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第50話 パメラの破滅 前編
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「農園組合の経営管理をコンラート伯爵家から直々に依頼されたのは本当につい最近の事なんですよ。しかし…驚きましたね。まさかニコラス様の恋人を名乗るお嬢さんの父親がこんなに悪どい農園経営をしていたとは驚きですよ。恐らく私に経営管理を委託したのは何らかの意図がそこにあるからだとは思いませんか?」
父が意味深にパメラの母とパメラを見る。
「い、意図って…な、何の事でしょうか…?だ、大体私達はコンラート伯爵に認められているはずです。だって娘とニコラスは幼馴染で恋人同士なんですよ?これはきっと何かの間違いよ。そ、そうよね?パメラ」
「…」
しかし、パメラは青ざめたまま返事をしない。恐らく昨日の出来事を思い出しているのだろう。
そこで私は声を掛けた。
「どうしたの?パメラ。まさか昨日ニコラス様と登校する為に迎えに行った際、使用人から追い払われた事実を両親に伝えていないのかしら?」
「!」
私の言葉にパメラの肩が跳ねる。
「何ですって?!パメラッ!その話は本当なのっ?!」
パメラの母は血相を変えてパメラを見た。
「そ、そうよ…。も、もうこの屋敷には出入りするなと言われたわ…。会わせても貰えなかったのよ…」
パメラは俯いた。
「それって…もうコンラート家からは見放されたって事じゃないの?」
私の言葉にパメラはムキになって返事をした。
「そんな事無いわっ!あの使用人達が…勝手に私を追い払っただけよっ!そ、そうに決まっているわっ!」
すると父が口を開いた。
「だがコンラート伯爵夫妻は君の事は認めていないと思うぞ?何故ならこの間一家全員揃って我が家にいらしたのだが、頭を下げて言われたのだよ。『どうか婚約破棄だけは考え直して下さい』とね。君の事を認めていれば、我々の元へコンラート伯爵家の方々がお見えになるはずは無いだろう?」
父の声は穏やかだったが、何処か鋭さがあった。さすがは元騎士団の団長を務めていただけの事はある。
「そ、そんな事が…?」
パメラの母は流石に観念したのか、がっくりと肩を落とした。しかし、パメラは往生際が悪かった。
「そ、そんな事言っても…ニコラスの好きな女性は…あ、貴女じゃなくて私なんだからっ!誰も愛する私達を引き裂けないのよっ!」
「お前は本っ当に何にも分かっていないのだな?互いに好きあっていれば結婚出来るとでも思っているのか?アンジェラとニコラス様は伯爵家から是非にと望まれて婚約することになったのだ。その上、ただの平民であるお前を伯爵家が嫁に迎え入れるとでも思っていたのか?!それだけではない。お前は自分の立場を利用して、この農園で働く労働者の娘達を脅して子爵令嬢であるアンジェラに嫌がらせを働いた。コンラート伯爵が認めていたアンジェラを侮辱したのだ!これは十分不敬罪に値する!」
兄の強い口調に流石のパメラも震え上がった。
「ふ…不敬罪…?不敬罪ですって…?」
「そうだな。それだけでは無い…恐喝罪も適用されるだろうな」
そこへ父が追い打ちをかける。
「う、嘘でしょう…?そんな事…き、きっとニコラスが認めない…私を助けてくれるに決まっているわ…」
パメラはまだニコラスが自分を助けてくれると信じているのだろうか?だから私は教えてあげた。
「パメラ、ニコラス様は今日貴女の元へ来たのかしら?」
「な、何よ…?急にそんな事聞いてきて…来ていないわ。きっと…い、忙しかったんじゃないの?」
「ふ~ん…私のところには来たわよ?」
「えっ?!」
「デートに誘いに来たのよ。でも今日は忙しいので無理ですと言って断ったけどね。それでも貴女の所へ来なかったというのは…ニコラス様に捨てられてしまったのじゃないの?」
本当は両親に命令されて来たと言う内容は省いて私は事実を伝えた―。
父が意味深にパメラの母とパメラを見る。
「い、意図って…な、何の事でしょうか…?だ、大体私達はコンラート伯爵に認められているはずです。だって娘とニコラスは幼馴染で恋人同士なんですよ?これはきっと何かの間違いよ。そ、そうよね?パメラ」
「…」
しかし、パメラは青ざめたまま返事をしない。恐らく昨日の出来事を思い出しているのだろう。
そこで私は声を掛けた。
「どうしたの?パメラ。まさか昨日ニコラス様と登校する為に迎えに行った際、使用人から追い払われた事実を両親に伝えていないのかしら?」
「!」
私の言葉にパメラの肩が跳ねる。
「何ですって?!パメラッ!その話は本当なのっ?!」
パメラの母は血相を変えてパメラを見た。
「そ、そうよ…。も、もうこの屋敷には出入りするなと言われたわ…。会わせても貰えなかったのよ…」
パメラは俯いた。
「それって…もうコンラート家からは見放されたって事じゃないの?」
私の言葉にパメラはムキになって返事をした。
「そんな事無いわっ!あの使用人達が…勝手に私を追い払っただけよっ!そ、そうに決まっているわっ!」
すると父が口を開いた。
「だがコンラート伯爵夫妻は君の事は認めていないと思うぞ?何故ならこの間一家全員揃って我が家にいらしたのだが、頭を下げて言われたのだよ。『どうか婚約破棄だけは考え直して下さい』とね。君の事を認めていれば、我々の元へコンラート伯爵家の方々がお見えになるはずは無いだろう?」
父の声は穏やかだったが、何処か鋭さがあった。さすがは元騎士団の団長を務めていただけの事はある。
「そ、そんな事が…?」
パメラの母は流石に観念したのか、がっくりと肩を落とした。しかし、パメラは往生際が悪かった。
「そ、そんな事言っても…ニコラスの好きな女性は…あ、貴女じゃなくて私なんだからっ!誰も愛する私達を引き裂けないのよっ!」
「お前は本っ当に何にも分かっていないのだな?互いに好きあっていれば結婚出来るとでも思っているのか?アンジェラとニコラス様は伯爵家から是非にと望まれて婚約することになったのだ。その上、ただの平民であるお前を伯爵家が嫁に迎え入れるとでも思っていたのか?!それだけではない。お前は自分の立場を利用して、この農園で働く労働者の娘達を脅して子爵令嬢であるアンジェラに嫌がらせを働いた。コンラート伯爵が認めていたアンジェラを侮辱したのだ!これは十分不敬罪に値する!」
兄の強い口調に流石のパメラも震え上がった。
「ふ…不敬罪…?不敬罪ですって…?」
「そうだな。それだけでは無い…恐喝罪も適用されるだろうな」
そこへ父が追い打ちをかける。
「う、嘘でしょう…?そんな事…き、きっとニコラスが認めない…私を助けてくれるに決まっているわ…」
パメラはまだニコラスが自分を助けてくれると信じているのだろうか?だから私は教えてあげた。
「パメラ、ニコラス様は今日貴女の元へ来たのかしら?」
「な、何よ…?急にそんな事聞いてきて…来ていないわ。きっと…い、忙しかったんじゃないの?」
「ふ~ん…私のところには来たわよ?」
「えっ?!」
「デートに誘いに来たのよ。でも今日は忙しいので無理ですと言って断ったけどね。それでも貴女の所へ来なかったというのは…ニコラス様に捨てられてしまったのじゃないの?」
本当は両親に命令されて来たと言う内容は省いて私は事実を伝えた―。
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