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第16話 子供扱いですか?
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私は学務課に来ていた。
「え~トビー・ジェラルド…3年生ですか…?」
年老いたおじいさんが老眼鏡を掛けながら名簿を見つめている。
「あの~…まだ見つからないでしょうか…?」
私は受付のカウンター越しにおじいさんに尋ねる。
「ええ…何しろ文字が小さくて…最近老眼も進んでしまったせいか字が霞んで見えにくくて…あ、ぼやけてきた」
おじいさんは名簿から目を遠ざけたり、近づけたりしている。
「も、もう私が見ます!貸して下さいっ!」
「あ、お嬢ちゃん…学生さんじゃない子供には見せられないんだよ?」
「私はこの学園の2年生です!こう見えても19歳ですからっ!」
「何と?!19歳?お嬢ちゃんがかい?12歳くらいかと思っていたよ…」
おじいさんは目を白黒させながら私を見る。
「嘘じゃありません!ほらっ!学生証だってあるんですからっ!」
私はおじいさんの前にカバンにぶら下げていた学生証を突きつけた。
「成程…確かに学生さんだね…」
「これで分かりましたよね?早速学生名簿見せて下さいっ!」
私はおじいさんからひったくるように名簿を奪うと早速アルファベットを探し始めた。
「あった!あったわっ!トビーさんの名前がっ!」
彼は3年のAクラスに所属していた。移動教室でトビーがいない可能性も十分あり得たが、私は急いで彼のクラスへ向かった―。
****
トビーの教室は東棟の1階にあった。
「トビーさん…いるかしら…?」
教室の扉から中を覗いてみると、突然背後から声を掛けられた。
「あら?どうしたの?この教室に何かあるの?」
「え?」
振り向くと、この教室の学生と思しき3人の女子学生が立っていた。
「キャ~ッ!可愛いっ!」
「お嬢ちゃん、何処から来たの?お兄さんかお姉さんに会いに来たの?」
「まぁ…お人形さんみたい…」
「…」
彼女たちは私を見てキャアキャアと騒いでいる。私はそんな彼女たちを半ば呆れた顔で見上げていた。
まさか…私がここまで子供扱い…と言うか、お人形扱いされているとは思わなかった。
「あの…お伺いしたいことがあるのですが…」
「キャアアッ!しゃ、喋ったわ!」
「あ~ん!声も可愛いっ!」
「ね、ね、もっと喋ってみて?」
その時―
「あ?お前…エイミーじゃないかっ!」
女子学生たちの背後から姿を表したのは、私の探し求めていた人…トビーだった。
「ああっ!探していたんですよっ!トビーさんっ!」
「え?貴方の知り合いだったの?」
「この子が?!」
「信じられないっ!」
トビーさんはジロリと3人の女子学生を睨みつけると、私の腕を掴んできた。
「ここじゃ周りがうるさい、行くぞ」
「は、はい」
「あ~あ…行ってしまうのね…」
「また来てね~」
「さよならー」
トビーに手を引かれながら、振り返り、ペコリと彼女たちに頭を下げて再び前を向くと背後で悲鳴が上がったのは言うまでも無かった―。
「え~トビー・ジェラルド…3年生ですか…?」
年老いたおじいさんが老眼鏡を掛けながら名簿を見つめている。
「あの~…まだ見つからないでしょうか…?」
私は受付のカウンター越しにおじいさんに尋ねる。
「ええ…何しろ文字が小さくて…最近老眼も進んでしまったせいか字が霞んで見えにくくて…あ、ぼやけてきた」
おじいさんは名簿から目を遠ざけたり、近づけたりしている。
「も、もう私が見ます!貸して下さいっ!」
「あ、お嬢ちゃん…学生さんじゃない子供には見せられないんだよ?」
「私はこの学園の2年生です!こう見えても19歳ですからっ!」
「何と?!19歳?お嬢ちゃんがかい?12歳くらいかと思っていたよ…」
おじいさんは目を白黒させながら私を見る。
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私はおじいさんの前にカバンにぶら下げていた学生証を突きつけた。
「成程…確かに学生さんだね…」
「これで分かりましたよね?早速学生名簿見せて下さいっ!」
私はおじいさんからひったくるように名簿を奪うと早速アルファベットを探し始めた。
「あった!あったわっ!トビーさんの名前がっ!」
彼は3年のAクラスに所属していた。移動教室でトビーがいない可能性も十分あり得たが、私は急いで彼のクラスへ向かった―。
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トビーの教室は東棟の1階にあった。
「トビーさん…いるかしら…?」
教室の扉から中を覗いてみると、突然背後から声を掛けられた。
「あら?どうしたの?この教室に何かあるの?」
「え?」
振り向くと、この教室の学生と思しき3人の女子学生が立っていた。
「キャ~ッ!可愛いっ!」
「お嬢ちゃん、何処から来たの?お兄さんかお姉さんに会いに来たの?」
「まぁ…お人形さんみたい…」
「…」
彼女たちは私を見てキャアキャアと騒いでいる。私はそんな彼女たちを半ば呆れた顔で見上げていた。
まさか…私がここまで子供扱い…と言うか、お人形扱いされているとは思わなかった。
「あの…お伺いしたいことがあるのですが…」
「キャアアッ!しゃ、喋ったわ!」
「あ~ん!声も可愛いっ!」
「ね、ね、もっと喋ってみて?」
その時―
「あ?お前…エイミーじゃないかっ!」
女子学生たちの背後から姿を表したのは、私の探し求めていた人…トビーだった。
「ああっ!探していたんですよっ!トビーさんっ!」
「え?貴方の知り合いだったの?」
「この子が?!」
「信じられないっ!」
トビーさんはジロリと3人の女子学生を睨みつけると、私の腕を掴んできた。
「ここじゃ周りがうるさい、行くぞ」
「は、はい」
「あ~あ…行ってしまうのね…」
「また来てね~」
「さよならー」
トビーに手を引かれながら、振り返り、ペコリと彼女たちに頭を下げて再び前を向くと背後で悲鳴が上がったのは言うまでも無かった―。
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