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亮平 67
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鈴音からの連絡がピタリと止まってしまった。何故だ?もう2週間も連絡が来ない。川口には負けないと意気込んでいたにも関わらず、鈴音からは忍を誘ってくれと言われている。それなのあまり鈴音に付きまとっては嫌がられるか、あるいは警戒されてしまうかもしれない。その事を考えると、俺から連絡することが出来なかった。
だけど…もう限界だった。
2週間も鈴音の声を聞いていないのは正直耐え難かった。そしてついに俺は忍の事を口実に鈴音に電話を入れる事にした。
22時―
「よし、この時間なら…多分連絡を入れても問題ないだろう?」
俺はスマホをタップして鈴音を呼び出した。
『もしもし?』
5コール目で鈴音が出た。
『鈴音。何で最近実家に帰って来ないんだよ?』
俺は鈴音が電話に出るや否や、強い口調でなじっていた。何故連絡入れなかったのかについては、ベテランの先輩が店舗から抜けてその穴埋めが大変だったからだとか理由を述べて来る。ベテランの先輩…恐らく、太田という名前の先輩の事だろう。まさか連絡を取り合っていないか確認すると、鈴音はきっぱりそれは無いと断言した。
「そうかぁ~…まぁ一応信じてやるけど‥明日は仕事休みなんだろう?当然実家に帰って来るよな?忍が寂しがっていたぞ?」
俺は嘘を言ってしまった。忍はそんな事、一言も口にしていないのに。しかし、鈴音はこの話をあっさり断って来た。理由はもうすぐ結婚する同期の女友達がマンションに泊まりに来て2人でパジャマパーティーをするそうだ。
パジャマパーティー…。女同士でやれば楽しいだろうが、男同士で集まってやってみれば…。
駄目だ。とてもではないが、想像出来なかった。
だけど…結婚か…。鈴音には結婚願望があるのだろうか?そこで俺は尋ねてみる事にした。
『友達が結婚するって話聞いて羨ましいか?』
すると…。
「それは勿論…」
鈴音は言いかけて、そこで何故か口を閉ざしてしまった。でも、やっぱり鈴音は結婚願望があったんだ。
「そうか、羨ましいんだな…やっぱり」
『ううん、べっつに!私はずっと1人でもいいもの』
からかうように言うと、電話越しから鈴音のムキにな声が聞こえてくる。…そんなところも愛しく感じる。そして、つい口に出てしまった。
「仕方ないな~…何なら貰ってやるか?」
『はい?』
電話越しで鈴音が固まっている様子が分った。
「恋人がいない可愛そうな幼馴染のお前を…俺が嫁に貰ってやろうか?って聞いてるんだよ」
心臓が口から飛び出しそうだったが、平静を装って俺は言葉を続ける。
『なに、それ?ひょっとして酔ってるの?』
「別に酔ってなんかないぞ?まだ缶ビール3缶目だ。それでどうする?念の為に聞くが鈴音はどんな式を挙げたい?」
嘘だ、俺は今一口だってアルコールを口にしていない。
『何それ、やっぱり酔ってるんじゃないの。大体亮平はお姉ちゃんともうすぐ結婚するんでしょ』
何処か呆れた様子の鈴音の声が電話越しから聞こえてくる。それにしても一体鈴音は何を言ってるんだ?どうして俺がもうすぐ忍と結婚する事になっているんだ?!
「は?お前今何て言った?」
聞き捨てならない台詞に俺は焦った。なのに…。
『ううん。別に~。それじゃ、もう電話切るからね。飲み過ぎてアル中にならないようにね』
鈴音は軽いノリで返してくる。
「お、おい鈴音…まだ話は…」
しかし次の瞬間…。
プツッ
電話は無情にも切られてしまった。
「鈴音…一体何考えているんだよ…」
俺は1人、スマホを手にしたまま呆然としていた―。
だけど…もう限界だった。
2週間も鈴音の声を聞いていないのは正直耐え難かった。そしてついに俺は忍の事を口実に鈴音に電話を入れる事にした。
22時―
「よし、この時間なら…多分連絡を入れても問題ないだろう?」
俺はスマホをタップして鈴音を呼び出した。
『もしもし?』
5コール目で鈴音が出た。
『鈴音。何で最近実家に帰って来ないんだよ?』
俺は鈴音が電話に出るや否や、強い口調でなじっていた。何故連絡入れなかったのかについては、ベテランの先輩が店舗から抜けてその穴埋めが大変だったからだとか理由を述べて来る。ベテランの先輩…恐らく、太田という名前の先輩の事だろう。まさか連絡を取り合っていないか確認すると、鈴音はきっぱりそれは無いと断言した。
「そうかぁ~…まぁ一応信じてやるけど‥明日は仕事休みなんだろう?当然実家に帰って来るよな?忍が寂しがっていたぞ?」
俺は嘘を言ってしまった。忍はそんな事、一言も口にしていないのに。しかし、鈴音はこの話をあっさり断って来た。理由はもうすぐ結婚する同期の女友達がマンションに泊まりに来て2人でパジャマパーティーをするそうだ。
パジャマパーティー…。女同士でやれば楽しいだろうが、男同士で集まってやってみれば…。
駄目だ。とてもではないが、想像出来なかった。
だけど…結婚か…。鈴音には結婚願望があるのだろうか?そこで俺は尋ねてみる事にした。
『友達が結婚するって話聞いて羨ましいか?』
すると…。
「それは勿論…」
鈴音は言いかけて、そこで何故か口を閉ざしてしまった。でも、やっぱり鈴音は結婚願望があったんだ。
「そうか、羨ましいんだな…やっぱり」
『ううん、べっつに!私はずっと1人でもいいもの』
からかうように言うと、電話越しから鈴音のムキにな声が聞こえてくる。…そんなところも愛しく感じる。そして、つい口に出てしまった。
「仕方ないな~…何なら貰ってやるか?」
『はい?』
電話越しで鈴音が固まっている様子が分った。
「恋人がいない可愛そうな幼馴染のお前を…俺が嫁に貰ってやろうか?って聞いてるんだよ」
心臓が口から飛び出しそうだったが、平静を装って俺は言葉を続ける。
『なに、それ?ひょっとして酔ってるの?』
「別に酔ってなんかないぞ?まだ缶ビール3缶目だ。それでどうする?念の為に聞くが鈴音はどんな式を挙げたい?」
嘘だ、俺は今一口だってアルコールを口にしていない。
『何それ、やっぱり酔ってるんじゃないの。大体亮平はお姉ちゃんともうすぐ結婚するんでしょ』
何処か呆れた様子の鈴音の声が電話越しから聞こえてくる。それにしても一体鈴音は何を言ってるんだ?どうして俺がもうすぐ忍と結婚する事になっているんだ?!
「は?お前今何て言った?」
聞き捨てならない台詞に俺は焦った。なのに…。
『ううん。別に~。それじゃ、もう電話切るからね。飲み過ぎてアル中にならないようにね』
鈴音は軽いノリで返してくる。
「お、おい鈴音…まだ話は…」
しかし次の瞬間…。
プツッ
電話は無情にも切られてしまった。
「鈴音…一体何考えているんだよ…」
俺は1人、スマホを手にしたまま呆然としていた―。
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