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3-1 生後一月目の出来事
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11月22日
琢磨と航が朱莉との別れを決意してから数日後の事―
朱莉は蓮を抱っこしながらカレンダーを見ていた。
「フフフ・・・早いな・・・。もうレンちゃんが生まれて一月になるんだもの。」
朱莉は腕の中でスヤスヤ眠る蓮を愛おし気に撫でながら言う。
「色々バタバタしていたから・・お七夜が出来なかった代わりにお宮参りだけでも出来ないかな・・・?」
朱莉は3歳まで自分が育てる間は蓮のお祝い事を出来るだけ祝ってあげたいと思っていた。
「今週の土曜か日曜・・お宮参りに行って貰えないかな・・?そうだ、お昼の時間にメッセージを送ってみよう。レンちゃん・・・。パパ、お宮参り一緒に来てくれるといいね?」
朱莉は笑みを浮かべ、蓮に頬ずりしながら言った。
12時―
朱莉は蓮のミルクをあげて寝かせつけた後、翔にメッセージを送った。
『御相談したい事があります。お手すきの時にご連絡下さい』
それだけ書いて送信すると、すぐに電話がかかって来た。
「はい。もしもし。」
朱莉が電話に出ると、翔のどこか疲れた感じの声が聞こえて来た。
『朱莉さん。何か蓮の事であったのかい?』
「い、いえ。実は今日が蓮君が生まれて丁度一月になったのでご連絡させて頂きました。」
『ああ。そうか・・・もうそんなになるんだね。それで、他に用件は?』
あくまで事務的な態度の翔。最初の内はその対応に多少なりとも傷付いた事があったが、今の朱莉はこれが普通なのだと受け入れるようになっていた。
「はい。それで生後一月たつと、お宮参りと言うのを行うのですが・・。今週の土曜か日曜・・・お宮参りに・・・行きませんか?」
『う~ん・・・お宮参りか・・・。そうかっ!その手があったか!』
「え?その手?」
『ありがとう、朱莉さん。明日香に確認してみるよ。もし明日香が了承してくれれば俺と明日香の2人でお宮参りに行ってくる事にするよ!教えてくれてありがとう。また後で連絡するよ。』
それだけ言うと電話は切れてしまった。
「翔先輩・・・・。」
朱莉は暫く呆然としていた。
(そうか・・・翔先輩は明日香さんと2人でお宮参りに行くつもりなんだ・・・。私は付き添いもさせて貰えないのかな・・・?)
そう思うと無性に寂しい気持ちになったが、朱莉には意見する権利は何処にも無かった。
その夜―
「しつこいわねえ・・・帰宅してから早々にまたその話なの?」
イラストの仕事をしていた明日香が顔を上げて煩そうに翔に言う。
「しつこいって・・・明日香。蓮は俺とお前の息子だろう?普段は朱莉さんが面倒を見てくれているが・・お祝い事は俺達2人でやるべきなんじゃないか?」
翔は明日香の肩に手を置くと言った。
「2人で・・・?」
明日香はそれが気に入らなかったのか翔をジロリと見た。
「あ、ああ・・・。何かおかしなことを言ってるか?」
明日香はそんな翔を見てポツリと呟いた。
「・・・またそうやって、朱莉さんを・・・。」
「何だ?何か言ったか?」
翔は首を傾げながら言った。
「いいえ、何でも無いわ。悪いけど・・・私は行かないわよ。」
言いながら明日香は立ち上がり、キッチンへ向かうと冷蔵庫からシャンパンを取り出してグラスに注いだ。
「え?!何故だ?」
キッチンへ追いすがって来た翔は尚も明日香に食い下がる。明日香はシャンパンを飲み干すと言った。
「言ったでしょう?赤ん坊は苦手だって・・・。お宮参りの時、誰が抱くの?翔?それともまさかこの私に抱かせるつもり?」
明日香はキッと睨み付けるように翔を見た。
