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3.愛称はパンダです
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「おい、パンダ~!お前ちっとは気を付けてやれよ。それじゃ騎士団の留置所に到着した時にはそのお荷物、虫の息になっちまうぞ。そうなりゃお前は立派な犯罪者になるぞ」
地味なシャツに履き古されたズボンを着て『パンダ~!』と声を掛けてきた人物こそ、リアの上司である灰騎士団団長ドウ・カルマであった。白い肌黒い髪のリアを愛称で呼ぶのは灰騎士団に所属する者だけが許されている行為だった。
入団当初はリアも『なんで珍獣呼びなんですか、私に合ってません!』と異国にいるという珍獣の名で呼ばれるのに抵抗していたが、押しが強い灰騎士団の連中の親しみを込めた『パンダ』コールをすぐに嬉しそうな顔をして受け入れるようになっていた。
なぜなら『パンダ』は愛称で、『落ちこぼれ』のような蔑称ではなかったからだ。
「あれ、ドウ団長じゃないですか。いつから見ていたんですか?そんなお優しい事を言うなら、ドウ団長がこれ運んで下さーい。
か弱い女の子を助けてくださーい。
もう一歩も動けませーん」
リアは足を止めて、駄々っ子のようにお願いをしている。
「パンダが『小煩い団長~』て言ってる頃から見ていたぞ、小煩くって悪かったな。お前、俺のことをそんな風に思っていたのか…。
それにお前はいつからか弱い女の子に転職したんだ?灰騎士団いつ退団した?俺は聞いてないぞー」
「何言ってるんですか!私は生まれてからずっとか弱い女子を演じ続けて17年ですよ。灰騎士団にも賄賂と色仕掛けと顔枠で不正に入団したか弱き美少女ですから。
それに退団はしてません、バレバレな兼業扱いでお願いします。
それに生まれてからこのかた箸より重いものを持ったこともありません。
何か文句ありますか~!」
自称か弱い少女は、大柄な熊獣人の足首を持って振り回しながら、自ら不正行為を熱く語っている。不正をこんなに堂々と語るのは、ある意味清々しいかもしれない…。
憐れな熊獣人は更に見るも無残な姿になっていき、リアは『犯罪者』まであと一歩のところにきている。
ドウ団長は額に手のひらを当てながら『何が色仕掛けで顔枠だよ…。熊獣人は箸より確実に重いだろうが、それを振り回しながら何言ってるんだ』と呆れている。
ツッコミどころ満載のリアの発言だがそれはいつもの事なので、スルーされている。
ドウは団長として、灰騎士団から犯罪者を出さないことを優先することにした。
「とりあえずそれは俺が運んでやるから、パンダはそれがまだ生きているか確認をしろや」
「はい、確かめます!ドウ団長は小煩くないです、神です♪」
現金なリアは先ほどまでの態度をコロリと改め、ドウ団長に敬礼をしてからボロボロになっている熊獣人の脈を確かめてみる。さすが丈夫な熊だけあって、脈は問題なく確認する事が出来た。
脈を確認したリアは『チッ、』と小さく舌打ちをし、ドウ団長に元気よく報告をする。
「ドウ団長、熊ちゃんは残念なことに生存しています!」
地味なシャツに履き古されたズボンを着て『パンダ~!』と声を掛けてきた人物こそ、リアの上司である灰騎士団団長ドウ・カルマであった。白い肌黒い髪のリアを愛称で呼ぶのは灰騎士団に所属する者だけが許されている行為だった。
入団当初はリアも『なんで珍獣呼びなんですか、私に合ってません!』と異国にいるという珍獣の名で呼ばれるのに抵抗していたが、押しが強い灰騎士団の連中の親しみを込めた『パンダ』コールをすぐに嬉しそうな顔をして受け入れるようになっていた。
なぜなら『パンダ』は愛称で、『落ちこぼれ』のような蔑称ではなかったからだ。
「あれ、ドウ団長じゃないですか。いつから見ていたんですか?そんなお優しい事を言うなら、ドウ団長がこれ運んで下さーい。
か弱い女の子を助けてくださーい。
もう一歩も動けませーん」
リアは足を止めて、駄々っ子のようにお願いをしている。
「パンダが『小煩い団長~』て言ってる頃から見ていたぞ、小煩くって悪かったな。お前、俺のことをそんな風に思っていたのか…。
それにお前はいつからか弱い女の子に転職したんだ?灰騎士団いつ退団した?俺は聞いてないぞー」
「何言ってるんですか!私は生まれてからずっとか弱い女子を演じ続けて17年ですよ。灰騎士団にも賄賂と色仕掛けと顔枠で不正に入団したか弱き美少女ですから。
それに退団はしてません、バレバレな兼業扱いでお願いします。
それに生まれてからこのかた箸より重いものを持ったこともありません。
何か文句ありますか~!」
自称か弱い少女は、大柄な熊獣人の足首を持って振り回しながら、自ら不正行為を熱く語っている。不正をこんなに堂々と語るのは、ある意味清々しいかもしれない…。
憐れな熊獣人は更に見るも無残な姿になっていき、リアは『犯罪者』まであと一歩のところにきている。
ドウ団長は額に手のひらを当てながら『何が色仕掛けで顔枠だよ…。熊獣人は箸より確実に重いだろうが、それを振り回しながら何言ってるんだ』と呆れている。
ツッコミどころ満載のリアの発言だがそれはいつもの事なので、スルーされている。
ドウは団長として、灰騎士団から犯罪者を出さないことを優先することにした。
「とりあえずそれは俺が運んでやるから、パンダはそれがまだ生きているか確認をしろや」
「はい、確かめます!ドウ団長は小煩くないです、神です♪」
現金なリアは先ほどまでの態度をコロリと改め、ドウ団長に敬礼をしてからボロボロになっている熊獣人の脈を確かめてみる。さすが丈夫な熊だけあって、脈は問題なく確認する事が出来た。
脈を確認したリアは『チッ、』と小さく舌打ちをし、ドウ団長に元気よく報告をする。
「ドウ団長、熊ちゃんは残念なことに生存しています!」
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