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第90話 心臓が持たない
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「え、えっと…あの…そ、それは…」
思わず顔を真っ赤にさせながら困っているとそんな様子を見たジョシュアさんがクスリと笑った。
「すみません。どうやら僕は今非常に貴女を困らせているようですね。でも…」
ジョシュアさんはさらに私に一歩近づくと言った。
「その様子だと…僕はゲルダさんに嫌がられているわけではない…と捉えて良いですよね?」
私はその言葉に返事をすることすら忘れてコクコクと頷く。するとさらにジョシュアさんは嬉しそうに言った。
「ああ…良かった。では僕は貴女に好かれているんですね?」
えっ?!
そんな極端な…!だ、だけど実際私がジョシュアさんに惹かれているのは事実だった。思わず返答に困っているとジョシュアさんが笑いながら私を見た。
「アハハハハハ…本当にゲルダさんは可愛らしい方ですね。返事はまたゆっくり聞かせて貰いますよ」
「は、はぁ…」
駄目だ、ドキドキしすぎて心臓が持たない。
「さて、本当は…もう少しゆっくり話したかったのですが…先程からこちらを穴のあくほど見つめている人達がいるので、今夜はこの辺で退散しますね。また後日口説かせて頂きます」
「は、はい…」
ジョシュアさんは突然私の髪の毛を一房すくい上げ、キスすると言った。
「前向きに考えておいて下さいね」
「!」
そしてジョシュアさんはバーベキュー会場?へと戻って行った。
「ジョシュアさん…」
何て事だろう。はたから見れば私はまだ21歳のうら若き女性。けれどその中身は前世の年齢と今世の年齢を合わせれば67歳の年寄なのだ。それなのにこんなに胸がときめくなんて…。
ん?
その時、何処からか突き刺さるような視線を感じて振り向いた。するとそこにはグラスを手にした俊也と大きなヘラを握りしめたウィンターがこちらを見ている。
俊也もウィンターも何やら人を避難するような目で私を見ているけれども…。
何故?!
俊也に避難めいた視線で見られるのはまだしも…何故ウィンターごときにまで、同じ目で見られてしまうのか…。
解せぬ。全く理解できなかった。
「な、何よ!2人とも!ほ、ほら!料理が冷めちゃうわよ!沢山調理して沢山食べなさいっ!わ、私は先に部屋に戻るからね!」
照れ臭さを隠しつつ、私は逃げるように自室へ向かうのだった―。
****
午前5時半―
ジリジリジリジリ…
目覚まし時計が鳴っている。
「う~ん…もう朝なのね…」
手探りで目覚まし時計を探し、バチンと止めると私は大きく伸びをした。
「さて、と…親切な私が今朝もウィンターの食事の手伝いをしてあげようかしら」
手早く着替えをすると私は厨房へ向かった―。
「おはようございます!ゲルダ様っ!」
厨房へ行くと、ウィンターが張り切って朝食の準備をしていた。いつもならダラダラ嫌々調理をしているのに、今朝はまるで別人のように張り切って料理を作っている。
「い、一体どうしたの?ウィンター。今朝はまるで別人のようじゃない。いや~ね~こんなに良い天気だけど雷でも落ちるんじゃないかしら?」
「何を言ってるんですか?俺はいつもと同じですよ。それよりゲルダ様、今朝は貴女の為に特別メニューを用意したんですよ?」
そして私にズイッとカップを差し出してきた。
「え…?何これ?」
「ホットココアです!他の皆には内緒ですよ?」
「そう?ありがとう。それじゃ遠慮なく頂くわ」
ゴクゴクゴク
「…うん。甘くて美味しいじゃない?」
「本当ですかいっ?!」
嬉しそうに言うウィンターの顔は何故か顔が赤らんでいた―。
思わず顔を真っ赤にさせながら困っているとそんな様子を見たジョシュアさんがクスリと笑った。
「すみません。どうやら僕は今非常に貴女を困らせているようですね。でも…」
ジョシュアさんはさらに私に一歩近づくと言った。
「その様子だと…僕はゲルダさんに嫌がられているわけではない…と捉えて良いですよね?」
私はその言葉に返事をすることすら忘れてコクコクと頷く。するとさらにジョシュアさんは嬉しそうに言った。
「ああ…良かった。では僕は貴女に好かれているんですね?」
えっ?!
そんな極端な…!だ、だけど実際私がジョシュアさんに惹かれているのは事実だった。思わず返答に困っているとジョシュアさんが笑いながら私を見た。
「アハハハハハ…本当にゲルダさんは可愛らしい方ですね。返事はまたゆっくり聞かせて貰いますよ」
「は、はぁ…」
駄目だ、ドキドキしすぎて心臓が持たない。
「さて、本当は…もう少しゆっくり話したかったのですが…先程からこちらを穴のあくほど見つめている人達がいるので、今夜はこの辺で退散しますね。また後日口説かせて頂きます」
「は、はい…」
ジョシュアさんは突然私の髪の毛を一房すくい上げ、キスすると言った。
「前向きに考えておいて下さいね」
「!」
そしてジョシュアさんはバーベキュー会場?へと戻って行った。
「ジョシュアさん…」
何て事だろう。はたから見れば私はまだ21歳のうら若き女性。けれどその中身は前世の年齢と今世の年齢を合わせれば67歳の年寄なのだ。それなのにこんなに胸がときめくなんて…。
ん?
その時、何処からか突き刺さるような視線を感じて振り向いた。するとそこにはグラスを手にした俊也と大きなヘラを握りしめたウィンターがこちらを見ている。
俊也もウィンターも何やら人を避難するような目で私を見ているけれども…。
何故?!
俊也に避難めいた視線で見られるのはまだしも…何故ウィンターごときにまで、同じ目で見られてしまうのか…。
解せぬ。全く理解できなかった。
「な、何よ!2人とも!ほ、ほら!料理が冷めちゃうわよ!沢山調理して沢山食べなさいっ!わ、私は先に部屋に戻るからね!」
照れ臭さを隠しつつ、私は逃げるように自室へ向かうのだった―。
****
午前5時半―
ジリジリジリジリ…
目覚まし時計が鳴っている。
「う~ん…もう朝なのね…」
手探りで目覚まし時計を探し、バチンと止めると私は大きく伸びをした。
「さて、と…親切な私が今朝もウィンターの食事の手伝いをしてあげようかしら」
手早く着替えをすると私は厨房へ向かった―。
「おはようございます!ゲルダ様っ!」
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「そう?ありがとう。それじゃ遠慮なく頂くわ」
ゴクゴクゴク
「…うん。甘くて美味しいじゃない?」
「本当ですかいっ?!」
嬉しそうに言うウィンターの顔は何故か顔が赤らんでいた―。
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