「明日香が蓮を抱くのが嫌だと言うなら、俺が替わりに抱くよ。・・・明日香、何故そんなに機嫌悪いんだ?蓮を構うからか?蓮が・・・疎ましいのか?」
明日香はその言葉にムッとした。
「あのね・・・・っ!仮にも蓮は私が苦しみながら出産した子よ?それは確かに蓮の面倒を今は朱莉さんに見させてしまってるけど・・・イラストの仕事は気を遣うのよ。数年もブランクが空いたら・・・もう誰も使ってくれないかもしれない。だからその理由もあって朱莉さんに蓮を預けてるのよ?数年たって手がかからなくなって来れば・・蓮の面倒を見ながらでも仕事が出来るかなと思ったから、それで私は・・あの条件を・・・。子供は確かに苦手だけど・・・出産して少しは子供に対する思いが変化して来たのよ!勝手に私の事を理解した風な事を言わないでよっ!」
明日香は朱莉に親切にして貰って以来、少しずつ朱莉に対して思う所が出て来ていた。沖縄では翔の浮気疑惑が浮上した時、身重の明日香に変わって朱莉がわざわざ東京まで足を運んでくれたし、今だって蓮の子育てを一生懸命やってくれているのは1週間ごとに報告してくる朱莉のメールで良く分かっている。まだ素直になれない明日香ではあったが、いずれはきちんと心からの謝罪とお礼を述べたいと思っていたのである。それなのに、翔の態度は相変わらずだ。朱莉に対する扱いは・・・かつて自分が鳴海家で受けてきた扱いを彷彿とさせ、明日香にとって非常に嫌な気分にさせる。
「明日香・・・それじゃお宮参りには・・?」
「行かない、と言うか行けないわ。来月『独身イラストレーターの座談会』というイベントが開催されるのよ。私はそこに呼ばれてるの。『独身』の私が蓮を連れてお宮参りになんて行けるはず無いでしょう?そんなに行きたいなら、朱莉さんと2人で行けばいいでしょう?!」
明日香はそこまで言って気が付いた。以前の明日香なら翔と朱莉の中を激しく嫉妬していたが・・・朱莉に対する思いの変化・・・そして翔の冷たい態度。さらに一時的に10年分の記憶を失って、琢磨を好きだった頃の自分の記憶を取り戻し・・少しずつ翔に対する依存度が減ってきている事に今更ながら自覚した。
一方の翔は明日香に思いがけない言葉を投げつけられ、酷く傷ついていた。そして深いため息をつくと言った。
「・・・分かった。お宮参りの件は・・・断るよ。」
「え?!」
明日香は一瞬顔を上げたが・・・そっぽを向くと言った。
「勝手にしたら?」
そしてグラスをテーブルに置くと明日香は仕事部屋へと戻って行った。
そんな明日香を見届けながら翔は朱莉に電話を掛けた
呼び出し音の後、朱莉が電話口に出た。
『はい、もしもし。』
「こんばんは。朱莉さん。」
『はい、こんばんは。』
「蓮は・・今どうしてる?」
『フフ・・・今はお目目パッチリ開いてベビーベッドに取り付けたメリーを見つめています。この頃ってまだ殆ど目は見えていない様なんですけど・・うっすらと見えているんでしょうね?』
電話口からは穏やかな朱莉の声が聞こえてくる。
「そうか・・・。それで、お宮参りの件なんだけどね・・・悪いけど行けないんだ。だから・・朱莉さん1人で行ってきてくれるかい?」
『え・・・?1人で・・・ですか?』
「何だ?無理かい?」
『い、いえっ!そんな事はありません。分かりました・・・今度の土曜か日曜行ってきますね。』
「ああ、そうだね。写真が出来たら・・・メールで送ってくれ。それじゃお休み。」
それだけ言うと電話は切れてしまった。朱莉は溜息をつくと言った。
「翔先輩・・・レンちゃんを連れて1人でお宮参りで写真を撮るって・・・カメラ屋さんが来ていればいいんだけど・・・。」
そこまで言いかけて、朱莉はある事に気付いた。
(そうだ・・・航君。航君に頼めばいいんだ。)
