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第1章 19 私が選ばれた理由
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「そ、それで・・毒を飲んでしまったってわけね・・・。」
私の問いにロザリアはコクリと頷く。なるほど・・・それでロザリアは1週間も眠り続けてしまう事に・・・。だけど・・・。
「ねえ、何故それで私が貴女の身体に入り込んでしまったのよ?」
するとロザリアは言った。
「そ、それが私も良く分からないんですが・・夢を見たんです。」
「夢?どんな?」
「はい、とても素敵な夢でした・・・。そこは見たことも無い景色で・・空は青く、美しい丸い虹が空中に浮かんでいました。地面は綺麗なお花畑がどこまでも続き、目の前にはとっても大きな川が流れていて・・船が浮かんでいました。河原では小さな子供たちが石を積み上げて遊んでいましたよ?そして大勢の人たちが続々と船に乗りこんでいくのです。なので私もその船に乗ろうと歩き始めた所・・・なんと10年前に死んでしまったお母様がいきなり目の前に現れたんですよっ!そしてあの船に乗ってはいけませんって言ってきたんです。」
ロザリアは夢を見るような目つきでうっとりと語る。しかし、私はその話を聞いて鳥肌が立ち、背筋がゾワゾワしてきた。ね、ねえ・・・その川って三途の川の事じゃないの?河原で子供たちが石を積んでいた?それはきっと賽の河原と言って小さい子供が親より先に死んでしまった場合に行きつき、石積みをする所だよ?多分そこってあの世の事だよっ?!だって・・・死んだはずのお母さんが現れたんでしょう?!その船に乗ってたら・・・きっとロザリアは生き返ることが出来ずに・・・死んでいたに違いないっ!
「そ、それで・・・その後はどうなったの?」
私は小刻みに震えながら続きを促した。
「はい。そしてお母様が言ったんです。まだあの船に乗るのは早いわよって。」
「ああっ!やっぱりいっ!」
私は頭を抱えて叫んでしまった。そうか、やっぱりロザリアは一度死んでしまったけれども生き返ったのだろう。
「あの~大丈夫ですか・・・?さっきから様子がおかしいですよ?」
ロザリアが心配そうに声を掛けて来る。
「いい、いいのよ。大丈夫・・・私は落ち着いているから・・・多分・・。」
頭を押さえながらなんとか返事をする。
「ロザリア、それで話の続きを教えてくれるかしら?」
「はい、そしてお母様が言ったのです。ロザリア、貴女は死にたいですか?生きたいですかって。だから私は言いました。今のままの状態なら死んだ方がましですって。死んで新しい自分になって生まれ変わりたいと言いました。」
「ふんふん。それで?」
段々話しの確信に迫ってきた気がするぞ。
「そうしたらお母さまが言ったのです。では、新しい自分に生まれ変わりましょうと。私と魂がそっくりな人物を探して、その人物をこの身体に乗り移らせて明け渡してあげなさいって。そしてこの身体に今の自分を生まれ変わらせて貰いましょうって言われました。別人のように生まれ変わったらまた元に戻してあげますって言われたのです。そこで私の目が覚めたんですよ。後で聞いた話によると私は1週間も目を覚まさなかったらしいですね?」
「あ・・そうだったのね・・・。」
成程・・もうここまで来たら大筋は分かったわ。こんな事になってしまったのは全てはロザリアの死んだ母親の仕業。そしてたまたま選ばれてしまったのが・・・この私というわけだ・。
「あははは・・そ、そんな・・・。」
「私と貴女が入れ替わったあの日は・・私が眠りから覚めて初めての登校日だったんです。昼休み・・・セレナに呼びだされて・・・絶対に自分が毒を手渡した事は誰にも言わないようにって言われて・・拒否したら、いきなり私の制服につけていたバラのブローチを奪ったんです。それで・・つい、かっとなってセレナをひっぱたいた時に・・・突然魂が入れ替わったんです・・・。」
ロザリアは項垂れながら説明を終えた―。
私の問いにロザリアはコクリと頷く。なるほど・・・それでロザリアは1週間も眠り続けてしまう事に・・・。だけど・・・。
「ねえ、何故それで私が貴女の身体に入り込んでしまったのよ?」
するとロザリアは言った。
「そ、それが私も良く分からないんですが・・夢を見たんです。」
「夢?どんな?」
「はい、とても素敵な夢でした・・・。そこは見たことも無い景色で・・空は青く、美しい丸い虹が空中に浮かんでいました。地面は綺麗なお花畑がどこまでも続き、目の前にはとっても大きな川が流れていて・・船が浮かんでいました。河原では小さな子供たちが石を積み上げて遊んでいましたよ?そして大勢の人たちが続々と船に乗りこんでいくのです。なので私もその船に乗ろうと歩き始めた所・・・なんと10年前に死んでしまったお母様がいきなり目の前に現れたんですよっ!そしてあの船に乗ってはいけませんって言ってきたんです。」
ロザリアは夢を見るような目つきでうっとりと語る。しかし、私はその話を聞いて鳥肌が立ち、背筋がゾワゾワしてきた。ね、ねえ・・・その川って三途の川の事じゃないの?河原で子供たちが石を積んでいた?それはきっと賽の河原と言って小さい子供が親より先に死んでしまった場合に行きつき、石積みをする所だよ?多分そこってあの世の事だよっ?!だって・・・死んだはずのお母さんが現れたんでしょう?!その船に乗ってたら・・・きっとロザリアは生き返ることが出来ずに・・・死んでいたに違いないっ!
「そ、それで・・・その後はどうなったの?」
私は小刻みに震えながら続きを促した。
「はい。そしてお母様が言ったんです。まだあの船に乗るのは早いわよって。」
「ああっ!やっぱりいっ!」
私は頭を抱えて叫んでしまった。そうか、やっぱりロザリアは一度死んでしまったけれども生き返ったのだろう。
「あの~大丈夫ですか・・・?さっきから様子がおかしいですよ?」
ロザリアが心配そうに声を掛けて来る。
「いい、いいのよ。大丈夫・・・私は落ち着いているから・・・多分・・。」
頭を押さえながらなんとか返事をする。
「ロザリア、それで話の続きを教えてくれるかしら?」
「はい、そしてお母様が言ったのです。ロザリア、貴女は死にたいですか?生きたいですかって。だから私は言いました。今のままの状態なら死んだ方がましですって。死んで新しい自分になって生まれ変わりたいと言いました。」
「ふんふん。それで?」
段々話しの確信に迫ってきた気がするぞ。
「そうしたらお母さまが言ったのです。では、新しい自分に生まれ変わりましょうと。私と魂がそっくりな人物を探して、その人物をこの身体に乗り移らせて明け渡してあげなさいって。そしてこの身体に今の自分を生まれ変わらせて貰いましょうって言われました。別人のように生まれ変わったらまた元に戻してあげますって言われたのです。そこで私の目が覚めたんですよ。後で聞いた話によると私は1週間も目を覚まさなかったらしいですね?」
「あ・・そうだったのね・・・。」
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ロザリアは項垂れながら説明を終えた―。
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