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第17章 2 来訪客の相手は
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「え…?インターホン?誰だろう?まさか亮平…?」
直人さんのはずは絶対に無い、そうなると来訪者は亮平に間違いないだろう。
ドアに近づき、ドアアイを覗き込んで相手を見た時に私は息が止まりそうになってしまった。そこに立っていたのは恵利さんだったからだ。
「ど、どうしてここに…」
だけど、ここを開けないわけにはいかない。私は意を決して扉を開けた。
カチャ…
扉を開けると恵利さんは当然のように私に言った。
「こんばんは、加藤さん。お邪魔させてくれるかしら?」
まさか追い返すわけにもいかない。
「は、はい。散らかっていますけど…どうぞ」
仕方なく部屋に招き入れた。
「お邪魔します」
恵利さんはヒールを脱ぐと部屋に上がり込み、キョロキョロと部屋を見渡す。恵利さんの目の前に映る光景は狭い廊下と目の前の扉だ。
「ねえ、貴女こんなに狭い部屋に住んでいたの?」
棘のある言い方だった。
「はい、そうです」
「ふ~ん…こんな狭い部屋で2人きりで過ごしていたのね…」
恵利さんは独り言のつもりで言ったのだろうけど、その言葉はバッチリ私の耳に届いてしまった。
そして恵利さんは勝手に扉を開けた。
「あ、あの…!」
止める間も無く恵利さんは1ルームの部屋の中に入ってしまった。そこで荷造りの途中で散乱している部屋を見られてしまった。すると恵利さんは腕組みをすると頷いた。
「ふ~ん…やっぱりね…」
そして私を振り向くと言った。
「貴女、やっぱり引っ越しするのね」
そして嬉しそうに笑みを浮かべた。
「あの、一体…どういう事でしょうか…?何故私の住んでいる部屋を知ってるんですか?それにやっぱりって・・・」
私は尋ねた。
「悪いとは思ったけど…興信所を雇って貴女の事調べさせて貰ったのよ」
「ええっ?!そ、そんな…!」
酷い、どうしてそこまでの事をされなくてはいけないのだろう?
「あら、何よ。その文句言いたげな顔は。だから悪いとは思ったけどっていったでしょう?」
「そんな問題では…。でも何故そこまでの事をするのですか?私はもう直人さんとは一切連絡をとっていないのですよ?大体新しい連絡先も知りません。迷惑は…かけていません」
「そんなのは当然よ。私がそうさせたんだから」
「え…?」
恵利さんは耳を疑うような事を言った。
「私が貴女と連絡を絶たせるためにスマホを変えさせたからよ」
その言葉に自分の顔が青ざめていくのを感じた。
「正直な事言うと…貴女にはさっさとここを出ていって欲しかったのよね。だって直人は貴女の住んでる場所を知ってるんだもの。その気になれば会いに来れるわけでしょう?だから迷惑してたのよ。貴女の行動が気になって仕方なかったから興信所も雇って逐一報告してもらっていたのよ。いつ何処でこっそり直人に会ってるか分かったものじゃないから。直人にも言ってあるのよ。もし一度でも貴女に会えば会社がどうなっても知らないわよって」
それじゃ私が今まで感じていた視線は気の所為じゃなかったの?あの視線は興信所の人の視線だったの?だけど…。
「それって…直人さんを脅迫してるって事ですか?」
その瞬間―
パンッ!