そこで朱莉は航のスマホに電話を掛けた。中々電話に出てくれなかったが、10回目のコールでようやく出てくれた。
『もしもし・・・。』
その声はまるで航とは思えない程に元気が無かった。
「こんばんは。航君。・・どうしたの?何だか随分元気が無さそうだけど?」
朱莉はいつもと様子が違う航が心配になった。
『いや、別に。気のせいだろう?』
「でも・・・。」
『いいから、何の用なんだよ。』
(航君・・・どうしたんだろう・・。)
戸惑いながらも朱莉は言った。
「あのね・・・実はお宮参りに今週の土曜か日曜に行くんだけど・・・私1人で行く事になって・・それで翔さんに写真を撮って来て貰いたいって言われたんだけど、私一人じゃ・・・だから航君について来て貰えないかと思って・・・。」
『無理だな。』
「え?」
航が即答して来た事に朱莉は少なからず驚いた。そして航の話はまだ続く。
『俺、彼女が出来たんだよ。だからもう朱莉とは連絡取らない。彼女に悪いからな。だから朱莉も俺に連絡してこないでくれ。』
「え?!そ、そうだったのっ?!それじゃあ・・・確かに連絡はもう駄目だよね・・・。」
するとさらに航は言う。
『ああ、それで琢磨だけど・・あいつももう駄目だぞ?来週からオハイオ州で働くんだってよ。数年は日本に帰って来ないらしい。琢磨も忙しいから、もし俺のところに朱莉から連絡があったらついでに自分の所にも連絡をしてこないように伝えてくれって言われてるんだ。じゃあな、朱莉。元気でな。・・・さよなら。』
それだけ言うと電話は切れた―。
琢磨と航が朱莉との別れを決意してから数日後の事―
朱莉は蓮を抱っこしながらカレンダーを見ていた。
「フフフ・・・早いな・・・。もうレンちゃんが生まれて一月になるんだもの。」
朱莉は腕の中でスヤスヤ眠る蓮を愛おし気に撫でながら言う。
「色々バタバタしていたから・・お七夜が出来なかった代わりにお宮参りだけでも出来ないかな・・・?」
朱莉は3歳まで自分が育てる間は蓮のお祝い事を出来るだけ祝ってあげたいと思っていた。
「今週の土曜か日曜・・お宮参りに行って貰えないかな・・?そうだ、お昼の時間にメッセージを送ってみよう。レンちゃん・・・。パパ、お宮参り一緒に来てくれるといいね?」
朱莉は笑みを浮かべ、蓮に頬ずりしながら言った。
12時―
朱莉は蓮のミルクをあげて寝かせつけた後、翔にメッセージを送った。
『御相談したい事があります。お手すきの時にご連絡下さい』
それだけ書いて送信すると、すぐに電話がかかって来た。
「はい。もしもし。」
朱莉が電話に出ると、翔のどこか疲れた感じの声が聞こえて来た。
『朱莉さん。何か蓮の事であったのかい?』
「い、いえ。実は今日が蓮君が生まれて丁度一月になったのでご連絡させて頂きました。」
『ああ。そうか・・・もうそんなになるんだね。それで、他に用件は?』
あくまで事務的な態度の翔。最初の内はその対応に多少なりとも傷付いた事があったが、今の朱莉はこれが普通なのだと受け入れるようになっていた。
「はい。それで生後一月たつと、お宮参りと言うのを行うのですが・・。今週の土曜か日曜・・・お宮参りに・・・行きませんか?」
『う~ん・・・お宮参りか・・・。そうかっ!その手があったか!』
「え?その手?」
『ありがとう、朱莉さん。明日香に確認してみるよ。もし明日香が了承してくれれば俺と明日香の2人でお宮参りに行ってくる事にするよ!教えてくれてありがとう。また後で連絡するよ。』
それだけ言うと電話は切れてしまった。
「翔先輩・・・・。」
朱莉は暫く呆然としていた。
(そうか・・・翔先輩は明日香さんと2人でお宮参りに行くつもりなんだ・・・。私は付き添いもさせて貰えないのかな・・・?)
