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第2章 3 仲良し同期
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新入社員研修は本社ビルの5Fにある研修室で行われる。今年採用された新入社員は全国で300人。そして今回集められたのは東京都で採用された新人達・・・・合計20名。
研修室へ入ると、懐かしい同期入社の面々が揃い、笑顔で会話をしている。
「うわあ・・皆盛り上がってるねえ・・。」
「あ、ああ。そうだな・・。」
私と井上君が入り口の所で立っていると、誰かが私の名前を呼んだ。
「鈴音!」
するとこちらへ向かって黒髪のストレートヘアの女性が走って来る。彼女は・・・。
「あ!真理ちゃんっ!」
渋谷支店に配属された仲良しの真理ちゃんが駆け寄って来ると、いきなり抱き付いて来た。
「あ~ん!鈴音~!会いたかった~っ!」
真理ちゃんは私の首に腕を回し、擦り寄って来る。彼女の髪からはふんわりと柑橘系の良い香りが漂っている。
「真理ちゃん、私も会いたかった~。」
ギュッと真理ちゃんを抱きしめていると、何やら視線を感じた。その視線の先には井上君が一歩引いた目で私達を見ている。
「お、おい・・・もしかして2人は・・できてるのか・・?」
「ばっかね~っ!!そんなはず無いでしょう?!あいっ変わらずデリカシーの無い男ねっ?!」
美人だけど気の強い真理ちゃんがキッと井上君を睨み付ける。
「お、おい・・・!な、何だよっ!そのば・・ばかって・・・!」
井上君は顔を真っ赤にさせ、震えていると背後から誰かが井上君に声を変えてきた。
「よぅ!井上。」
「あ・・・佐々木か。」
現れたのは佐々木君。彼は青山支店に配属されている。
「何だよ、その気の無い返事は。久しぶりだな、加藤さん、片岡さん。」
片岡とは真理ちゃんの苗字だ。
「佐々木君は相変わらず大きいねえ・・・お客さんに怖がられない?」
真理ちゃんは遠慮なしに物を言う。佐々木君は元ラガーマンで身長だって190㎝もあるのだ。でも確かに・・・。
「う、うん・・・佐々木君みたいに大きな人がビラを配る姿は・・・ちょっと怖いかも・・・。」
私が笑いをかみ殺しながら言うと佐々木君は眉をしかめた。
「え~・・・まさか加藤さんにまで言われてしまうとは・・・。」
「あら、ショックだったみたいね~。だって佐々木君・・・本当は加藤さんと同じ代理店に配属されたかったのよね・・・?」
「ええっ?!そ、そうなのかっ?!」
何故か私よりも井上君が反応した。
「お、おいっ!語弊を招く言い方をするなよっ!俺は加藤さんと同じ墨田支店に配属されたかったって言う意味で言ったんだよ!」
「え~何で墨田支店がいいんだよ・・・?」
井上君が腕組みしながら尋ねた。
「何言ってるんだ、墨田区には遊ぶところが沢山あるじゃないか!スカイツリーや水族館、それに何ってたって両国国技館があるじゃないかっ!」
「へえ~佐々木君てひょっとしてお相撲が好きだったの?」
私が尋ねると、佐々木君は目をキラキラさせた。
「ああ!大好きなんだっ!そうだ、加藤さん!もし、今度良ければ俺と一緒に・・・!」
「はいはい、そこまでね~。」
突如、真理ちゃんが私と佐々木君の間に入って来ると言った。
「女子は女子同士で話があるの、ほら、男共はあっちに行って。」
そしてシッシと手で追い払う。
「ちぇっ」
「何だよ、それ・・・。」
井上君と佐々木君は恨めしそうな目で真理ちゃんを見ると、すごすごと椅子に座りに行った。それを見届ける真理ちゃんが言った。
「ふう・・・やっと邪魔な男共が行ってくれたわ。」
「何?一体どうしたの?」
すると真理ちゃんは真剣な目で私を見ると言った。
「ねえ、鈴音っ!今度の金曜日・・・合コンに行こうっ!」
「え・・ええ~っ?!ご、合コンっ?!」
