52 / 61
第52話 ※殺戮の幕開け ⑥ (残虐シーン注意)
しおりを挟む
「ギャアアアア―――ッ!!」
部屋の中にはヘルマの断末魔の叫びが響き渡っている。しかし2匹の狼達はヘルマの絶叫を物ともせずに身体の上にのしかかり喰い散らかしてく。部屋の中はますます血の匂いが濃くなっていく。
「ウ、ウゲッ!!」
真っ青だった叔父が突如体を背けて嘔吐している。自分の娘が生きながら喰われてる様はさぞかし気持ち悪くなったのだろう。
「…」
やがてヘルマのうめき声すら聞こえなくなった。ヘルマの身体は狼の下敷きになっているのでどのような状況になっているかは私からは見えなかったが、もう殆ど喰い散らかされているに違いない。部屋の中は狼が血をすする音と、咀嚼音だけが響き渡る。そして残りの狼たちは口からヨダレをダラダラと垂らしながら怯える3人を睨み付けている。もはや狼たちにとっては叔父達は単なる餌としての認識しかないのだろう。
「ガウッ!!」
ついに食事を終えた2匹の狼は顔を上げて後ろへ下がった。するとそこには血だまりの中にヘルマの骨と化したものが転がっていた、まだあちこちには肉片やヘルマの着ていた服の切れ端が落ちている。
するとそれを目にした途端、叔母が叫び出し…大声で笑いだした。
「あぁ…う、嘘よ…ぉっ!!こんなの嘘だわぁ…ッ!!アハハハハハ…ッ!!」
「く、狂った…!」
ジークハルトが叔母を見て叫んだ。
「キャハハハハハハハッ!!アーハッハッハッ…ッ!!」
髪を振り乱し、天井を仰ぎながら笑う姿は狂女そのものだった。でもそれは無理ないことだろう。自分の娘が生きながら狼に喰われ、さらに自分達も同じ目にこれから遭わされるのだから狂うのは当然かもしれない。
「アハハハハハハハハッ!ヒーヒッヒッヒッ!!」
狂った叔母の笑い声に触発されてか、今までお預けを食らっていた2匹の狼が叔母に襲い掛かった。
「ガルルルルルルルッ!!」
しかし、狂った人間は痛みも感じないのだろうか?叔母は狼たちに血しぶきを上げながら腕や足を喰いちぎられているのに悲鳴を上げずに笑い続けていた。その光景はまさに地獄絵図だ。叔父もジークハルトもなすすべも無く叔母が無残に喰われていく様を呆然と見ている。彼等にはもう逃げる気力すら残されていないのだろう。そこで私は骸骨たちに命じた。
「貴方達はこの城の宝を全てかき集めて来なさい」
骸骨たちは無言で頷くとカタカタと骨を鳴らしながら出ていく。叔母は相変わらず笑い続けていたが、やがてその笑い声も聞こえなくなった。完全に息絶えたのだろう。
しかし、それでも飢えた狼たちは叔母を喰らい続けている。
「グルルルル…」
やがて、お腹が膨れて満足したのだろう。2匹の狼たちは叔父達から視線をそらさず後ろへ下がって行く。そして床には2体の骸骨が転がっていた。
「バルバラッ!!ヘルマッ!!な、何て事だ…っ!!」
叔父がその場に崩れ落ちる。驚くべきことに叔父はまだ壮絶な光景を目にしながら、冷静さを失っていなかったのだ。…ひょっとすると叔父はこのような凄惨極まりない光景を見慣れているのかもしれない。私の預かり知らぬところで父や母以外の人間の命を奪って来た可能性がある。
けれど…今となってはもうどうでも良かった。
何故なら、叔父もジークハルトもここで壮絶な最期を迎えるのだから。
叔母やヘルマ以上の壮絶な最期を―。
部屋の中にはヘルマの断末魔の叫びが響き渡っている。しかし2匹の狼達はヘルマの絶叫を物ともせずに身体の上にのしかかり喰い散らかしてく。部屋の中はますます血の匂いが濃くなっていく。
「ウ、ウゲッ!!」
真っ青だった叔父が突如体を背けて嘔吐している。自分の娘が生きながら喰われてる様はさぞかし気持ち悪くなったのだろう。
「…」
やがてヘルマのうめき声すら聞こえなくなった。ヘルマの身体は狼の下敷きになっているのでどのような状況になっているかは私からは見えなかったが、もう殆ど喰い散らかされているに違いない。部屋の中は狼が血をすする音と、咀嚼音だけが響き渡る。そして残りの狼たちは口からヨダレをダラダラと垂らしながら怯える3人を睨み付けている。もはや狼たちにとっては叔父達は単なる餌としての認識しかないのだろう。
「ガウッ!!」
ついに食事を終えた2匹の狼は顔を上げて後ろへ下がった。するとそこには血だまりの中にヘルマの骨と化したものが転がっていた、まだあちこちには肉片やヘルマの着ていた服の切れ端が落ちている。
するとそれを目にした途端、叔母が叫び出し…大声で笑いだした。
「あぁ…う、嘘よ…ぉっ!!こんなの嘘だわぁ…ッ!!アハハハハハ…ッ!!」
「く、狂った…!」
ジークハルトが叔母を見て叫んだ。
「キャハハハハハハハッ!!アーハッハッハッ…ッ!!」
髪を振り乱し、天井を仰ぎながら笑う姿は狂女そのものだった。でもそれは無理ないことだろう。自分の娘が生きながら狼に喰われ、さらに自分達も同じ目にこれから遭わされるのだから狂うのは当然かもしれない。
「アハハハハハハハハッ!ヒーヒッヒッヒッ!!」
狂った叔母の笑い声に触発されてか、今までお預けを食らっていた2匹の狼が叔母に襲い掛かった。
