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第15章 11 バイバイ、亮平
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「え・・?」
何、それ・・・一体亮平はどういうつもりで言ってるのだろう?それにその私を見る熱い視線は今まで一度も向けられたことは無かった。
「やめて・・そ、そんな目で見ないでよ。まるで・・」
「まるで・・何だ?」
その時、私の目に川口さんの姿が映った。彼は駅前に立ち、私の姿を探しているのかキョロキョロしている。
「川口さん・・・!」
ドアを開けて車の外へ出ようとしたとき、突然右腕を亮平に掴まれた。
「鈴音・・!」
「な?何・・?」
「土産・・忘れてる」
「え?あ、ああ・・・お土産ね・・・?」
「・・・」
亮平は黙って後部座席に手を伸ばし、紙バッグを掴むと手渡して来た。
「・・・じゃあな」
「う、うん・・ありがとう」
礼を言うと私は車から降りて、一度亮平を振り返った。
「・・・っ!」
亮平はじっと私を見つめていた。何故?急にどうしてそんな目で私を見るのよ!
慌てて背中を向けると私は川口さんの待つ駅前に向かって歩き出した。どうしようもないくらい高鳴る胸を押さえて・・・。
「川口さん、お待たせ」
「え・・?加藤さん?どうしてそんなところから・・?」
川口さんは私が駅から出てこなかったことに対して驚いていた。
「う、うん・・亮平に駅まで送って貰ったから・・」
「え?そうだったのか・・?」
「あのね、今日は亮平はお姉ちゃんと高尾山でデートだったから・・お土産を買って来てくれたんだって」
「まさか・・それでお土産をわざわざ職場まで届けに・・?」
川口さんは眉をひそめて私を見る。
「うん、そうだったみたい。それじゃ自転車持ってくるから待っててくれる?」
「分った、待ってるよ」
「ありがと」
笑みを浮かべて川口さんを見ると私は自転車置きへ向かった―。
「ごめんね・・仕事で疲れているのに、迎えに来てもらって・・」
自転車を押しながら2人でマンションの道のりを歩く。
「いいんだよ、俺が勝手にやっている事だから」
「でも・・やっぱり悪いよ。」
私は川口さんを見ながら言った。
「今は自転車もあるんだし・・この辺りは住宅街で街灯も多いから本当に大丈夫だよ?まぁ・・雨の日とかは自転車は無理でもね・・あ、そう言えば明日は約束の日だったね?」
「うん・・そうだね」
明日は私も川口さんも仕事がお休みになっている。そこで公園にいって川口さんが自宅で入れてきたコーヒーを2人で一緒に飲む約束をしている日だった。
「この分だと明日も晴れそうだね~」
夜空を見上げながら私は言った。もうマンションは目の前だった。
ガチャン
マンションの自転車置き場に自転車を入れると、私は川口さんを振り返った。
「今夜も迎えに来てくれてありがとう。」
「・・・加藤さん」
神妙な顔つきで川口さんが私を見る。
「何?」
「何か・・あった?」
「何かって?」
「幼馴染と・・だよ」
「べ、別に何も無いよ」
「そう・・ならいいんだ。ハハ・・駄目だな。俺って・・加藤さんの事が好きだから・・つい気になって・・彼氏でもないのに・・」
「!」
私は亮平に言った言葉を思い出した。
<亮平・・私決めたから。もし・・次に川口さんに告白されたら・・受けるって>
「ねえ・・・川口さん」
「何?」
「お友達としてじゃなくて・・付き合う?」
「え・・?」
川口さんが目を見開いて私を見つめている。
「それって・・・?」
「うん・・・彼氏と彼女の関係として・・・!」
次の瞬間、強く抱きしめられていた。私はそっと川口さんの背中に手を回すと、彼の手が私の顎に添えられ、顔が近付いてくる。
「・・・」
目を閉じるとそっと唇が重ねられた。
バイバイ・・・亮平。
私は心の中で亮平に別れを告げた。
そして、その夜・・・私は川口さんの部屋に泊まり・・彼と夜を共にした―。
何、それ・・・一体亮平はどういうつもりで言ってるのだろう?それにその私を見る熱い視線は今まで一度も向けられたことは無かった。
「やめて・・そ、そんな目で見ないでよ。まるで・・」
「まるで・・何だ?」
その時、私の目に川口さんの姿が映った。彼は駅前に立ち、私の姿を探しているのかキョロキョロしている。
「川口さん・・・!」
ドアを開けて車の外へ出ようとしたとき、突然右腕を亮平に掴まれた。
「鈴音・・!」
「な?何・・?」
「土産・・忘れてる」
「え?あ、ああ・・・お土産ね・・・?」
「・・・」
亮平は黙って後部座席に手を伸ばし、紙バッグを掴むと手渡して来た。
「・・・じゃあな」
「う、うん・・ありがとう」
礼を言うと私は車から降りて、一度亮平を振り返った。
「・・・っ!」
亮平はじっと私を見つめていた。何故?急にどうしてそんな目で私を見るのよ!