突然右頬に鋭い痛みが走った。一瞬何が起こったか分からなかったけど、恵利さんが手を震わせている。私…頬を叩かれたんだ。
「うるさいわね!そんな事貴女に言われなくたって分かってるわよ!」
じんじん痛む頬を押さえながら私は恵利さんを見た。叩かれたのは私の方なのに、何故か恵利さんのほうが傷ついたような顔で私を見ている。
「さっさと直人の前から完全に消えて頂戴。そうじゃなければいつまでたっても直人の心は私のものにならないんだから!」
その言葉に私は軽い衝撃を受けた―。
直人さんのはずは絶対に無い、そうなると来訪者は亮平に間違いないだろう。
ドアに近づき、ドアアイを覗き込んで相手を見た時に私は息が止まりそうになってしまった。そこに立っていたのは恵利さんだったからだ。
「ど、どうしてここに…」
だけど、ここを開けないわけにはいかない。私は意を決して扉を開けた。
カチャ…
扉を開けると恵利さんは当然のように私に言った。
「こんばんは、加藤さん。お邪魔させてくれるかしら?」
まさか追い返すわけにもいかない。
「は、はい。散らかっていますけど…どうぞ」
仕方なく部屋に招き入れた。
「お邪魔します」
恵利さんはヒールを脱ぐと部屋に上がり込み、キョロキョロと部屋を見渡す。恵利さんの目の前に映る光景は狭い廊下と目の前の扉だ。
「ねえ、貴女こんなに狭い部屋に住んでいたの?」
棘のある言い方だった。
「はい、そうです」
「ふ~ん…こんな狭い部屋で2人きりで過ごしていたのね…」
恵利さんは独り言のつもりで言ったのだろうけど、その言葉はバッチリ私の耳に届いてしまった。
そして恵利さんは勝手に扉を開けた。
「あ、あの…!」
止める間も無く恵利さんは1ルームの部屋の中に入ってしまった。そこで荷造りの途中で散乱している部屋を見られてしまった。すると恵利さんは腕組みをすると頷いた。
「ふ~ん…やっぱりね…」
そして私を振り向くと言った。
「貴女、やっぱり引っ越しするのね」
そして嬉しそうに笑みを浮かべた。
「あの、一体…どういう事でしょうか…?何故私の住んでいる部屋を知ってるんですか?それにやっぱりって・・・」
私は尋ねた。
「悪いとは思ったけど…興信所を雇って貴女の事調べさせて貰ったのよ」
「ええっ?!そ、そんな…!」
酷い、どうしてそこまでの事をされなくてはいけないのだろう?
「あら、何よ。その文句言いたげな顔は。だから悪いとは思ったけどっていったでしょう?」
「そんな問題では…。でも何故そこまでの事をするのですか?私はもう直人さんとは一切連絡をとっていないのですよ?大体新しい連絡先も知りません。迷惑は…かけていません」
「そんなのは当然よ。私がそうさせたんだから」
「え…?」
恵利さんは耳を疑うような事を言った。
「私が貴女と連絡を絶たせるためにスマホを変えさせたからよ」
その言葉に自分の顔が青ざめていくのを感じた。
「正直な事言うと…貴女にはさっさとここを出ていって欲しかったのよね。だって直人は貴女の住んでる場所を知ってるんだもの。その気になれば会いに来れるわけでしょう?だから迷惑してたのよ。貴女の行動が気になって仕方なかったから興信所も雇って逐一報告してもらっていたのよ。いつ何処でこっそり直人に会ってるか分かったものじゃないから。直人にも言ってあるのよ。もし一度でも貴女に会えば会社がどうなっても知らないわよって」
それじゃ私が今まで感じていた視線は気の所為じゃなかったの?あの視線は興信所の人の視線だったの?だけど…。
「それって…直人さんを脅迫してるって事ですか?」
その瞬間―
パンッ!
突然右頬に鋭い痛みが走った。一瞬何が起こったか分からなかったけど、恵利さんが手を震わせている。私…頬を叩かれたんだ。
「うるさいわね!そんな事貴女に言われなくたって分かってるわよ!」
じんじん痛む頬を押さえながら私は恵利さんを見た。叩かれたのは私の方なのに、何故か恵利さんのほうが傷ついたような顔で私を見ている。
「さっさと直人の前から完全に消えて頂戴。そうじゃなければいつまでたっても直人の心は私のものにならないんだから!」
その言葉に私は軽い衝撃を受けた―。
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