「ガルルルルルルルッ!!」
しかし、狂った人間は痛みも感じないのだろうか?叔母は狼たちに血しぶきを上げながら腕や足を喰いちぎられているのに悲鳴を上げずに笑い続けていた。その光景はまさに地獄絵図だ。叔父もジークハルトもなすすべも無く叔母が無残に喰われていく様を呆然と見ている。彼等にはもう逃げる気力すら残されていないのだろう。そこで私は骸骨たちに命じた。
「貴方達はこの城の宝を全てかき集めて来なさい」
骸骨たちは無言で頷くとカタカタと骨を鳴らしながら出ていく。叔母は相変わらず笑い続けていたが、やがてその笑い声も聞こえなくなった。完全に息絶えたのだろう。
しかし、それでも飢えた狼たちは叔母を喰らい続けている。
「グルルルル…」
やがて、お腹が膨れて満足したのだろう。2匹の狼たちは叔父達から視線をそらさず後ろへ下がって行く。そして床には2体の骸骨が転がっていた。
「バルバラッ!!ヘルマッ!!な、何て事だ…っ!!」
叔父がその場に崩れ落ちる。驚くべきことに叔父はまだ壮絶な光景を目にしながら、冷静さを失っていなかったのだ。…ひょっとすると叔父はこのような凄惨極まりない光景を見慣れているのかもしれない。私の預かり知らぬところで父や母以外の人間の命を奪って来た可能性がある。
けれど…今となってはもうどうでも良かった。
何故なら、叔父もジークハルトもここで壮絶な最期を迎えるのだから。
叔母やヘルマ以上の壮絶な最期を―。
14
お気に入りに追加
1,241
あなたにおすすめの小説
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
愛を語れない関係【完結】
迷い人
恋愛
婚約者の魔導師ウィル・グランビルは愛すべき義妹メアリーのために、私ソフィラの全てを奪おうとした。 家族が私のために作ってくれた魔道具まで……。
そして、時が戻った。
だから、もう、何も渡すものか……そう決意した。
くだらない冤罪で投獄されたので呪うことにしました。
音爽(ネソウ)
恋愛
<良くある話ですが凄くバカで下品な話です。>
婚約者と友人に裏切られた、伯爵令嬢。
冤罪で投獄された恨みを晴らしましょう。
「ごめんなさい?私がかけた呪いはとけませんよ」
婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。
お姉さまは最愛の人と結ばれない。
りつ
恋愛
――なぜならわたしが奪うから。
正妻を追い出して伯爵家の後妻になったのがクロエの母である。愛人の娘という立場で生まれてきた自分。伯爵家の他の兄弟たちに疎まれ、毎日泣いていたクロエに手を差し伸べたのが姉のエリーヌである。彼女だけは他の人間と違ってクロエに優しくしてくれる。だからクロエは姉のために必死にいい子になろうと努力した。姉に婚約者ができた時も、心から上手くいくよう願った。けれど彼はクロエのことが好きだと言い出して――
取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので
モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。
貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。
──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。
……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!?
公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。
(『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)
【完結】「君を愛することはない」と言われた公爵令嬢は思い出の夜を繰り返す
おのまとぺ
恋愛
「君を愛することはない!」
鳴り響く鐘の音の中で、三年の婚約期間の末に結ばれるはずだったマルクス様は高らかに宣言しました。隣には彼の義理の妹シシーがピッタリとくっついています。私は笑顔で「承知いたしました」と答え、ガラスの靴を脱ぎ捨てて、一目散に式場の扉へと走り出しました。
え?悲しくないのかですって?
そんなこと思うわけないじゃないですか。だって、私はこの三年間、一度たりとも彼を愛したことなどなかったのですから。私が本当に愛していたのはーーー
◇よくある婚約破棄
◇元サヤはないです
◇タグは増えたりします
◇薬物などの危険物が少し登場します
姉の所為で全てを失いそうです。だから、その前に全て終わらせようと思います。もちろん断罪ショーで。
しげむろ ゆうき
恋愛
姉の策略により、なんでも私の所為にされてしまう。そしてみんなからどんどんと信用を失っていくが、唯一、私が得意としてるもので信じてくれなかった人達と姉を断罪する話。
全12話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる