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第6章 7 生存の便り
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その頃―
アリオスとザヒムは2人で執務室で仕事をしていた。2人で書類に不備が無いか点検していた時、ザヒムが声を掛けて来た。
「なぁ、アリオス」
「何だ?」
アリオスは書類に目を通したまま返事をする。
「この抱えている仕事も今日で終わるんだ。もし良かったら今夜飲みに町へ出ないか?」
「う~ん…しかし、カールが…夜は一緒に毎晩食事を取ることになっているんだ」
するとザヒムが言った。
「おい、正直に言え」
「え?何を正直に言うんだ?」
アリオスは顔を上げた。
「本当の理由はカールじゃないだろう?」
「何言ってるんだ?お前は」
「惚けるなよ。本当はスカーレットと一緒に食事がしたいからだろう?」
「な、何を言うんだっ?!ザヒムッ!」
するとその時―
コンコン
執務室の扉が叩かれた。
「誰だ?」
アリオスが扉の方へ向かって声を掛けると返事が聞こえた。
「私です、スカーレットです」
「え?スカーレット?!」
アリオスは自分でも驚くほど、動揺した。まさか今会話に上がっていたスカーレットが執務室に訪ねてくるとは思わなかったからだ。
「おい、俺お邪魔だろう?昼飯を食べに行くからごゆっくり」
ザヒムがニヤリと笑みを浮かべてアリオスに言う。
「お、おいっ!お前何を言って…」
しかしザヒムはそれに答えず、スルリと立ち上がると扉を開けた。
ガチャ…
「あ!貴方は…!」
突然開かれた扉にスカーレットは驚いた。そして目の前に立っている以前に少しだけ見かけたことのある人物に戸惑ってしまった。
「こんにちは。この間も会いましたね?私はザヒム・オルタートと申します。アリオスの専属秘書をしています。どうぞよろしくお願いします」
そしてザヒムは丁寧に頭を下げた。
「あ、私はスカーレット・シュバルツと申します。カール様の家庭教師をしております」
スカーレットも挨拶をした。
「おい、一体何をやっているんだ?」
ついに見かねたアリオスが椅子から立ち上がり、背後から声を掛けて来た。
「あ、これは失礼。危うく婚約者との時間を奪ってしまう処でした。私はこれから昼食を食べてきますので、ごゆっくりどうぞ」
「あ、は・はい」
するとザヒムは満足気に笑みを浮かべ、去って行った。
「全くあいつは…」
アリオスは髪をかき上げるとため息をついた。
「それで、スカーレット。一体どうしたんだ?仕事中に訪ねてくること等なかったが?」
「あ、あの申し訳ございません!どうしても急ぎの用事だったので…!」
スカーレットの切羽詰まった様子にとりあえずアリオスは部屋に招き入れる事にした。
「スカーレット、何やら大事な話らしいな。取り合えず入ってくれ」
扉を大きく開け放つとアリオスは言った。
「は、はい」
スカーレットが部屋に入ると書斎机には書類の山が乗っていた。
「あ…申し訳ございません。お仕事がお忙しかったのですよね?」
申し訳なさそうに謝罪する。
「いや、気にするな。大分めどがついていたんだ。そうじゃなければザヒムが食事に行くはずないだろう?とりあえずそこのソファに掛けてくれ」
アリオスは部屋の中央に置かれた長ソファを勧めた。
「はい、では失礼致します」
スカーレットがソファに座るとアリオスもすぐ向かい側に腰かけると尋ねた。
「それで一体何があったんだ」
「そ、それが…父が…亡くなったと思われていた父が‥見つかったんです!」
「な、何だってっ?!」
「本日、私宛にアーベルから手紙が届いたのです…」
スカーレットはアリオスの前に封筒を置いた。
「…俺が読んでも構わないのか?」
「はい、勿論です」
スカーレットは頷く。
「わ、分かった…」
アリオスは緊張した面持ちで封筒から手紙を取り出した―。
アリオスとザヒムは2人で執務室で仕事をしていた。2人で書類に不備が無いか点検していた時、ザヒムが声を掛けて来た。
「なぁ、アリオス」
「何だ?」
アリオスは書類に目を通したまま返事をする。
「この抱えている仕事も今日で終わるんだ。もし良かったら今夜飲みに町へ出ないか?」
「う~ん…しかし、カールが…夜は一緒に毎晩食事を取ることになっているんだ」
するとザヒムが言った。
「おい、正直に言え」
「え?何を正直に言うんだ?」
アリオスは顔を上げた。
「本当の理由はカールじゃないだろう?」
「何言ってるんだ?お前は」
「惚けるなよ。本当はスカーレットと一緒に食事がしたいからだろう?」
「な、何を言うんだっ?!ザヒムッ!」
するとその時―
コンコン
執務室の扉が叩かれた。
「誰だ?」
アリオスが扉の方へ向かって声を掛けると返事が聞こえた。
「私です、スカーレットです」
「え?スカーレット?!」
アリオスは自分でも驚くほど、動揺した。まさか今会話に上がっていたスカーレットが執務室に訪ねてくるとは思わなかったからだ。
「おい、俺お邪魔だろう?昼飯を食べに行くからごゆっくり」
ザヒムがニヤリと笑みを浮かべてアリオスに言う。
「お、おいっ!お前何を言って…」
しかしザヒムはそれに答えず、スルリと立ち上がると扉を開けた。
ガチャ…
「あ!貴方は…!」
突然開かれた扉にスカーレットは驚いた。そして目の前に立っている以前に少しだけ見かけたことのある人物に戸惑ってしまった。
「こんにちは。この間も会いましたね?私はザヒム・オルタートと申します。アリオスの専属秘書をしています。どうぞよろしくお願いします」
そしてザヒムは丁寧に頭を下げた。
「あ、私はスカーレット・シュバルツと申します。カール様の家庭教師をしております」
スカーレットも挨拶をした。
「おい、一体何をやっているんだ?」
ついに見かねたアリオスが椅子から立ち上がり、背後から声を掛けて来た。
「あ、これは失礼。危うく婚約者との時間を奪ってしまう処でした。私はこれから昼食を食べてきますので、ごゆっくりどうぞ」
「あ、は・はい」
するとザヒムは満足気に笑みを浮かべ、去って行った。
「全くあいつは…」
アリオスは髪をかき上げるとため息をついた。
「それで、スカーレット。一体どうしたんだ?仕事中に訪ねてくること等なかったが?」
「あ、あの申し訳ございません!どうしても急ぎの用事だったので…!」
スカーレットの切羽詰まった様子にとりあえずアリオスは部屋に招き入れる事にした。
「スカーレット、何やら大事な話らしいな。取り合えず入ってくれ」
扉を大きく開け放つとアリオスは言った。
「は、はい」
スカーレットが部屋に入ると書斎机には書類の山が乗っていた。
「あ…申し訳ございません。お仕事がお忙しかったのですよね?」
申し訳なさそうに謝罪する。
「いや、気にするな。大分めどがついていたんだ。そうじゃなければザヒムが食事に行くはずないだろう?とりあえずそこのソファに掛けてくれ」
アリオスは部屋の中央に置かれた長ソファを勧めた。
「はい、では失礼致します」
スカーレットがソファに座るとアリオスもすぐ向かい側に腰かけると尋ねた。
「それで一体何があったんだ」
「そ、それが…父が…亡くなったと思われていた父が‥見つかったんです!」
「な、何だってっ?!」
「本日、私宛にアーベルから手紙が届いたのです…」
スカーレットはアリオスの前に封筒を置いた。
「…俺が読んでも構わないのか?」
「はい、勿論です」
スカーレットは頷く。
「わ、分かった…」
アリオスは緊張した面持ちで封筒から手紙を取り出した―。
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