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第8章 7 地下への階段
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「やめてレイフッ!」
私は必死で叫んだが、レイフは聞こえていないのか、剣を握り締めたままジリジリとユリアナに近付いてゆく。
「そ、そんな・・・レイフ・・・ッ!」
私にはとても信じられなかった。レイフは騎士の誓いを立てたはず。騎士の誓いとは・・・決して武器を持たない弱者に剣を向けてはならないと言う誓い。なのに今目の前にいるレイフは・・その騎士の誓いを堂々と破り、ユリアナに剣を向けている。
「逃げてっ!ユリアナッ!」
私は叫んだ。しかしその叫びがまずかったのか・・・。
「チッ!」
レイフは舌打すると、剣を構えてユリアナ目掛けて走り出した。その時・・・
「シャイニングッ!!」
突如ユリアナが右手を上げて叫んだ。するとそこからまばゆいばかりの閃光が周りの景色を包み込む。
「ウアアアアッ!目、目がっ!!」
レイフが両目を押さえて転げまわる。私もまぶしさで目がくらんでいると突然何者かに左手を掴まれた。
「アイリス様っ!今のうちに!」
私はユリアナに手を引かれ、転げまわっているレイフの脇を走り抜けた。レイフはその気配に気づいたのか、私の名を呼ぶ。
「待てっ!行くな!アイリスッ!!」
「レイフ・・・ごめんなさい・・!」
ユリアナに手を引かれながらレイフを振り返ると、彼は地面にうずくまったまま、私の方に必死で右手を伸ばしていた―。
どこをどう走ったのだろう。ユリアナに手を引かれ、私たちは滅茶苦茶に走り続け・・気づけば地下へ降りる薄暗い階段のある廊下へたどり着いていた。
地下へ続くその階段は・・とても薄暗くて肌寒い。時折下からは水が垂れてくるような音が聞こえてくる。
「アイリス様・・・この地下へと続く階段・・・何だか怪しいと思いませんか・・?」
ユリアナが私に話しかけてきた。
「え、ええ・・確かに・・・何だか異様な恐ろしさを感じるわ・・。」
「アイリス様。行ってみますか?」
ユリアナは私が考えている事と同じことを尋ねてきた。
「ええ・・・そうね・・・。行ってみましょう。」
そして私とユリアナは慎重に階段を降り始めた・・・。
地下へと続く階段は螺旋階段になっていた。階段も壁も全て冷たい石造りになっており、それが辺りの冷気を吸い込み、冷たい空気を吐き出しているかの如く、降りれば降りるほどに、気温が徐々に下がって行くのが分かる。気付けばいつの間にか私たちは白い息を吐きながら地下へと続く階段をおり続けていた。
やがて・・・ついに階段が終わり、私たちは地下の最深部へと辿り着いた。
「寒いわ・・。」
白い息を吐きながら身体をさすって、私とユリアナはあたりを見渡した。天井の壁は高さ5m以上はあるだろうか?通路の壁も床も・・全てが冷たい石で作られている。天井にほど近い高さには等間隔に松明がともされ、辺りはオレンジ色の光で長い影を揺らしている・・・。何とも不気味な光景だった。
ピチャン・・・
ピチャン・・・
どこからか垂れてくる水音を聞きながら、私たちは慎重に歩を進め・・前を歩いていたアイリスが突如足を止めると私を振り返った。
「アイリス様・・何か聞こえませんでしたか?」
「え?私には別に何も・・。」
しかし、規則的に垂れてくる水音とは別に確かに私の耳にある音が聞こえてきた。
ガチャン
ガチャン・・・
ズズズズ・・・
それは何か金属のぶつかるような音と、それを引きずるような音・・。
「う・・・。」
突如音に混ざって、苦し気なうめき声が響き渡ってきた。
ま、まさか・・・?!