そう思うと無性に寂しい気持ちになったが、朱莉には意見する権利は何処にも無かった。
その夜―
「しつこいわねえ・・・帰宅してから早々にまたその話なの?」
イラストの仕事をしていた明日香が顔を上げて煩そうに翔に言う。
「しつこいって・・・明日香。蓮は俺とお前の息子だろう?普段は朱莉さんが面倒を見てくれているが・・お祝い事は俺達2人でやるべきなんじゃないか?」
翔は明日香の肩に手を置くと言った。
「2人で・・・?」
明日香はそれが気に入らなかったのか翔をジロリと見た。
「あ、ああ・・・。何かおかしなことを言ってるか?」
明日香はそんな翔を見てポツリと呟いた。
「・・・またそうやって、朱莉さんを・・・。」
「何だ?何か言ったか?」
翔は首を傾げながら言った。
「いいえ、何でも無いわ。悪いけど・・・私は行かないわよ。」
言いながら明日香は立ち上がり、キッチンへ向かうと冷蔵庫からシャンパンを取り出してグラスに注いだ。
「え?!何故だ?」
キッチンへ追いすがって来た翔は尚も明日香に食い下がる。明日香はシャンパンを飲み干すと言った。
「言ったでしょう?赤ん坊は苦手だって・・・。お宮参りの時、誰が抱くの?翔?それともまさかこの私に抱かせるつもり?」
明日香はキッと睨み付けるように翔を見た。
「明日香が蓮を抱くのが嫌だと言うなら、俺が替わりに抱くよ。・・・明日香、何故そんなに機嫌悪いんだ?蓮を構うからか?蓮が・・・疎ましいのか?」
明日香はその言葉にムッとした。
「あのね・・・・っ!仮にも蓮は私が苦しみながら出産した子よ?それは確かに蓮の面倒を今は朱莉さんに見させてしまってるけど・・・イラストの仕事は気を遣うのよ。数年もブランクが空いたら・・・もう誰も使ってくれないかもしれない。だからその理由もあって朱莉さんに蓮を預けてるのよ?数年たって手がかからなくなって来れば・・蓮の面倒を見ながらでも仕事が出来るかなと思ったから、それで私は・・あの条件を・・・。子供は確かに苦手だけど・・・出産して少しは子供に対する思いが変化して来たのよ!勝手に私の事を理解した風な事を言わないでよっ!」
明日香は朱莉に親切にして貰って以来、少しずつ朱莉に対して思う所が出て来ていた。沖縄では翔の浮気疑惑が浮上した時、身重の明日香に変わって朱莉がわざわざ東京まで足を運んでくれたし、今だって蓮の子育てを一生懸命やってくれているのは1週間ごとに報告してくる朱莉のメールで良く分かっている。まだ素直になれない明日香ではあったが、いずれはきちんと心からの謝罪とお礼を述べたいと思っていたのである。それなのに、翔の態度は相変わらずだ。朱莉に対する扱いは・・・かつて自分が鳴海家で受けてきた扱いを彷彿とさせ、明日香にとって非常に嫌な気分にさせる。
「明日香・・・それじゃお宮参りには・・?」
「行かない、と言うか行けないわ。来月『独身イラストレーターの座談会』というイベントが開催されるのよ。私はそこに呼ばれてるの。『独身』の私が蓮を連れてお宮参りになんて行けるはず無いでしょう?そんなに行きたいなら、朱莉さんと2人で行けばいいでしょう?!」
明日香はそこまで言って気が付いた。以前の明日香なら翔と朱莉の中を激しく嫉妬していたが・・・朱莉に対する思いの変化・・・そして翔の冷たい態度。さらに一時的に10年分の記憶を失って、琢磨を好きだった頃の自分の記憶を取り戻し・・少しずつ翔に対する依存度が減ってきている事に今更ながら自覚した。
