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川口直人 45
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片付けが終わった後、2人で話し合って食材を買いに行くついでにレンタルショップへ行く事にした。SFXのファンタジー映画のDVDを借りる事に決めたからだった。
恋人の鈴音と手を繋いで買い物へ行く…こんな些細な事なのに、とても幸せを感じていた。この先もずっと鈴音と一緒にいたい。恋人になったばかりだと言うのに、既に俺の中では2人の結婚生活を思い描いていた。
そして少々気が早いかもしれないけれど、クリスマスイブの日に…鈴音にプロポーズをしようと密かに考えていた。ぐずぐずしていたら鈴音を幼馴染のあいつか、他の男に捕られてしまうのではないかという心配があったからだ。
それだけ鈴音が魅力的な女性だったから…。
俺は…繋いでいたその手に力を込めた―。
****
昼は鈴音がサンドイッチを作ってくれた。大きすぎるエプロンを身に着け、料理を作っている姿はとても愛らしかった。見ているだけで幸せを感じた。
「よし、完成っと」
PCで検索していると、キッチンに立っていた鈴音が言った。
「何?出来たの?」
キッチンへ行くと、ちょうど鈴音がエプロンを外している所だった。
「うん、出来たよ。見てみる?」
鈴音が冷蔵庫を開けようとするのを俺は止めた。
「う~ん…いや、やめておくよ。食べる時に楽しみに取っておきたいからね。それより、こっち来てごらんよ」
「え?」
鈴音の手を引き、PCのあるテーブルの前にやってくると鈴音を自分の前に座らせ、後ろに俺が座る。鈴音の身体は本当に小さくて俺の身体の中にすっぽり入ってしまいそうだ。
「ほら、これ見てごらんよ」
鈴音の耳元で囁くようにPC画面を見せた。そこには高尾さんのHPが表示されている。
「え…?高尾山?」
「そう、もしかして行ってみたいのかなと思って調べてみたんだ。今度俺と休みを合わせて2人で一緒に行ってみないかい?」
鈴音…一緒についてきてくれるだろうか…?
「高尾山もいいけど…ディズニーランドに先に行きたいな…」
すると、不意に鈴音が言った。え?鈴音の方から希望を出してくれるなんて…。
「鈴音っ!」
俺は背後から強く鈴音を抱きしめた。
「び、びっくりした。な、何?」
「嬉しいよ。鈴音の方から自分の行きたい場所を言ってくれるなんて。それじゃ恋人同士になった最初の記念するべきデート場所はディズーランドにしよう?」
「う、うん。そうだね」
頬を染める鈴音の魅力的な唇に…吸い寄せられるようにキスをした―。
****
その後、2人で鈴音が作ってくれた美味しいサンドイッチを食べながら2人で借りて来たDVDを一緒に観た。そして夜はナスとラザニアのグラタンを作って鈴音と2人で缶ビールを飲んで至福の時を過ごした―。
夜8時―
「本当に帰っちゃうのか…」
分っていても辛い。どうしても溜息が出てしまう。
「うん、仕方が無いよ。明日は仕事なんだし…それにいくら薬を飲んでいるって言ってもお医者さんからは早めに寝たほうがいいって言われてるから…」
エレベーターに乗り込みながら鈴音が言う。
「まあ…先生にそう言われているなら仕方が無いよな…」
そしてエレベーターは下に降りていく。
チーン
エレベーターの扉が開き、2人で外にでた瞬間に俺は背後から鈴音を抱きしめ、髪に顔をうずめながら言った。
「鈴音…」
「何?」
「俺と一緒に暮らす事…前向きに考えて貰えないかな…」
自分でも情けないと思っていたが、鈴音と離れたくなかった。その姿を、声を…そしてぬくもりを常に感じていたかった。
「うん、考えておくよ…」
すると鈴音が返事をしてくれた。
本当に…?その言葉…信じていいんだよね?
