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第23話 牛乳を飲め
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トビーとの待ち合わせ場所は正門前付近に植えられたポプラ並木の下だった。
既にポプラの木の下には腕組みしたトビーが立っていた。
「ト、トビーさーんっ!」
腕をブンブン振りながら私はトビーに向かって駆け寄っていく。
「おう!来たか、エイミーッ!」
トビーが笑顔で手を振る。
「はぁ…はぁ…ず、随分早かったですね…」
息を切らせながらトビーの元へとやってきた。
「あぁ、俺は今日は5時限目の講義は無かったからな。だから図書館で昼寝してた。図書館はいいぞ~静かだし、日当たりはいいし…昼寝するには最適だ」
「あの…図書館は昼寝する場所ではありませんよ?静かに読書か勉強をするところです」
「あぁ、大抵の奴ならそうかもしれんが、俺はあそこは昼寝場所と決めている。それより行くぞ」
トビーはスタスタと正門へ向かって歩いていく。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!私と歩幅合わせてくださいよ」
「う~ん…確かにお前はチビだからな…身長なんか俺の腰位しかないんじゃないか?」
私に歩く歩幅をあわせながらトビーは私をジロジロと見る。
「そんな腰位なんて大袈裟な…それより頭一つは大きいですよ」
「そうかぁ?でももっと身長が伸びる物を口に入れた方が良いぞ?今からでもひょっとすると万一にでも身長が伸びるかもしれん。そうだ、牛乳を飲め」
「またまたそんな非現実的な事を…」
2人で会話しながら歩いていると妙に周囲の視線を感じる。すると学生たちが私達を見てコソコソと何やら話している。その内容が偶然耳に飛び込んできた。
「あれはエイミーさんと…あの3年のおっかないトビーさんじゃないかしら?」
「一体どういう組み合わせなんだ?」
「エイミーさんて確かアルトさんの婚約者じゃなかった?」
「でも最近ビクトリアさんと噂されていたよな…」
「トビーさん…私達、思いっきり注目されていますね…」
「ああ、お前はよくも悪くも目立っているからな…。恐らく他の奴らから見れば俺はお前を誘拐しようとしている人間に見えているかもしれん。何しろお前はまるでお子様にしか見えないからなぁ?」
トビーはニヤリと私を見て笑った。
「な、なんですか?それは!なら言わせてもらいますけどね、トビーさんだって悪目立ちし過ぎですよ。大体、その目!何ですか…目つき悪すぎです。堅気の人間の目つきに見えませんよ?」
「お前なぁ…俺の目つきの悪さは生まれつきなんだ。今更どうしようもないだろう?」
そんな話をしている内に気付けば私とトビーは町中に出ていた。メインストリートを挟んで両サイドには様々な店が立ち並び、多くの人々で賑わいを見せていた。
「そう言えば、何処の店で服を買いたいんだ?」
トビーが不意に尋ねてきた。
「よくぞ聞いてくださいました。マダム・リュゼのお店で買います!」
「あぁ、マダム・リュゼの店か?知ってるぞ」
「えっ?!何でトビーさんが知ってるんですか?!」
「それはビクトリアが好きな店だからな…」
「ビクトリアさんが…」
途端に私の中でメラメラと闘志が湧き上がってきた。
そうだ、トビーさんの言う通りドレスや髪型を変えればアルト好みの女性になれるかもしれない。
「早速行きましょう!連れて行って下さいっ!トビーさん!」
「お、おう。なら…早速行くか?」
「はい!」
そして私とトビーはマダム・リュゼの店に向かった―。
既にポプラの木の下には腕組みしたトビーが立っていた。
「ト、トビーさーんっ!」
腕をブンブン振りながら私はトビーに向かって駆け寄っていく。
「おう!来たか、エイミーッ!」
トビーが笑顔で手を振る。
「はぁ…はぁ…ず、随分早かったですね…」
息を切らせながらトビーの元へとやってきた。
「あぁ、俺は今日は5時限目の講義は無かったからな。だから図書館で昼寝してた。図書館はいいぞ~静かだし、日当たりはいいし…昼寝するには最適だ」
「あの…図書館は昼寝する場所ではありませんよ?静かに読書か勉強をするところです」
「あぁ、大抵の奴ならそうかもしれんが、俺はあそこは昼寝場所と決めている。それより行くぞ」
トビーはスタスタと正門へ向かって歩いていく。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!私と歩幅合わせてくださいよ」
「う~ん…確かにお前はチビだからな…身長なんか俺の腰位しかないんじゃないか?」
私に歩く歩幅をあわせながらトビーは私をジロジロと見る。
「そんな腰位なんて大袈裟な…それより頭一つは大きいですよ」
「そうかぁ?でももっと身長が伸びる物を口に入れた方が良いぞ?今からでもひょっとすると万一にでも身長が伸びるかもしれん。そうだ、牛乳を飲め」
「またまたそんな非現実的な事を…」
2人で会話しながら歩いていると妙に周囲の視線を感じる。すると学生たちが私達を見てコソコソと何やら話している。その内容が偶然耳に飛び込んできた。
「あれはエイミーさんと…あの3年のおっかないトビーさんじゃないかしら?」
「一体どういう組み合わせなんだ?」
「エイミーさんて確かアルトさんの婚約者じゃなかった?」
「でも最近ビクトリアさんと噂されていたよな…」
「トビーさん…私達、思いっきり注目されていますね…」
「ああ、お前はよくも悪くも目立っているからな…。恐らく他の奴らから見れば俺はお前を誘拐しようとしている人間に見えているかもしれん。何しろお前はまるでお子様にしか見えないからなぁ?」
トビーはニヤリと私を見て笑った。
「な、なんですか?それは!なら言わせてもらいますけどね、トビーさんだって悪目立ちし過ぎですよ。大体、その目!何ですか…目つき悪すぎです。堅気の人間の目つきに見えませんよ?」
「お前なぁ…俺の目つきの悪さは生まれつきなんだ。今更どうしようもないだろう?」
そんな話をしている内に気付けば私とトビーは町中に出ていた。メインストリートを挟んで両サイドには様々な店が立ち並び、多くの人々で賑わいを見せていた。
「そう言えば、何処の店で服を買いたいんだ?」
トビーが不意に尋ねてきた。
「よくぞ聞いてくださいました。マダム・リュゼのお店で買います!」
「あぁ、マダム・リュゼの店か?知ってるぞ」
「えっ?!何でトビーさんが知ってるんですか?!」
「それはビクトリアが好きな店だからな…」
「ビクトリアさんが…」
途端に私の中でメラメラと闘志が湧き上がってきた。
そうだ、トビーさんの言う通りドレスや髪型を変えればアルト好みの女性になれるかもしれない。
「早速行きましょう!連れて行って下さいっ!トビーさん!」
「お、おう。なら…早速行くか?」
「はい!」
そして私とトビーはマダム・リュゼの店に向かった―。
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