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第15章 16 安い家賃の理由は
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「電話、出なくていいの?あ・・!もしかして幼馴染の男から?」
川口さんが眉をひそめる。
「ううん、違うの!電話の相手は…お姉ちゃんだから」
「お姉さん?だったら出たほうがいいんじゃないかな?」
何も事情を知らない川口さんはそう言うけど…私には何となく嫌な予感しかなかった。もしかして亮平が何かお姉ちゃんに話したのかもしれないし…かと言ってお姉ちゃんの電話を無視するわけにもいかない。
「う、うん。それじゃ電話…出ようかな」
私は震える手でスマホを握りしめ…電話をタップした。
「もしもし…」
『あ?鈴音ちゃんね。おはよう』
「うん、おはよう…」
『亮平君から、今日は鈴音ちゃんが仕事がお休みだって連絡が入ったから電話入れてみたの。あのね、鈴音ちゃんのPASMOを預かっているからこれから取りに来ない?それで夜御飯も食べて行かない?鈴音ちゃんの好きな料理用意するから』
お姉ちゃんは明るい声で話しかけてくる。だけど…。私は目の前にいる川口さんを見た
「あ、あのね…お姉ちゃん。実は今日は用事があって行けそうにないんだ。だから預かっておいて貰えるかな?近いうちに取りに行くから」
『そうなの…?でも無いと仕事行くとき困るでしょう?本当にいいの?』
「うん、本当に大丈夫。わざわざ連絡してくれてありがとう」
『ええ、それじゃ今度必ず来てね?待ってるから。それじゃまたね』
「うん。またね」
電話を切るとすぐに川口さんが尋ねてきた。
「お姉さん電話何て?」
「うん、実は昨夜亮平に車で駅まで送ってもらった時にPASMOを忘れてきちゃって、連絡が入っていたの。だからお姉ちゃんに預けて置いてって頼んだんだよ」
「ふ~ん、そうだったんだ。それでお姉さんから今日取りにおいでって言われたんだね?」
「うん。だけど、今日はもう断ったから」
「俺の為に?」
「勿論…そうだよ」
「ありがとう、嬉しいよ」
そして川口さんは私の頭を撫でて笑顔を見せた―。
朝食後の後片付けは私がやることにした。川口さんはそんな事しなくてもいいと言ったけど、朝食まで御馳走になった上に片付けまでやらせてしまうのは申し訳なかったからだ。
川口さんのマンションの作りはキッチンが対面式になっているので部屋の様子が良く分かる。それにしても…本当になんて立派なマンションなんだろう。家賃を聞いたときは値段が安くて驚いたけども、今はあの時以上に驚いている。どうしてこんなにすごい部屋が7万5千円で借りられるのだろう…?
「ねえ、直人さん」
私は食器を洗いながら、PCを眺めている川口さんに声を掛けた
「うん?何?」
顔を上る川口さん。
「この部屋…すごく綺麗なのに確か家賃7万5千円って言ってたよね?」
「そうだよ、よく覚えていたね?」
「システムキッチンの部屋でこの金額なんて信じられなくて」
すると川口さんが頭を掻きながら言った。
「ああ…実はちゃんと言ってなかったけど、会社から家賃補助が出ているんだよ。だから7万5千円で入居出来るんだ。本当は12万5千円するんだよ」
「え?!そ、そうなの?!」
驚きで危うく洗っていた食器を落としそうになってしまった。
「そっか~…だからその金額でいいんだ…羨ましいな」
すると川口さんはとんでもない事を言ってきた。
「なら…俺と一緒に暮らす?」
「え?!」
「この部屋は12畳あるし、2人で住んでも十分だと思わないかい?ベッドだってセミダブルだし、鈴音は身体が小さいから一緒に寝ても問題無かったし…何なら大きいサイズに買い替えたっていいけど?」
「またまた…冗談ばっかり…」
大体昨日から交際始めたばかりなんだから。
「別に冗談で言ったわけじゃないよ。でも…ちょっと焦っていたかもな。何せ鈴音の陰にはあの男がいるから」
川口さんの言葉にドキリとする。
「な、何言ってるの。亮平は…単なる幼馴染だから直人さんが気に病むようなことは何一つないからね?」