「ありがとう。お休み」
「お休みなさい」
軽く唇が触れるだけのキスを交わすと鈴音は手を振り、自分のマンションへと帰って行った。
「鈴音…」
どうしようもない寂しさを胸に秘めつつ、俺もまた自分のマンションへと戻って行った―。
恋人の鈴音と手を繋いで買い物へ行く…こんな些細な事なのに、とても幸せを感じていた。この先もずっと鈴音と一緒にいたい。恋人になったばかりだと言うのに、既に俺の中では2人の結婚生活を思い描いていた。
そして少々気が早いかもしれないけれど、クリスマスイブの日に…鈴音にプロポーズをしようと密かに考えていた。ぐずぐずしていたら鈴音を幼馴染のあいつか、他の男に捕られてしまうのではないかという心配があったからだ。
それだけ鈴音が魅力的な女性だったから…。
俺は…繋いでいたその手に力を込めた―。
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昼は鈴音がサンドイッチを作ってくれた。大きすぎるエプロンを身に着け、料理を作っている姿はとても愛らしかった。見ているだけで幸せを感じた。
「よし、完成っと」
PCで検索していると、キッチンに立っていた鈴音が言った。
「何?出来たの?」
キッチンへ行くと、ちょうど鈴音がエプロンを外している所だった。
「うん、出来たよ。見てみる?」
鈴音が冷蔵庫を開けようとするのを俺は止めた。
「う~ん…いや、やめておくよ。食べる時に楽しみに取っておきたいからね。それより、こっち来てごらんよ」
「え?」
鈴音の手を引き、PCのあるテーブルの前にやってくると鈴音を自分の前に座らせ、後ろに俺が座る。鈴音の身体は本当に小さくて俺の身体の中にすっぽり入ってしまいそうだ。
「ほら、これ見てごらんよ」
鈴音の耳元で囁くようにPC画面を見せた。そこには高尾さんのHPが表示されている。
「え…?高尾山?」
「そう、もしかして行ってみたいのかなと思って調べてみたんだ。今度俺と休みを合わせて2人で一緒に行ってみないかい?」
鈴音…一緒についてきてくれるだろうか…?
「高尾山もいいけど…ディズニーランドに先に行きたいな…」
すると、不意に鈴音が言った。え?鈴音の方から希望を出してくれるなんて…。
「鈴音っ!」
俺は背後から強く鈴音を抱きしめた。
「び、びっくりした。な、何?」
「嬉しいよ。鈴音の方から自分の行きたい場所を言ってくれるなんて。それじゃ恋人同士になった最初の記念するべきデート場所はディズーランドにしよう?」
「う、うん。そうだね」
頬を染める鈴音の魅力的な唇に…吸い寄せられるようにキスをした―。
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その後、2人で鈴音が作ってくれた美味しいサンドイッチを食べながら2人で借りて来たDVDを一緒に観た。そして夜はナスとラザニアのグラタンを作って鈴音と2人で缶ビールを飲んで至福の時を過ごした―。
夜8時―
「本当に帰っちゃうのか…」
分っていても辛い。どうしても溜息が出てしまう。
「うん、仕方が無いよ。明日は仕事なんだし…それにいくら薬を飲んでいるって言ってもお医者さんからは早めに寝たほうがいいって言われてるから…」
エレベーターに乗り込みながら鈴音が言う。
「まあ…先生にそう言われているなら仕方が無いよな…」
そしてエレベーターは下に降りていく。
チーン
エレベーターの扉が開き、2人で外にでた瞬間に俺は背後から鈴音を抱きしめ、髪に顔をうずめながら言った。
「鈴音…」
「何?」
「俺と一緒に暮らす事…前向きに考えて貰えないかな…」
自分でも情けないと思っていたが、鈴音と離れたくなかった。その姿を、声を…そしてぬくもりを常に感じていたかった。
「うん、考えておくよ…」
すると鈴音が返事をしてくれた。
本当に…?その言葉…信じていいんだよね?
「ありがとう。お休み」
「お休みなさい」
軽く唇が触れるだけのキスを交わすと鈴音は手を振り、自分のマンションへと帰って行った。
「鈴音…」
どうしようもない寂しさを胸に秘めつつ、俺もまた自分のマンションへと戻って行った―。
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