「アイリス様っ?!」
気付けば私は声の聞こえた方角へ向けて走っていた―。
私は必死で叫んだが、レイフは聞こえていないのか、剣を握り締めたままジリジリとユリアナに近付いてゆく。
「そ、そんな・・・レイフ・・・ッ!」
私にはとても信じられなかった。レイフは騎士の誓いを立てたはず。騎士の誓いとは・・・決して武器を持たない弱者に剣を向けてはならないと言う誓い。なのに今目の前にいるレイフは・・その騎士の誓いを堂々と破り、ユリアナに剣を向けている。
「逃げてっ!ユリアナッ!」
私は叫んだ。しかしその叫びがまずかったのか・・・。
「チッ!」
レイフは舌打すると、剣を構えてユリアナ目掛けて走り出した。その時・・・
「シャイニングッ!!」
突如ユリアナが右手を上げて叫んだ。するとそこからまばゆいばかりの閃光が周りの景色を包み込む。
「ウアアアアッ!目、目がっ!!」
レイフが両目を押さえて転げまわる。私もまぶしさで目がくらんでいると突然何者かに左手を掴まれた。
「アイリス様っ!今のうちに!」
私はユリアナに手を引かれ、転げまわっているレイフの脇を走り抜けた。レイフはその気配に気づいたのか、私の名を呼ぶ。
「待てっ!行くな!アイリスッ!!」
「レイフ・・・ごめんなさい・・!」
ユリアナに手を引かれながらレイフを振り返ると、彼は地面にうずくまったまま、私の方に必死で右手を伸ばしていた―。
どこをどう走ったのだろう。ユリアナに手を引かれ、私たちは滅茶苦茶に走り続け・・気づけば地下へ降りる薄暗い階段のある廊下へたどり着いていた。
地下へ続くその階段は・・とても薄暗くて肌寒い。時折下からは水が垂れてくるような音が聞こえてくる。
「アイリス様・・・この地下へと続く階段・・・何だか怪しいと思いませんか・・?」
ユリアナが私に話しかけてきた。
「え、ええ・・確かに・・・何だか異様な恐ろしさを感じるわ・・。」
「アイリス様。行ってみますか?」
ユリアナは私が考えている事と同じことを尋ねてきた。
「ええ・・・そうね・・・。行ってみましょう。」
そして私とユリアナは慎重に階段を降り始めた・・・。
地下へと続く階段は螺旋階段になっていた。階段も壁も全て冷たい石造りになっており、それが辺りの冷気を吸い込み、冷たい空気を吐き出しているかの如く、降りれば降りるほどに、気温が徐々に下がって行くのが分かる。気付けばいつの間にか私たちは白い息を吐きながら地下へと続く階段をおり続けていた。
やがて・・・ついに階段が終わり、私たちは地下の最深部へと辿り着いた。
「寒いわ・・。」
白い息を吐きながら身体をさすって、私とユリアナはあたりを見渡した。天井の壁は高さ5m以上はあるだろうか?通路の壁も床も・・全てが冷たい石で作られている。天井にほど近い高さには等間隔に松明がともされ、辺りはオレンジ色の光で長い影を揺らしている・・・。何とも不気味な光景だった。
ピチャン・・・
ピチャン・・・
どこからか垂れてくる水音を聞きながら、私たちは慎重に歩を進め・・前を歩いていたアイリスが突如足を止めると私を振り返った。
「アイリス様・・何か聞こえませんでしたか?」
「え?私には別に何も・・。」
しかし、規則的に垂れてくる水音とは別に確かに私の耳にある音が聞こえてきた。
ガチャン
ガチャン・・・
ズズズズ・・・
それは何か金属のぶつかるような音と、それを引きずるような音・・。
「う・・・。」
突如音に混ざって、苦し気なうめき声が響き渡ってきた。
ま、まさか・・・?!
「アイリス様っ?!」
気付けば私は声の聞こえた方角へ向けて走っていた―。
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