そう、亮平への気持ちは捨てたのだから…。
私は心の中で自分に言い聞かせた―。
川口さんが眉をひそめる。
「ううん、違うの!電話の相手は…お姉ちゃんだから」
「お姉さん?だったら出たほうがいいんじゃないかな?」
何も事情を知らない川口さんはそう言うけど…私には何となく嫌な予感しかなかった。もしかして亮平が何かお姉ちゃんに話したのかもしれないし…かと言ってお姉ちゃんの電話を無視するわけにもいかない。
「う、うん。それじゃ電話…出ようかな」
私は震える手でスマホを握りしめ…電話をタップした。
「もしもし…」
『あ?鈴音ちゃんね。おはよう』
「うん、おはよう…」
『亮平君から、今日は鈴音ちゃんが仕事がお休みだって連絡が入ったから電話入れてみたの。あのね、鈴音ちゃんのPASMOを預かっているからこれから取りに来ない?それで夜御飯も食べて行かない?鈴音ちゃんの好きな料理用意するから』
お姉ちゃんは明るい声で話しかけてくる。だけど…。私は目の前にいる川口さんを見た
「あ、あのね…お姉ちゃん。実は今日は用事があって行けそうにないんだ。だから預かっておいて貰えるかな?近いうちに取りに行くから」
『そうなの…?でも無いと仕事行くとき困るでしょう?本当にいいの?』
「うん、本当に大丈夫。わざわざ連絡してくれてありがとう」
『ええ、それじゃ今度必ず来てね?待ってるから。それじゃまたね』
「うん。またね」
電話を切るとすぐに川口さんが尋ねてきた。
「お姉さん電話何て?」
「うん、実は昨夜亮平に車で駅まで送ってもらった時にPASMOを忘れてきちゃって、連絡が入っていたの。だからお姉ちゃんに預けて置いてって頼んだんだよ」
「ふ~ん、そうだったんだ。それでお姉さんから今日取りにおいでって言われたんだね?」
「うん。だけど、今日はもう断ったから」
「俺の為に?」
「勿論…そうだよ」
「ありがとう、嬉しいよ」
そして川口さんは私の頭を撫でて笑顔を見せた―。
朝食後の後片付けは私がやることにした。川口さんはそんな事しなくてもいいと言ったけど、朝食まで御馳走になった上に片付けまでやらせてしまうのは申し訳なかったからだ。
川口さんのマンションの作りはキッチンが対面式になっているので部屋の様子が良く分かる。それにしても…本当になんて立派なマンションなんだろう。家賃を聞いたときは値段が安くて驚いたけども、今はあの時以上に驚いている。どうしてこんなにすごい部屋が7万5千円で借りられるのだろう…?
「ねえ、直人さん」
私は食器を洗いながら、PCを眺めている川口さんに声を掛けた
「うん?何?」
顔を上る川口さん。
「この部屋…すごく綺麗なのに確か家賃7万5千円って言ってたよね?」
「そうだよ、よく覚えていたね?」
「システムキッチンの部屋でこの金額なんて信じられなくて」
すると川口さんが頭を掻きながら言った。
「ああ…実はちゃんと言ってなかったけど、会社から家賃補助が出ているんだよ。だから7万5千円で入居出来るんだ。本当は12万5千円するんだよ」
「え?!そ、そうなの?!」
驚きで危うく洗っていた食器を落としそうになってしまった。
「そっか~…だからその金額でいいんだ…羨ましいな」
すると川口さんはとんでもない事を言ってきた。
「なら…俺と一緒に暮らす?」
「え?!」
「この部屋は12畳あるし、2人で住んでも十分だと思わないかい?ベッドだってセミダブルだし、鈴音は身体が小さいから一緒に寝ても問題無かったし…何なら大きいサイズに買い替えたっていいけど?」
「またまた…冗談ばっかり…」
大体昨日から交際始めたばかりなんだから。
「別に冗談で言ったわけじゃないよ。でも…ちょっと焦っていたかもな。何せ鈴音の陰にはあの男がいるから」
川口さんの言葉にドキリとする。
「な、何言ってるの。亮平は…単なる幼馴染だから直人さんが気に病むようなことは何一つないからね?」
そう、亮平への気持ちは捨てたのだから…。
私は心の中で自分に言い聞かせた―。
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