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第104話 皆で一緒に
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「そう…伯爵が戻ってくるのは2日後なのね。…残念だわ」
私の言葉にデリクは首を傾げた。
「え?何が残念なんだい?」
「だって…私もデリクと一緒にあの家に突入したかったから」
「アンジェラ…」
「私はあの2人に今迄散々嫌がらせを受けてきたのよ?それでようやく罰を与えられたと思ったのに…未だにあの2人はしつこく私の前に立ちはだかって来て…。今度こそ完膚なきまでに潰して置かないと気がすまないわ。これ以上あの2人の為に無駄な時間を費やしたくないのよ」
すると…。
「アンジェラ…君って人は本当に…アハハハハッ…最高の人だよ!」
デリクはそう言うと私を抱きしめてきた。
「デ、デリクッ?!」
「そうだよね。その日は君の店がオープンする日だったよね?それなら伯爵に事情を説明して、アンジェラも一緒にニコラス達の家に突入出来るように日程を調整してもらうように頼んでみるかい?」
デリクは私の肩に手を置くと尋ねてきた。
「いいえ、そこまでしなくていいわ。こういう事は引き伸ばさないほうがいいと思うのよ。だって…恐らくデリクが襲われたのもニコラス達が絡んでいるに決まっているに違いないもの」
「分かったよ。必ず全て白状させて…今度こそ罪を償って貰おう」
「ええ、デリク。お願いね」
「任せてくれ。だけど…アンジェラの店のオープンには立ち会えないかもしれないな…」
デリクは残念そうだ。
「いいの、大丈夫よ。それにあの店は元々女性向きのお店だから、逆に貴方にとっては居心地悪い空間になってしまうかもしれないでしょう?」
「…確かに言われてみればそうかもしれない。よし、それじゃ2日後…お互いに頑張ろう?」
「ええ、頑張りましょう」
そして私とデリクは微笑み合った―。
****
午後3時半―
馬車乗り場に行くと、そこには既にジムさんが迎えに来ていた。
「お待たせ、ジムさん」
「お帰りなさいませ。アンジェラ様」
そしてジムさんは私の後ろに立つ友人たちを見渡した。
「あの…もしや、その方達は…?」
「ええ、私の頼もしい仲間たちよ。これから皆で一緒にお店に行くの。ね?皆」
すると3人が次々にジムさんに挨拶をした。
「はじめまして、私はアンジェラさんの友人のシビルです」
「私はグレタと申します」
「イレーヌです。宜しくお願いします」
そこへ、さらにペリーヌが現れた。
「皆で1台の馬車に乗るのは狭いだろうから、二手に分かれて馬車に乗りましょう?」
「ありがとう。それなら…」
私はたまたまペリーヌの近くに立っていたグレタとイレーヌに言った。
「あなた達2人はペリーヌの馬車に乗ってくれる?」
「「はい」」
グレタとイレーヌは揃って返事をした。
「それじゃ、シビルは…」
「はい、私はアンジェラさんと一緒の馬車に乗ればいいですね?」
シビルは返事をした。
「ええ、それでいいわ」
頷くと、ジムさんに声を掛けた。
「それじゃ、ジムさん。お店まで馬車を出してくれる?」
「ええ、分かりましたが…一体これはどういうことなのしょう…?」
こんなに大勢引き連れてお店へ行こうとしているのだから、ジムさんが戸惑うのも無理はない。
「実はね…これから皆で仕込みに行くのよ」
私は笑みを浮かべてジムさんに言った―。
私の言葉にデリクは首を傾げた。
「え?何が残念なんだい?」
「だって…私もデリクと一緒にあの家に突入したかったから」
「アンジェラ…」
「私はあの2人に今迄散々嫌がらせを受けてきたのよ?それでようやく罰を与えられたと思ったのに…未だにあの2人はしつこく私の前に立ちはだかって来て…。今度こそ完膚なきまでに潰して置かないと気がすまないわ。これ以上あの2人の為に無駄な時間を費やしたくないのよ」
すると…。
「アンジェラ…君って人は本当に…アハハハハッ…最高の人だよ!」
デリクはそう言うと私を抱きしめてきた。
「デ、デリクッ?!」
「そうだよね。その日は君の店がオープンする日だったよね?それなら伯爵に事情を説明して、アンジェラも一緒にニコラス達の家に突入出来るように日程を調整してもらうように頼んでみるかい?」
デリクは私の肩に手を置くと尋ねてきた。
「いいえ、そこまでしなくていいわ。こういう事は引き伸ばさないほうがいいと思うのよ。だって…恐らくデリクが襲われたのもニコラス達が絡んでいるに決まっているに違いないもの」
「分かったよ。必ず全て白状させて…今度こそ罪を償って貰おう」
「ええ、デリク。お願いね」
「任せてくれ。だけど…アンジェラの店のオープンには立ち会えないかもしれないな…」
デリクは残念そうだ。
「いいの、大丈夫よ。それにあの店は元々女性向きのお店だから、逆に貴方にとっては居心地悪い空間になってしまうかもしれないでしょう?」
「…確かに言われてみればそうかもしれない。よし、それじゃ2日後…お互いに頑張ろう?」
「ええ、頑張りましょう」
そして私とデリクは微笑み合った―。
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午後3時半―
馬車乗り場に行くと、そこには既にジムさんが迎えに来ていた。
「お待たせ、ジムさん」
「お帰りなさいませ。アンジェラ様」
そしてジムさんは私の後ろに立つ友人たちを見渡した。
「あの…もしや、その方達は…?」
「ええ、私の頼もしい仲間たちよ。これから皆で一緒にお店に行くの。ね?皆」
すると3人が次々にジムさんに挨拶をした。
「はじめまして、私はアンジェラさんの友人のシビルです」
「私はグレタと申します」
「イレーヌです。宜しくお願いします」
そこへ、さらにペリーヌが現れた。
「皆で1台の馬車に乗るのは狭いだろうから、二手に分かれて馬車に乗りましょう?」
「ありがとう。それなら…」
私はたまたまペリーヌの近くに立っていたグレタとイレーヌに言った。
「あなた達2人はペリーヌの馬車に乗ってくれる?」
「「はい」」
グレタとイレーヌは揃って返事をした。
「それじゃ、シビルは…」
「はい、私はアンジェラさんと一緒の馬車に乗ればいいですね?」
シビルは返事をした。
「ええ、それでいいわ」
頷くと、ジムさんに声を掛けた。
「それじゃ、ジムさん。お店まで馬車を出してくれる?」
「ええ、分かりましたが…一体これはどういうことなのしょう…?」
こんなに大勢引き連れてお店へ行こうとしているのだから、ジムさんが戸惑うのも無理はない。
「実はね…これから皆で仕込みに行くのよ」
私は笑みを浮かべてジムさんに言った―。
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