鈴音さんがショックを受けるんだよ。それじゃまるで鈴音さんは岡本さんが好きって事じゃないか?!」
「…分らない。そんな風には思いたくないけど…」
だが、岡本は妙に最後まで自信がありそうだった。
ひょっとして鈴音…岡本からのプロポーズ…受けるつもりなのか…?
「頼む…鈴音…早まらないでくれ…」
気付けば俺は祈る様に両手を組んで俯いていた。
「兄ちゃん…」
そんな俺を心配そうに和也が声を掛けてくれた―。
*****
海辺の教会に到着した俺と和也は手分けして鈴音を探す事にした。
「和也!お前は教会の海側を探してくれっ!俺は反対側を探すからっ!」
「分ったっ!!」
和也が教会の裏手を探しに行く姿を見届けると、俺は教会の近くにある公園を探しに向かった―。
「鈴音…くそっ!どこにもいない…っ!」
教会の近くまで戻って来ると俺のスマホが鳴り響いた。着信相手は和也からだった。
「もしもしっ?!」
『兄ちゃんっ!鈴音さんを見かけた!海沿いに来てよっ!岡本さんと一緒なんだ!早く!』
「何だってっ?!岡本とっ?!分ったっ!」
スマホを切ると急いで和也がいる方向へ走った。
まさか…岡本の奴…鈴音にプロポーズしてるんじゃないだろうな…っ!!
****
教会の近くまで走って来ると、和也が俺に気付き手を振ってきた。
「安心していいよーっ!彼女、この人とは結婚しないってさーっ!!」
何だってっ?!
慌てて駆けつけると、そこには岡本と一緒にいる鈴音の姿が飛び込んできた。
鈴音は俺を見ると驚いた様に目を見開いている。久しぶりに見る鈴音は…本当に綺麗だった。
「鈴音…今からでも…まだ間に合うかな‥?」
ゆっくり鈴音に近付きながら声を掛ける。心臓は早鐘を打っていたし、岡本は俺を睨み付けている。
「な…直人さんっ!!」
すると…鈴音の目に見る見るうちに涙がたまり、俺に駆け寄ってきた。
やっぱり鈴音は変わっていなかった。今も俺を思ってくれていたんだ…!
「鈴音っ!」
俺も駆けより、腕を伸ばしてしっかり鈴音を抱きしめた。
「直人さん…直人さん…!」
鈴音は泣きながら俺の胸に顔を擦りつけて来る。そんな彼女に愛しさが募ってたまらない。
「鈴音…ごめん…今まで本当に…!」
気付けば俺も泣いていた。
そこへ間の抜けた岡本の声が聞こえて来る。
「あ、あの~…鈴音…」
すると和也が岡本に声を掛けた。
「ほら、行きましょう。2人の邪魔しちゃ悪いですから」
岡本が舌打ちしながら和也に連れられて去っていくと俺は鈴音に言った。
「鈴音…よく…顔を見せてくれないか?」
「う、うん…」
鈴音が涙で濡れた目をゴシゴシ擦って見上げてきた。そして俺は愛しい鈴音の頬を両手で挟み込む。
「うん、間違いない…俺の大好きな鈴音だ…」
「な、直人さん…」
真っ赤になる鈴音に俺はキスをした。
教会の鐘が響き渡るまで、長いキスを―。
やがて、そっと唇を離すと俺は鈴音に言った。
「鈴音…。もう離れない。どうか…俺と結婚して下さい」
本当はもっと違う台詞を言いたかったのに、いざとなるとありきたりの台詞しか言えない。
「うん…!私を…貰って下さい…!」
「鈴音…!」
そして俺は再び鈴音にキスをした―。
****
ウェディングドレスを着て隣に立つ鈴音に声を掛けた。
「鈴音…とっても綺麗だよ…」
「あ、ありがとう…」
真っ赤になって俯く鈴音の手を取った。
「さぁ、行こう。鈴音。もう…二度とこの手は離さないから…」
「うん。私ももう絶対直人さんから離れない…っ」
そして教会の扉がゆっくりと開かれ…2人で最初の一歩を踏み出した。
2人で歩く、幸せへの第一歩を―。
<完>
長い間お読みいただき、ありがとうございました
午前7時に目が覚めた。ベッドから目をこすりながら起き上がると、眼前にスイートルームの巨大な部屋が目に飛び込んでくる。
「鈴音…この部屋を見たら…驚くだろうな…」
ポツリと呟いた。
****
前日から結婚式場の近くにあるリゾートホテルのスイートルームを手配し、和也と2人で宿泊していた。
…今夜は絶対俺の花嫁となった鈴音とこの部屋で過ごすと心に決めていた。そこで思い切ってスイートルームを手配したのだ。
つい、先日常盤恵理とも完全に縁が切れた。約束の半年が過ぎたからだ。もう俺を束縛するものは何も無い。鈴音の前に堂々と現れて…どれ程鈴音を愛しているかを伝えてプロポーズをする。
鈴音…もうすぐだ。もうすぐ迎えに行くから…。
結婚式は10時からだ。
鈴音は何も知らされないまま、岡本とお姉さんと一緒に来るはずだ。
「そろそろ起きるか…」
ベッドから降りるとバスルームへ向かい、顔を洗って部屋に戻るとスマホの着信が鳴り響いている。見ると着信相手は岡本からだった。何となく嫌な予感がしたのですぐにスマホをタップした。
「もしもし?」
『た、大変だっ!鈴音が…鈴音がいなくなった!!』
「何だってっ?!」
話を聞いてみると今朝、鈴音の姉が部屋に起こしに行った時は既に部屋の中はもぬけも空だったらしい。けれど、式に着ていくフォーマルドレスにショルダーバッグ、靴も無くなっていたので、恐らくは式場に1人で向かったのだろうと言うのが岡本と鈴音の姉の見解だった。
『実は俺達、車でもうそっちに向かっている処なんだ。じきに式場に到着予定だ。だからお前もすぐにこっちへ向かってくれ!手分けして鈴音を探すんだよっ!』
「ああ、分った!」
電話を切ると、すぐに隣の部屋で寝ている和也を起こしに行った。
「和也っ!起きてくれっ!和也っ!」
激しく揺すぶると、和也が目を開けた。
「うわっ!な、何だよ兄ちゃん!」
「大変だっ!鈴音がいなくなったらしいんだっ!岡本の話だと多分1人で式場に向かったんじゃないかって言ってる。俺達も急ごう!」
「分った!」
そして俺達は急いで準備をし…ホテルを出たのは7時半を過ぎていた―。
****
タクシーを拾い、海沿いにある教会へ俺達は向かっていた。
「それにしても…どうして鈴音さんは1人で教会へ向かったのかな…?」
和也がタクシーの車内で呟く。
「分らない…分らないけど…嫌な予感がする…」
「え?どういう事?」
俺は前を向いたまま言った。
「ひょっとして…鈴音は岡本と姉が結婚するのがショックで…3人で式場へ向かうのが嫌で1人で先に出発したんじゃないかな…」
「え?ちょ、ちょっと待ってよ。何で鈴音さんがショックを受けるんだよ。それじゃまるで鈴音さんは岡本さんが好きって事じゃないか?!」
「…分らない。そんな風には思いたくないけど…」
だが、岡本は妙に最後まで自信がありそうだった。
ひょっとして鈴音…岡本からのプロポーズ…受けるつもりなのか…?
「頼む…鈴音…早まらないでくれ…」
気付けば俺は祈る様に両手を組んで俯いていた。
「兄ちゃん…」
そんな俺を心配そうに和也が声を掛けてくれた―。
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海辺の教会に到着した俺と和也は手分けして鈴音を探す事にした。
「和也!お前は教会の海側を探してくれっ!俺は反対側を探すからっ!」
「分ったっ!!」
和也が教会の裏手を探しに行く姿を見届けると、俺は教会の近くにある公園を探しに向かった―。
「鈴音…くそっ!どこにもいない…っ!」
教会の近くまで戻って来ると俺のスマホが鳴り響いた。着信相手は和也からだった。
「もしもしっ?!」
『兄ちゃんっ!鈴音さんを見かけた!海沿いに来てよっ!岡本さんと一緒なんだ!早く!』
「何だってっ?!岡本とっ?!分ったっ!」
スマホを切ると急いで和也がいる方向へ走った。
まさか…岡本の奴…鈴音にプロポーズしてるんじゃないだろうな…っ!!
****
教会の近くまで走って来ると、和也が俺に気付き手を振ってきた。
「安心していいよーっ!彼女、この人とは結婚しないってさーっ!!」
何だってっ?!
慌てて駆けつけると、そこには岡本と一緒にいる鈴音の姿が飛び込んできた。
鈴音は俺を見ると驚いた様に目を見開いている。久しぶりに見る鈴音は…本当に綺麗だった。
「鈴音…今からでも…まだ間に合うかな‥?」
ゆっくり鈴音に近付きながら声を掛ける。心臓は早鐘を打っていたし、岡本は俺を睨み付けている。
「な…直人さんっ!!」
すると…鈴音の目に見る見るうちに涙がたまり、俺に駆け寄ってきた。
やっぱり鈴音は変わっていなかった。今も俺を思ってくれていたんだ…!
「鈴音っ!」
俺も駆けより、腕を伸ばしてしっかり鈴音を抱きしめた。
「直人さん…直人さん…!」
鈴音は泣きながら俺の胸に顔を擦りつけて来る。そんな彼女に愛しさが募ってたまらない。
「鈴音…ごめん…今まで本当に…!」
気付けば俺も泣いていた。
そこへ間の抜けた岡本の声が聞こえて来る。
「あ、あの~…鈴音…」
すると和也が岡本に声を掛けた。
「ほら、行きましょう。2人の邪魔しちゃ悪いですから」
岡本が舌打ちしながら和也に連れられて去っていくと俺は鈴音に言った。
「鈴音…よく…顔を見せてくれないか?」
「う、うん…」
鈴音が涙で濡れた目をゴシゴシ擦って見上げてきた。そして俺は愛しい鈴音の頬を両手で挟み込む。
「うん、間違いない…俺の大好きな鈴音だ…」
「な、直人さん…」
真っ赤になる鈴音に俺はキスをした。
教会の鐘が響き渡るまで、長いキスを―。
やがて、そっと唇を離すと俺は鈴音に言った。
「鈴音…。もう離れない。どうか…俺と結婚して下さい」
本当はもっと違う台詞を言いたかったのに、いざとなるとありきたりの台詞しか言えない。
「うん…!私を…貰って下さい…!」
「鈴音…!」
そして俺は再び鈴音にキスをした―。
****
ウェディングドレスを着て隣に立つ鈴音に声を掛けた。
「鈴音…とっても綺麗だよ…」
「あ、ありがとう…」
真っ赤になって俯く鈴音の手を取った。
「さぁ、行こう。鈴音。もう…二度とこの手は離さないから…」
「うん。私ももう絶対直人さんから離れない…っ」
そして教会の扉がゆっくりと開かれ…2人で最初の一歩を踏み出した。
2人で歩く、幸せへの第一歩を―。
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