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第25話 嘘つき女
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「あら。確かに本当に可愛いわね。何処のお店で買ったの?私も欲しいわ。教えてくれるかしら?」
ペリーヌがパメラに言った。
「え?何処のお店って…」
パメラの視線がキョロキョロ動いた。
「えっと…何処だったかしら…ねぇ?あなた達」
すると不意にパメラは取り巻きの3人組を見た。
「え?あっ、そ、それは…」
「ど、何処だったかしら?」
「あ、あの店だったんじゃない?ちょっと名前が出てこないけど…」
3人の取り巻きたちは必死になって誤魔化そうとしている。そんな彼女たちの様子をイライラしながら見ているパメラに尋ねた。
「パメラ、何故彼女達に尋ねるの?さっき、貴女は自分でお店で見かけて可愛らしいから買って来たと私に言ったでしょう?」
「そ、それは…ち、違うわ。言い方を間違えたのよ。この子達が可愛い小物が好きな私の為にお店で見つけて買ってきたって言って貰っ物なのよ!」
パメラが3人を指さしながら叫んだ。
「そんな!」
「ひ、酷いわ…っ!」
「パメラ…ッ!嘘よね?!」
女子生徒達は悲痛な声をあげる。私はそんな彼女たちを一瞥すると再びパメラに目を向けた。
「第一、これは何処にも売っていないはずよ?だって私が自分で作った物なのだから。貴女は私を呼び出して、教室から連れ出した隙に彼女達に私のカバンから盗ませたんでしょう?もし違うと言うならどこの店で買ったか答えられるはずよ。何故盗んだの?私に対する嫌がらせ?これはもう犯罪よ」
どこまでも取り巻き達のせいにするパメラに苛立ちが募り、口調が強くなる。犯罪と聞いてパメラ達の顔が青ざめる。しかし、やはりパメラは只者では無い。
「な、なら…貴女が自分で作った物だっていう証拠はどこにあるのよっ!私は買ってきた品物だって言って渡されたのよ!」
パメラはどこまでもシラを切り通そうとする。恐らくパメラは盗んだペン立てがまさか私の手作りだとは思ってもいないのだろう。
「証拠?証拠なら出せるわよ。同じ物を持ってくればいいのだから。お望みなら明日にでもこれと同じ品物を5~6個持って来るわよ?寸分変わらぬ同じ品をね。何ならデザイン違いを持ってきたって構わないわよ。その代わり、買ってきたと言うなら貴女も同じ物を明日買って持ってきて頂戴。お金なら後で支払うから」
あのペン立ては作るのに最低でも40分はかかる。頑張れば5~6個位は作れるだろう。
「な、何ですって…?手作り…?」
パメラの顔が青ざめる。やはり買ってきた品物だと思っていたようだ。すると突然パメラは1人の女子生徒を睨みつけた。
「ちょっと!シビルッ!!」
シビルと呼ばれたお下げ髪の女子生徒の肩がビクリと跳ね、怯えたようにパメラを見た。
「どういう事?貴女が今朝私の所に可愛い小物を見つけたからパメラの為に買ってきたと言って持ってきてくれたんでしょう?ひょっとしてアンジェラさんのカバンから盗んだのっ?!」
あろう事か、パメラはシビルと言う女子生徒に罪をなすりつけてきたのだ。
「そ、そんなっ!私はパメラに言われた通り、アンジェラさんのカバンから…!」
ついにシビルと呼ばれた女子生徒はパメラの指示だと白状した。しかし、パメラは言った。
「なにを言ってるの?シビル。私はそんな事言ってないわ。何故そんな嘘をつくのかしら?」
そしてパメラは私の方を振り向くと言った。
「ごめんなさい、アンジェラさん。シビルが勝手に貴女のカバンから盗んだみたいで…どうぞ。お返しします」
パメラは、ペン立てをテーブルに置くと言った。
「貴女の机に近付いたのはシビルに違いないわ。男子生徒に確認させればすぐに判明するでしょう?この事は私から先生に報告し、それ相応の罰を彼女に受けて貰うようにするわ。シビルがとんでもないことをして本当にごめんなさい。それともアンジェラさんから彼女を職員室に連れて行く?」
罪をなすりつけられたシビルはガタガタと震えて私を見ている。…恐らくこの女子生徒がパメラに命じられて盗んだのだろう。けれど…パメラの指示だという証拠がどこにもない。