「お願いっ!どうしても人数が足りないのよっ!頼めるのは最早鈴音しかいないんだってばっ!」
そう言うと真理ちゃんは私に頭を下げてきた―。
研修室へ入ると、懐かしい同期入社の面々が揃い、笑顔で会話をしている。
「うわあ・・皆盛り上がってるねえ・・。」
「あ、ああ。そうだな・・。」
私と井上君が入り口の所で立っていると、誰かが私の名前を呼んだ。
「鈴音!」
するとこちらへ向かって黒髪のストレートヘアの女性が走って来る。彼女は・・・。
「あ!真理ちゃんっ!」
渋谷支店に配属された仲良しの真理ちゃんが駆け寄って来ると、いきなり抱き付いて来た。
「あ~ん!鈴音~!会いたかった~っ!」
真理ちゃんは私の首に腕を回し、擦り寄って来る。彼女の髪からはふんわりと柑橘系の良い香りが漂っている。
「真理ちゃん、私も会いたかった~。」
ギュッと真理ちゃんを抱きしめていると、何やら視線を感じた。その視線の先には井上君が一歩引いた目で私達を見ている。
「お、おい・・・もしかして2人は・・できてるのか・・?」
「ばっかね~っ!!そんなはず無いでしょう?!あいっ変わらずデリカシーの無い男ねっ?!」
美人だけど気の強い真理ちゃんがキッと井上君を睨み付ける。
「お、おい・・・!な、何だよっ!そのば・・ばかって・・・!」
井上君は顔を真っ赤にさせ、震えていると背後から誰かが井上君に声を変えてきた。
「よぅ!井上。」
「あ・・・佐々木か。」
現れたのは佐々木君。彼は青山支店に配属されている。
「何だよ、その気の無い返事は。久しぶりだな、加藤さん、片岡さん。」
片岡とは真理ちゃんの苗字だ。
「佐々木君は相変わらず大きいねえ・・・お客さんに怖がられない?」
真理ちゃんは遠慮なしに物を言う。佐々木君は元ラガーマンで身長だって190㎝もあるのだ。でも確かに・・・。
「う、うん・・・佐々木君みたいに大きな人がビラを配る姿は・・・ちょっと怖いかも・・・。」
私が笑いをかみ殺しながら言うと佐々木君は眉をしかめた。
「え~・・・まさか加藤さんにまで言われてしまうとは・・・。」
「あら、ショックだったみたいね~。だって佐々木君・・・本当は加藤さんと同じ代理店に配属されたかったのよね・・・?」
「ええっ?!そ、そうなのかっ?!」
何故か私よりも井上君が反応した。
「お、おいっ!語弊を招く言い方をするなよっ!俺は加藤さんと同じ墨田支店に配属されたかったって言う意味で言ったんだよ!」
「え~何で墨田支店がいいんだよ・・・?」
井上君が腕組みしながら尋ねた。
「何言ってるんだ、墨田区には遊ぶところが沢山あるじゃないか!スカイツリーや水族館、それに何ってたって両国国技館があるじゃないかっ!」
「へえ~佐々木君てひょっとしてお相撲が好きだったの?」
私が尋ねると、佐々木君は目をキラキラさせた。
「ああ!大好きなんだっ!そうだ、加藤さん!もし、今度良ければ俺と一緒に・・・!」
「はいはい、そこまでね~。」
突如、真理ちゃんが私と佐々木君の間に入って来ると言った。
「女子は女子同士で話があるの、ほら、男共はあっちに行って。」
そしてシッシと手で追い払う。
「ちぇっ」
「何だよ、それ・・・。」
井上君と佐々木君は恨めしそうな目で真理ちゃんを見ると、すごすごと椅子に座りに行った。それを見届ける真理ちゃんが言った。
「ふう・・・やっと邪魔な男共が行ってくれたわ。」
「何?一体どうしたの?」
すると真理ちゃんは真剣な目で私を見ると言った。
「ねえ、鈴音っ!今度の金曜日・・・合コンに行こうっ!」
「え・・ええ~っ?!ご、合コンっ?!」
「お願いっ!どうしても人数が足りないのよっ!頼めるのは最早鈴音しかいないんだってばっ!」
そう言うと真理ちゃんは私に頭を下げてきた―。
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