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4-16 そうきましたか
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私はワクワクしながら彼らの話に耳をそばだてた。
「どんな話ですの?」
貴婦人の声が背後で聞こえる。
「ええ、何でも今までグランダ王国でつい最近鉱石が発見されたらしいんですよ。しかもレベッカ様が嫁いできてから後の事らしいですよ。」
「ああ、その意話なら俺もさっきジョディ夫人から聞いたよ。レベッカ様の出身国は鉱山があることで有名だったらしいけど・・レベッカ様が国を去ってからは鉱山から鉱石が消えてしまったらしい。おまけに今あの国では天候不順に襲われてい色々大変らしいんだ。」
「まあ・・・それは随分神がかったお話ね・・・。ひょっとするとレベッカ様は普通の人には無い特別な力がある方なのかもしれないわねぇ・・。」
「それなら、きっとアレックス皇子はレベッカ様を大事にするだろうね。」
フフフフ・・いい感じじゃない?
私は彼らの話を背中で聞きながら思った。これでアレックス皇子の耳にも私の噂話が飛び込んでくるはずだ。
私は別にアレックス皇子に好かれたいわけでは無いけれども・・ただ願いはたったひとつだけ。それは『不要姫』と呼ばれて母国に追い返されたくないだけだ。もうあんな辛い思いをして暮らしていくのは真っ平ごめんだった。皇女であったにも関わらず、平民以下の山小屋のような場所でのきつい生活は・・・。
でもグランダ王国では私は宮殿で暮らすことが出来るし、食べ物に困ることも無い。まあ・・・一時的にアレックス皇子から食事抜きの罰を与えられたこともあったけれども、それだって今はランス皇子の温室管理を任されているからこの先も飢える事は決してないだろうし。
何よりも私をいびり倒す姉達や意地悪なメイドもいないのだから、まさにグランダ王国は私にとって天国のような場所だ。私としては意地でもあの国を追い出されるわけにはいかない。とにかく、今は私がどれほどグランダ王国に取って重宝する人間なのかを、思い切りアピールしておけば・・・気に入らないからと言って、バッサリ切り捨てられることも無いだろうし、あわよくば理不尽な扱いをするのもやめてくれるかもしれない。
後は、この場にアレックス皇子が現れるのを待つだけだ。きっとあの単純なアレックス皇子の事。簡単に人々の話を信じ・・・私の事を貴重な存在として認めてくれてもっと親切にしてくれるかもしれない。
私はお皿の上の料理を楽しみながら妄想し・・笑みを浮かべた。
しかし・・この後、私は自分の考えがまだまだ甘かったことを思い知らされるのであった。結局あれから40分間ダイニングルームで待っていたけれどもアレックス皇子は姿を現さなかったのである―。
「全く・・・アレックス皇子ったら・・何処へ行ってしまったのよ・・折角飛び切りの私に対する噂話を仕込んだって言うのに・・。」
私はぶつぶつ呟きながら、ふと何気なく渡り廊下を歩いていると、得も言われぬ良い香りが漂っていることに気が付いた。
「あら・・この素敵な香りは何かしら?」
思わずその香りに魅せられて、ふらふらと匂いのする方向へ足を進めると突然目の前が開けた。
そこは美しいラベンダーが咲き誇る庭だった。
「わあ・・・ラベンダー畑だったのね?だからこんなに良い香りが・・・。」
私はそこである光景を目撃した。
ラベンダー畑をパラソルをさした女性と並んで歩くアレックス皇子の姿がそこにあった。女性の方は相変わらずパラソルに隠れて顔は確認することが出来ないけれども多分あの女性と同一人物で間違いないだろう。
それにしても・・・仲睦まじげに2人並んで歩くあの様子ではアレックス皇子は多分ダイニングルームに姿を現していないのだろうな・・・。と言う事は・・・当然噂話も耳にはいっていないと言うわけで・・・。
「う~ん・・・今朝あんな事があったから、流石に今日はもう別の女性に手を出さないだろうと思ったけれど・・なかなかうまくいかないものね・・。」
私は腕組しながら呟くのだった―。
「どんな話ですの?」
貴婦人の声が背後で聞こえる。
「ええ、何でも今までグランダ王国でつい最近鉱石が発見されたらしいんですよ。しかもレベッカ様が嫁いできてから後の事らしいですよ。」
「ああ、その意話なら俺もさっきジョディ夫人から聞いたよ。レベッカ様の出身国は鉱山があることで有名だったらしいけど・・レベッカ様が国を去ってからは鉱山から鉱石が消えてしまったらしい。おまけに今あの国では天候不順に襲われてい色々大変らしいんだ。」
「まあ・・・それは随分神がかったお話ね・・・。ひょっとするとレベッカ様は普通の人には無い特別な力がある方なのかもしれないわねぇ・・。」
「それなら、きっとアレックス皇子はレベッカ様を大事にするだろうね。」
フフフフ・・いい感じじゃない?