「アンジェラ、どうする?」
ペリーヌが私に尋ねてきた―。
ペリーヌがパメラに言った。
「え?何処のお店って…」
パメラの視線がキョロキョロ動いた。
「えっと…何処だったかしら…ねぇ?あなた達」
すると不意にパメラは取り巻きの3人組を見た。
「え?あっ、そ、それは…」
「ど、何処だったかしら?」
「あ、あの店だったんじゃない?ちょっと名前が出てこないけど…」
3人の取り巻きたちは必死になって誤魔化そうとしている。そんな彼女たちの様子をイライラしながら見ているパメラに尋ねた。
「パメラ、何故彼女達に尋ねるの?さっき、貴女は自分でお店で見かけて可愛らしいから買って来たと私に言ったでしょう?」
「そ、それは…ち、違うわ。言い方を間違えたのよ。この子達が可愛い小物が好きな私の為にお店で見つけて買ってきたって言って貰っ物なのよ!」
パメラが3人を指さしながら叫んだ。
「そんな!」
「ひ、酷いわ…っ!」
「パメラ…ッ!嘘よね?!」
女子生徒達は悲痛な声をあげる。私はそんな彼女たちを一瞥すると再びパメラに目を向けた。
「第一、これは何処にも売っていないはずよ?だって私が自分で作った物なのだから。貴女は私を呼び出して、教室から連れ出した隙に彼女達に私のカバンから盗ませたんでしょう?もし違うと言うならどこの店で買ったか答えられるはずよ。何故盗んだの?私に対する嫌がらせ?これはもう犯罪よ」
どこまでも取り巻き達のせいにするパメラに苛立ちが募り、口調が強くなる。犯罪と聞いてパメラ達の顔が青ざめる。しかし、やはりパメラは只者では無い。
「な、なら…貴女が自分で作った物だっていう証拠はどこにあるのよっ!私は買ってきた品物だって言って渡されたのよ!」
パメラはどこまでもシラを切り通そうとする。恐らくパメラは盗んだペン立てがまさか私の手作りだとは思ってもいないのだろう。
「証拠?証拠なら出せるわよ。同じ物を持ってくればいいのだから。お望みなら明日にでもこれと同じ品物を5~6個持って来るわよ?寸分変わらぬ同じ品をね。何ならデザイン違いを持ってきたって構わないわよ。その代わり、買ってきたと言うなら貴女も同じ物を明日買って持ってきて頂戴。お金なら後で支払うから」
あのペン立ては作るのに最低でも40分はかかる。頑張れば5~6個位は作れるだろう。
「な、何ですって…?手作り…?」
パメラの顔が青ざめる。やはり買ってきた品物だと思っていたようだ。すると突然パメラは1人の女子生徒を睨みつけた。
「ちょっと!シビルッ!!」
シビルと呼ばれたお下げ髪の女子生徒の肩がビクリと跳ね、怯えたようにパメラを見た。
「どういう事?貴女が今朝私の所に可愛い小物を見つけたからパメラの為に買ってきたと言って持ってきてくれたんでしょう?ひょっとしてアンジェラさんのカバンから盗んだのっ?!」
あろう事か、パメラはシビルと言う女子生徒に罪をなすりつけてきたのだ。
「そ、そんなっ!私はパメラに言われた通り、アンジェラさんのカバンから…!」
ついにシビルと呼ばれた女子生徒はパメラの指示だと白状した。しかし、パメラは言った。
「なにを言ってるの?シビル。私はそんな事言ってないわ。何故そんな嘘をつくのかしら?」
そしてパメラは私の方を振り向くと言った。
「ごめんなさい、アンジェラさん。シビルが勝手に貴女のカバンから盗んだみたいで…どうぞ。お返しします」
パメラは、ペン立てをテーブルに置くと言った。
「貴女の机に近付いたのはシビルに違いないわ。男子生徒に確認させればすぐに判明するでしょう?この事は私から先生に報告し、それ相応の罰を彼女に受けて貰うようにするわ。シビルがとんでもないことをして本当にごめんなさい。それともアンジェラさんから彼女を職員室に連れて行く?」
罪をなすりつけられたシビルはガタガタと震えて私を見ている。…恐らくこの女子生徒がパメラに命じられて盗んだのだろう。けれど…パメラの指示だという証拠がどこにもない。
「アンジェラ、どうする?」
ペリーヌが私に尋ねてきた―。
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