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第73話 出たっ!
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14時15分―
全ての授業が終了し、生徒たちは鞄を持つと次々と教室を出ていく。帰り支度を終えた私も鞄を持つと教室を出た。
他の生徒達に紛れてエントランスを抜けたところで、不意に声を掛けられた。
「アンジェラ」
「え?」
声の聞こえた方角を振り返ってみても、校舎を囲むように腰程の高さの垣根があるだけで人の気配は無い。
「変ね…空耳かしら?」
立ち止まる私の脇を生徒達が通り過ぎていく。
そして再び歩きだそうとすると、苛立ち交じりの声が聞こえた。
「おい勝手に行くなっ!空耳じゃないんだよっ!」
「えっ?!」
慌てて振り向くと、背後の垣根がガサゴソと動き…。
ガサッ!!
何と垣根の背後からニコラスが姿を現したのだ。
「キャアッ!!で、出たわっ!!」
思わず驚きの声を上げるとニコラスが不満そうな声を上げた。
「おいっ!何が『出たわ!』だ!人の事を何だと思っているんだよ」
ニコラスは強引にガサガサと垣根をかき分けて、私の元へやって来た。その姿を目にした生徒たちがざわめいた。
「わっ!ニコラス様だっ!」
「え?!嘘っ!退学になったんじゃなかったの?」
「一体何しに来たのかしら…?」
そんな周囲の声が自分の耳に入って来たのだろうか。ニコラスは忌々し気に舌打ちすると彼らをジロリと睨み付けた。
「睨んでる…早く行こうぜっ!」
「相変わらず怖い眼つきね…」
「退学になったのに良く学校に来れるな…」
「アンジェラさん…大丈夫かしら…」
生徒達はヒソヒソ話をしながら、逃げるようにその場を離れ、辺りは私とニコラスの2人だけになってしまった。
「おい、アンジェラ。お前に話がある。ここじゃ目立つから場所を変えるぞ」
ニコラスは顎をしゃくると校舎の裏手に周る為だろうか、私に背中を向けた。
「嫌です。お断りよ」
私は即答した。するとニコラスは足を止めて私の方を振り向いた。その顔には眉間にシワがよっている。
「は?何だって?少し位考える素振りくらい見せろよ。おまけにその話し方は何だ!偉そうにしやがって…っ!」
偉そうなのはどちらだろう?廃嫡処分を受けたニコラスは除籍までされたのに?
「何故考える素振りをしなければいけないの?それに言葉遣いだけど、今まで貴方は伯爵家の方でしたから丁寧に話していただけよ。でも廃嫡処分の上、更に除籍処分。そんな貴方に気を使って話す必要が何処にあるのかしら?」
そんな事よりもジムさんを待たせている方が気がかりだ。
「お、お前…っ!元はと言えば、俺がこんな目に遭ったのも、パメラ達が捕まったのも全部…アンジェラッ!お前が仕組んだことだろうっ?!」
「え…?ニコラス…貴方本気でそんな事言ってるの?」
この後に及んで、尚もニコラスは耳を疑うような台詞を言ってきた。
「ああ、そうだ、アンジェラ。お前は許嫁でありながら俺がパメラばかり大切にするから嫉妬に狂ったんだな?それで嫌がらせをする為に裏で手を回して俺たちを陥れたんだろうがっ!」
「ねぇ?貴方頭おかしいんじゃないの?何度も言っているけど、私はあなた達を相手にする程暇人じゃないのよ。今、こうして話している時間だって勿体無いと思っている位なんだから。もう行ってもいいかしら?」
私は敢えて挑発的な態度を取った。何故ならこの場所は…。
「な、何だって…この…っ!生意気な女めっ!」
ニコラスが手を上げた瞬間―。
「おいっ!そこで一体何をやっているんだっ!!」
私達の背後で男性の声が響いた―。
全ての授業が終了し、生徒たちは鞄を持つと次々と教室を出ていく。帰り支度を終えた私も鞄を持つと教室を出た。
他の生徒達に紛れてエントランスを抜けたところで、不意に声を掛けられた。
「アンジェラ」
「え?」
声の聞こえた方角を振り返ってみても、校舎を囲むように腰程の高さの垣根があるだけで人の気配は無い。
「変ね…空耳かしら?」
立ち止まる私の脇を生徒達が通り過ぎていく。
そして再び歩きだそうとすると、苛立ち交じりの声が聞こえた。
「おい勝手に行くなっ!空耳じゃないんだよっ!」
「えっ?!」
慌てて振り向くと、背後の垣根がガサゴソと動き…。
ガサッ!!
何と垣根の背後からニコラスが姿を現したのだ。
「キャアッ!!で、出たわっ!!」
思わず驚きの声を上げるとニコラスが不満そうな声を上げた。
「おいっ!何が『出たわ!』だ!人の事を何だと思っているんだよ」
ニコラスは強引にガサガサと垣根をかき分けて、私の元へやって来た。その姿を目にした生徒たちがざわめいた。
「わっ!ニコラス様だっ!」
「え?!嘘っ!退学になったんじゃなかったの?」
「一体何しに来たのかしら…?」
そんな周囲の声が自分の耳に入って来たのだろうか。ニコラスは忌々し気に舌打ちすると彼らをジロリと睨み付けた。
「睨んでる…早く行こうぜっ!」
「相変わらず怖い眼つきね…」
「退学になったのに良く学校に来れるな…」
「アンジェラさん…大丈夫かしら…」
生徒達はヒソヒソ話をしながら、逃げるようにその場を離れ、辺りは私とニコラスの2人だけになってしまった。
「おい、アンジェラ。お前に話がある。ここじゃ目立つから場所を変えるぞ」
ニコラスは顎をしゃくると校舎の裏手に周る為だろうか、私に背中を向けた。
「嫌です。お断りよ」
私は即答した。するとニコラスは足を止めて私の方を振り向いた。その顔には眉間にシワがよっている。
「は?何だって?少し位考える素振りくらい見せろよ。おまけにその話し方は何だ!偉そうにしやがって…っ!」
偉そうなのはどちらだろう?廃嫡処分を受けたニコラスは除籍までされたのに?
「何故考える素振りをしなければいけないの?それに言葉遣いだけど、今まで貴方は伯爵家の方でしたから丁寧に話していただけよ。でも廃嫡処分の上、更に除籍処分。そんな貴方に気を使って話す必要が何処にあるのかしら?」
そんな事よりもジムさんを待たせている方が気がかりだ。
「お、お前…っ!元はと言えば、俺がこんな目に遭ったのも、パメラ達が捕まったのも全部…アンジェラッ!お前が仕組んだことだろうっ?!」
「え…?ニコラス…貴方本気でそんな事言ってるの?」
この後に及んで、尚もニコラスは耳を疑うような台詞を言ってきた。
「ああ、そうだ、アンジェラ。お前は許嫁でありながら俺がパメラばかり大切にするから嫉妬に狂ったんだな?それで嫌がらせをする為に裏で手を回して俺たちを陥れたんだろうがっ!」
「ねぇ?貴方頭おかしいんじゃないの?何度も言っているけど、私はあなた達を相手にする程暇人じゃないのよ。今、こうして話している時間だって勿体無いと思っている位なんだから。もう行ってもいいかしら?」
私は敢えて挑発的な態度を取った。何故ならこの場所は…。
「な、何だって…この…っ!生意気な女めっ!」
ニコラスが手を上げた瞬間―。
「おいっ!そこで一体何をやっているんだっ!!」
私達の背後で男性の声が響いた―。
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