一方の翔は明日香に思いがけない言葉を投げつけられ、酷く傷ついていた。そして深いため息をつくと言った。
「・・・分かった。お宮参りの件は・・・断るよ。」
「え?!」
明日香は一瞬顔を上げたが・・・そっぽを向くと言った。
「勝手にしたら?」
そしてグラスをテーブルに置くと明日香は仕事部屋へと戻って行った。
そんな明日香を見届けながら翔は朱莉に電話を掛けた
呼び出し音の後、朱莉が電話口に出た。
『はい、もしもし。』
「こんばんは。朱莉さん。」
『はい、こんばんは。』
「蓮は・・今どうしてる?」
『フフ・・・今はお目目パッチリ開いてベビーベッドに取り付けたメリーを見つめています。この頃ってまだ殆ど目は見えていない様なんですけど・・うっすらと見えているんでしょうね?』
電話口からは穏やかな朱莉の声が聞こえてくる。
「そうか・・・。それで、お宮参りの件なんだけどね・・・悪いけど行けないんだ。だから・・朱莉さん1人で行ってきてくれるかい?」
『え・・・?1人で・・・ですか?』
「何だ?無理かい?」
『い、いえっ!そんな事はありません。分かりました・・・今度の土曜か日曜行ってきますね。』
「ああ、そうだね。写真が出来たら・・・メールで送ってくれ。それじゃお休み。」
それだけ言うと電話は切れてしまった。朱莉は溜息をつくと言った。
「翔先輩・・・レンちゃんを連れて1人でお宮参りで写真を撮るって・・・カメラ屋さんが来ていればいいんだけど・・・。」
そこまで言いかけて、朱莉はある事に気付いた。
(そうだ・・・航君。航君に頼めばいいんだ。)
そこで朱莉は航のスマホに電話を掛けた。中々電話に出てくれなかったが、10回目のコールでようやく出てくれた。
『もしもし・・・。』
その声はまるで航とは思えない程に元気が無かった。
「こんばんは。航君。・・どうしたの?何だか随分元気が無さそうだけど?」
朱莉はいつもと様子が違う航が心配になった。
『いや、別に。気のせいだろう?』
「でも・・・。」
『いいから、何の用なんだよ。』
(航君・・・どうしたんだろう・・。)
戸惑いながらも朱莉は言った。
「あのね・・・実はお宮参りに今週の土曜か日曜に行くんだけど・・・私1人で行く事になって・・それで翔さんに写真を撮って来て貰いたいって言われたんだけど、私一人じゃ・・・だから航君について来て貰えないかと思って・・・。」
『無理だな。』
「え?」
航が即答して来た事に朱莉は少なからず驚いた。そして航の話はまだ続く。
『俺、彼女が出来たんだよ。だからもう朱莉とは連絡取らない。彼女に悪いからな。だから朱莉も俺に連絡してこないでくれ。』
「え?!そ、そうだったのっ?!それじゃあ・・・確かに連絡はもう駄目だよね・・・。」
するとさらに航は言う。
『ああ、それで琢磨だけど・・あいつももう駄目だぞ?来週からオハイオ州で働くんだってよ。数年は日本に帰って来ないらしい。琢磨も忙しいから、もし俺のところに朱莉から連絡があったらついでに自分の所にも連絡をしてこないように伝えてくれって言われてるんだ。じゃあな、朱莉。元気でな。・・・さよなら。』
それだけ言うと電話は切れた―。
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