慌てて背中を向けると私は川口さんの待つ駅前に向かって歩き出した。どうしようもないくらい高鳴る胸を押さえて・・・。
「川口さん、お待たせ」
「え・・?加藤さん?どうしてそんなところから・・?」
川口さんは私が駅から出てこなかったことに対して驚いていた。
「う、うん・・亮平に駅まで送って貰ったから・・」
「え?そうだったのか・・?」
「あのね、今日は亮平はお姉ちゃんと高尾山でデートだったから・・お土産を買って来てくれたんだって」
「まさか・・それでお土産をわざわざ職場まで届けに・・?」
川口さんは眉をひそめて私を見る。
「うん、そうだったみたい。それじゃ自転車持ってくるから待っててくれる?」
「分った、待ってるよ」
「ありがと」
笑みを浮かべて川口さんを見ると私は自転車置きへ向かった―。
「ごめんね・・仕事で疲れているのに、迎えに来てもらって・・」
自転車を押しながら2人でマンションの道のりを歩く。
「いいんだよ、俺が勝手にやっている事だから」
「でも・・やっぱり悪いよ。」
私は川口さんを見ながら言った。
「今は自転車もあるんだし・・この辺りは住宅街で街灯も多いから本当に大丈夫だよ?まぁ・・雨の日とかは自転車は無理でもね・・あ、そう言えば明日は約束の日だったね?」
「うん・・そうだね」
明日は私も川口さんも仕事がお休みになっている。そこで公園にいって川口さんが自宅で入れてきたコーヒーを2人で一緒に飲む約束をしている日だった。
「この分だと明日も晴れそうだね~」
夜空を見上げながら私は言った。もうマンションは目の前だった。
ガチャン
マンションの自転車置き場に自転車を入れると、私は川口さんを振り返った。
「今夜も迎えに来てくれてありがとう。」
「・・・加藤さん」
神妙な顔つきで川口さんが私を見る。
「何?」
「何か・・あった?」
「何かって?」
「幼馴染と・・だよ」
「べ、別に何も無いよ」
「そう・・ならいいんだ。ハハ・・駄目だな。俺って・・加藤さんの事が好きだから・・つい気になって・・彼氏でもないのに・・」
「!」
私は亮平に言った言葉を思い出した。
<亮平・・私決めたから。もし・・次に川口さんに告白されたら・・受けるって>
「ねえ・・・川口さん」
「何?」
「お友達としてじゃなくて・・付き合う?」
「え・・?」
川口さんが目を見開いて私を見つめている。
「それって・・・?」
「うん・・・彼氏と彼女の関係として・・・!」
次の瞬間、強く抱きしめられていた。私はそっと川口さんの背中に手を回すと、彼の手が私の顎に添えられ、顔が近付いてくる。
「・・・」
目を閉じるとそっと唇が重ねられた。
バイバイ・・・亮平。
私は心の中で亮平に別れを告げた。
そして、その夜・・・私は川口さんの部屋に泊まり・・彼と夜を共にした―。
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