上 下
104 / 119

第104話 皆で一緒に

しおりを挟む
「そう…伯爵が戻ってくるのは2日後なのね。…残念だわ」

私の言葉にデリクは首を傾げた。

「え?何が残念なんだい?」

「だって…私もデリクと一緒にあの家に突入したかったから」

「アンジェラ…」

「私はあの2人に今迄散々嫌がらせを受けてきたのよ?それでようやく罰を与えられたと思ったのに…未だにあの2人はしつこく私の前に立ちはだかって来て…。今度こそ完膚なきまでに潰して置かないと気がすまないわ。これ以上あの2人の為に無駄な時間を費やしたくないのよ」

すると…。

「アンジェラ…君って人は本当に…アハハハハッ…最高の人だよ!」

デリクはそう言うと私を抱きしめてきた。

「デ、デリクッ?!」

「そうだよね。その日は君の店がオープンする日だったよね?それなら伯爵に事情を説明して、アンジェラも一緒にニコラス達の家に突入出来るように日程を調整してもらうように頼んでみるかい?」

デリクは私の肩に手を置くと尋ねてきた。

「いいえ、そこまでしなくていいわ。こういう事は引き伸ばさないほうがいいと思うのよ。だって…恐らくデリクが襲われたのもニコラス達が絡んでいるに決まっているに違いないもの」

「分かったよ。必ず全て白状させて…今度こそ罪を償って貰おう」

「ええ、デリク。お願いね」

「任せてくれ。だけど…アンジェラの店のオープンには立ち会えないかもしれないな…」

デリクは残念そうだ。

「いいの、大丈夫よ。それにあの店は元々女性向きのお店だから、逆に貴方にとっては居心地悪い空間になってしまうかもしれないでしょう?」

「…確かに言われてみればそうかもしれない。よし、それじゃ2日後…お互いに頑張ろう?」

「ええ、頑張りましょう」

そして私とデリクは微笑み合った―。



****


 午後3時半―

 馬車乗り場に行くと、そこには既にジムさんが迎えに来ていた。

「お待たせ、ジムさん」

「お帰りなさいませ。アンジェラ様」

そしてジムさんは私の後ろに立つ友人たちを見渡した。

「あの…もしや、その方達は…?」

「ええ、私の頼もしい仲間たちよ。これから皆で一緒にお店に行くの。ね?皆」

すると3人が次々にジムさんに挨拶をした。

「はじめまして、私はアンジェラさんの友人のシビルです」
「私はグレタと申します」
「イレーヌです。宜しくお願いします」

そこへ、さらにペリーヌが現れた。

「皆で1台の馬車に乗るのは狭いだろうから、二手に分かれて馬車に乗りましょう?」

「ありがとう。それなら…」

私はたまたまペリーヌの近くに立っていたグレタとイレーヌに言った。

「あなた達2人はペリーヌの馬車に乗ってくれる?」

「「はい」」

グレタとイレーヌは揃って返事をした。

「それじゃ、シビルは…」

「はい、私はアンジェラさんと一緒の馬車に乗ればいいですね?」

シビルは返事をした。

「ええ、それでいいわ」

頷くと、ジムさんに声を掛けた。

「それじゃ、ジムさん。お店まで馬車を出してくれる?」

「ええ、分かりましたが…一体これはどういうことなのしょう…?」

こんなに大勢引き連れてお店へ行こうとしているのだから、ジムさんが戸惑うのも無理はない。

「実はね…これから皆で仕込みに行くのよ」

私は笑みを浮かべてジムさんに言った―。


しおりを挟む
感想 309

あなたにおすすめの小説

記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした 

結城芙由奈@12/27電子書籍配信
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です

結城芙由奈@12/27電子書籍配信
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】 私には婚約中の王子がいた。 ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。 そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。 次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。 目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。 名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。 ※他サイトでも投稿中

虐げられた人生に疲れたので本物の悪女に私はなります

結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
伯爵家である私の家には両親を亡くして一緒に暮らす同い年の従妹のカサンドラがいる。当主である父はカサンドラばかりを溺愛し、何故か実の娘である私を虐げる。その為に母も、使用人も、屋敷に出入りする人達までもが皆私を馬鹿にし、時には罠を這って陥れ、その度に私は叱責される。どんなに自分の仕業では無いと訴えても、謝罪しても許されないなら、いっそ本当の悪女になることにした。その矢先に私の婚約者候補を名乗る人物が現れて、話は思わぬ方向へ・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

母と妹が出来て婚約者が義理の家族になった伯爵令嬢は・・

結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
全てを失った伯爵令嬢の再生と逆転劇の物語 母を早くに亡くした19歳の美しく、心優しい伯爵令嬢スカーレットには2歳年上の婚約者がいた。2人は間もなく結婚するはずだったが、ある日突然単身赴任中だった父から再婚の知らせが届いた。やがて屋敷にやって来たのは義理の母と2歳年下の義理の妹。肝心の父は旅の途中で不慮の死を遂げていた。そして始まるスカーレットの受難の日々。持っているものを全て奪われ、ついには婚約者と屋敷まで奪われ、住む場所を失ったスカーレットの行く末は・・・? ※ カクヨム、小説家になろうにも投稿しています

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

世界を救いし聖女は、聖女を止め、普通の村娘になり、普通の生活をし、普通の恋愛をし、普通に生きていく事を望みます!

光子
恋愛
 私の名前は、リーシャ=ルド=マルリレーナ。  前職 聖女。  国を救った聖女として、王子様と結婚し、優雅なお城で暮らすはずでしたーーーが、 聖女としての役割を果たし終えた今、私は、私自身で生活を送る、普通の生活がしたいと、心より思いました!  だから私はーーー聖女から村娘に転職して、自分の事は自分で出来て、常に傍に付きっ切りでお世話をする人達のいない生活をして、普通に恋愛をして、好きな人と結婚するのを夢見る、普通の女の子に、今日からなります!!!  聖女として身の回りの事を一切せず生きてきた生活能力皆無のリーシャが、器用で優しい生活能力抜群の少年イマルに一途に恋しつつ、優しい村人達に囲まれ、成長していく物語ーー。  

乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?

シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。 ……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。

悪役令嬢アンジェリカの最後の悪あがき

結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【追放決定の悪役令嬢に転生したので、最後に悪あがきをしてみよう】 乙女ゲームのシナリオライターとして活躍していた私。ハードワークで意識を失い、次に目覚めた場所は自分のシナリオの乙女ゲームの世界の中。しかも悪役令嬢アンジェリカ・デーゼナーとして断罪されている真っ最中だった。そして下された罰は爵位を取られ、へき地への追放。けれど、ここは私の書き上げたシナリオのゲーム世界。なので作者として、最後の悪あがきをしてみることにした――。 ※他サイトでも投稿中

処理中です...