私は彼らの話を背中で聞きながら思った。これでアレックス皇子の耳にも私の噂話が飛び込んでくるはずだ。
私は別にアレックス皇子に好かれたいわけでは無いけれども・・ただ願いはたったひとつだけ。それは『不要姫』と呼ばれて母国に追い返されたくないだけだ。もうあんな辛い思いをして暮らしていくのは真っ平ごめんだった。皇女であったにも関わらず、平民以下の山小屋のような場所でのきつい生活は・・・。
でもグランダ王国では私は宮殿で暮らすことが出来るし、食べ物に困ることも無い。まあ・・・一時的にアレックス皇子から食事抜きの罰を与えられたこともあったけれども、それだって今はランス皇子の温室管理を任されているからこの先も飢える事は決してないだろうし。
何よりも私をいびり倒す姉達や意地悪なメイドもいないのだから、まさにグランダ王国は私にとって天国のような場所だ。私としては意地でもあの国を追い出されるわけにはいかない。とにかく、今は私がどれほどグランダ王国に取って重宝する人間なのかを、思い切りアピールしておけば・・・気に入らないからと言って、バッサリ切り捨てられることも無いだろうし、あわよくば理不尽な扱いをするのもやめてくれるかもしれない。
後は、この場にアレックス皇子が現れるのを待つだけだ。きっとあの単純なアレックス皇子の事。簡単に人々の話を信じ・・・私の事を貴重な存在として認めてくれてもっと親切にしてくれるかもしれない。
私はお皿の上の料理を楽しみながら妄想し・・笑みを浮かべた。
しかし・・この後、私は自分の考えがまだまだ甘かったことを思い知らされるのであった。結局あれから40分間ダイニングルームで待っていたけれどもアレックス皇子は姿を現さなかったのである―。
「全く・・・アレックス皇子ったら・・何処へ行ってしまったのよ・・折角飛び切りの私に対する噂話を仕込んだって言うのに・・。」
私はぶつぶつ呟きながら、ふと何気なく渡り廊下を歩いていると、得も言われぬ良い香りが漂っていることに気が付いた。
「あら・・この素敵な香りは何かしら?」
思わずその香りに魅せられて、ふらふらと匂いのする方向へ足を進めると突然目の前が開けた。
そこは美しいラベンダーが咲き誇る庭だった。
「わあ・・・ラベンダー畑だったのね?だからこんなに良い香りが・・・。」
私はそこである光景を目撃した。
ラベンダー畑をパラソルをさした女性と並んで歩くアレックス皇子の姿がそこにあった。女性の方は相変わらずパラソルに隠れて顔は確認することが出来ないけれども多分あの女性と同一人物で間違いないだろう。
それにしても・・・仲睦まじげに2人並んで歩くあの様子ではアレックス皇子は多分ダイニングルームに姿を現していないのだろうな・・・。と言う事は・・・当然噂話も耳にはいっていないと言うわけで・・・。
「う~ん・・・今朝あんな事があったから、流石に今日はもう別の女性に手を出さないだろうと思ったけれど・・なかなかうまくいかないものね・・。」
私は腕組しながら呟くのだった―。
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