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第20話 パメラからの呼び出し
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「それじゃ、またお昼休みに会いましょう」
Aクラスの私の教室の前に着くとペリーヌが言った。
「ええ、どちらかのクラスが早く終わった方が教室の前で待ってるわね」
私が言うとペリーヌが笑って頷く。
「ええ、勿論よ」
その時、私は試作品として持ってきたペンケースの事を思い出した。
「あ、そうだわ。昨夜、お店に並べようと思って試作品を1つ作ってみたの。お昼休みに貴女にあげるから感想を教えてくれる?」
私は試作品が出来上がるたびにペリーヌに渡していた。
「本当?いつもありがとう。貴女が作ってくれた布雑貨は本当にデザインも素敵だし、使い勝手もいいから大好きよ。それじゃ楽しみにしているわ」
「ええ。お昼休みにまたね」
そして私達は手を振って別れた。
席に着いてカバンの中の物を机の中にしまっていると、クラスメイトの女子生徒が声を掛けて来た。
「アンジェラさん。貴女に会いにパメラさんが来ているわよ」
「え?パメラさんが?」
教室の出入り口を見ると、そこにはパメラが立っていた。ひょっとするとニコラスの事で私に何かまた文句を言いに来たのかもしれない。
「ありがとう」
立ち上がってお礼を言うと、その女子生徒が小声で囁いて来た。
「アンジェラさんも大変ね。あんな人と親しくしている婚約者がいるのだから」
「…ありがとう」
何と答えれば良いか分らず、とりあえずお礼を言うと彼女は「頑張ってね」と言って、自分の席に戻って行った。
視線を教室の出入口に向けると睨み付ける様にこちらを見ているパメラの姿がある。
全く…仮にも子爵令嬢である私が何故平民のパメラに呼び出されなければならないのだろう。しかも用件は文句だと言う事が分り切っているだけに憂鬱だ。
私は席を立つと、パメラの元へ向かった。
「私に何か用なの?」
廊下に出るとすぐにパメラに尋ねた。
「用が無ければ来るはずないでしょう。少し顔貸してよ」
顔を貸す…。
またしても不良の様な呼び出しの言葉にうんざりし、ため息をついた。
「もうすぐ授業が始まるわ。ここで話せないのかしら?」
「何言ってるの?まだ授業が始まるまで後15分もあるわ。それにここで話せば困るのは貴女の方よ?」
「何故私が困るのよ?」
「それはねぇ…貴女の評判が悪いからよ」
意地の悪い笑みを浮かべながらパメラが言う。
「私の評判が悪い?どういう事?」
私は友人は少ないけれども評判が悪くは無かったはずだ。
「少なくとも私のいるBクラスとニコラスのDクラスでは評判が悪いのよ。私と言う恋人がいるのに無理やりニコラスの婚約者に収まった悪女としてね」
「何ですって?」
思わず眉間にしわが寄る。そんな風に思われているとは心外だ。
「いいから早く来なさいよ。すぐそこの中庭に行くだけよ。5分で済む話だから」
廊下の窓から見える中庭を顎でしゃくるパメラ。
こんなところで無駄な時間を費やすのも馬鹿らしい。パメラの事だ。ここで私が拒否しようものならいつもの様に涙を浮かべて演技をし、私を悪者に仕立てるつもりなのだろう。
「…分ったわ。行けばいいんでしょう?」
着いて行かなければ面倒な事になりそうだったので、渋々私は返事をした。
「そうよ、素直に来ればいいのよ」
ニヤリと笑みを浮かべるとパメラは中庭へ続く渡り廊下に向かって歩き出す。
そんなパメラの後を私は黙ってついて行った―。
Aクラスの私の教室の前に着くとペリーヌが言った。
「ええ、どちらかのクラスが早く終わった方が教室の前で待ってるわね」
私が言うとペリーヌが笑って頷く。
「ええ、勿論よ」
その時、私は試作品として持ってきたペンケースの事を思い出した。
「あ、そうだわ。昨夜、お店に並べようと思って試作品を1つ作ってみたの。お昼休みに貴女にあげるから感想を教えてくれる?」
私は試作品が出来上がるたびにペリーヌに渡していた。
「本当?いつもありがとう。貴女が作ってくれた布雑貨は本当にデザインも素敵だし、使い勝手もいいから大好きよ。それじゃ楽しみにしているわ」
「ええ。お昼休みにまたね」
そして私達は手を振って別れた。
席に着いてカバンの中の物を机の中にしまっていると、クラスメイトの女子生徒が声を掛けて来た。
「アンジェラさん。貴女に会いにパメラさんが来ているわよ」
「え?パメラさんが?」
教室の出入り口を見ると、そこにはパメラが立っていた。ひょっとするとニコラスの事で私に何かまた文句を言いに来たのかもしれない。
「ありがとう」
立ち上がってお礼を言うと、その女子生徒が小声で囁いて来た。
「アンジェラさんも大変ね。あんな人と親しくしている婚約者がいるのだから」
「…ありがとう」
何と答えれば良いか分らず、とりあえずお礼を言うと彼女は「頑張ってね」と言って、自分の席に戻って行った。
視線を教室の出入口に向けると睨み付ける様にこちらを見ているパメラの姿がある。
全く…仮にも子爵令嬢である私が何故平民のパメラに呼び出されなければならないのだろう。しかも用件は文句だと言う事が分り切っているだけに憂鬱だ。
私は席を立つと、パメラの元へ向かった。
「私に何か用なの?」
廊下に出るとすぐにパメラに尋ねた。
「用が無ければ来るはずないでしょう。少し顔貸してよ」
顔を貸す…。
またしても不良の様な呼び出しの言葉にうんざりし、ため息をついた。
「もうすぐ授業が始まるわ。ここで話せないのかしら?」
「何言ってるの?まだ授業が始まるまで後15分もあるわ。それにここで話せば困るのは貴女の方よ?」
「何故私が困るのよ?」
「それはねぇ…貴女の評判が悪いからよ」
意地の悪い笑みを浮かべながらパメラが言う。
「私の評判が悪い?どういう事?」
私は友人は少ないけれども評判が悪くは無かったはずだ。
「少なくとも私のいるBクラスとニコラスのDクラスでは評判が悪いのよ。私と言う恋人がいるのに無理やりニコラスの婚約者に収まった悪女としてね」
「何ですって?」
思わず眉間にしわが寄る。そんな風に思われているとは心外だ。
「いいから早く来なさいよ。すぐそこの中庭に行くだけよ。5分で済む話だから」
廊下の窓から見える中庭を顎でしゃくるパメラ。
こんなところで無駄な時間を費やすのも馬鹿らしい。パメラの事だ。ここで私が拒否しようものならいつもの様に涙を浮かべて演技をし、私を悪者に仕立てるつもりなのだろう。
「…分ったわ。行けばいいんでしょう?」
着いて行かなければ面倒な事になりそうだったので、渋々私は返事をした。
「そうよ、素直に来ればいいのよ」
ニヤリと笑みを浮かべるとパメラは中庭へ続く渡り廊下に向かって歩き出す。
そんなパメラの後を私は黙ってついて行った―。
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