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8.お仕事の班分けです
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灰騎士団は訳あり実力者集団なので少数精鋭ともいえる。縁故や賄賂で無駄に人員を増やしていない為、仕事はスピーディでかつ正確だと評価は高い。何でも屋と陰で言われるのは、その働きを良く思わない他の騎士達が言っていることだ。
今は、ドウ団長が灰騎士団に与えられた新しい任務をみんなに説明している。
「えーと、最近魔獣の発生率が以上に高くなっている。その調査と魔獣狩りが俺達の新しい任務だが、他の騎士団も美味しい所だけを持って行きたいようで縄張り争いが面倒な事になっている。
とりあえず、調査班と狩り班とめんどくさい班に分かれて動いてくれ。まず調査班は爺様、チャカ、パブだ。めんどくさい班はジャキとイッチョとパンダ。狩り班は俺と名前が呼ばれていない団員でやる。
何か質問がある奴はいるかー」
ギザイン国内では今まで魔獣の発生率は高くなかった。そもそも魔獣とは魔の実を間違って食べた獣が凶暴化したもので、その体内で育った魔核は貴重な薬となり高値で売買されている。
たまに魔獣が出るくらいなら地元の自警団でも対応できたが、急に魔獣が多くなり灰騎士団にも話が回って来たのだ。
調査隊のメンバーは裏の情報網がある爺様、誰からも警戒されないで気軽に情報を引き出すチャカ、そして何にでも変装できるぽっちゃり体形の狸獣人パブに決まりで、誰からも異論はでない。適材適所が一番能力を発揮するのだとみんな分かっているからだ。
実力№1のドウ団長が狩り班を率いるのも当然だ。
だがめんどくさい班に任命された三人だけは納得がいかない。そもそもめんどくさい班ってなんだと三人で顔を見合わせている。今までそんな怪しげな班が作られたことなどなかったので、警戒心を露わにしている。
---きっとこれは、外れくじに違いない。
「はい、はい!質問ありまくりですよ。そのめんどくさい班ってなんですか?名前からして胡散臭いので私は断固辞退したいです!」
リアは手を上げてドウ団長に抗議をしている。無口なジャキと脳筋イッサも首を大きく縦に振り賛同の意を示す。
その様子に『お前らすでにチームワーク抜群だなー』と自分がめんどくさい班にならなかった者達は笑っていたが、『トウッ!』という掛け声と共にリアの華麗なる回し蹴りが炸裂し、みな一瞬で黙ることになった。
それを見たジャキは親指をリアに向かって立て、口パクで『グッジョブ』と称えている。リアもお返しに投げキッスだ。
「ホッホッホ、パンダの回し蹴りは相変わらず見事じゃ。三人の意思疎通もすでに抜群みたいだし、めんどくさい班に三人とも適任じゃぞ、その調子で頑張れ」
「有り難う、爺様。じゃっなーい!そんな事で誤魔化されません。副団長のジャキとイッチョ兄を差し出しますから、私だけでも抜けさせて下さい!いえ、勝手に抜ける気満々です」
リアは目上の二人を生贄にして自分だけ班から逃れようとしている。最初にあった三人の共闘の雰囲気はなくなり、微妙な空気が流れ始める。リア、ジャキ、イッチョで三竦みの状態になっている。
今は、ドウ団長が灰騎士団に与えられた新しい任務をみんなに説明している。
「えーと、最近魔獣の発生率が以上に高くなっている。その調査と魔獣狩りが俺達の新しい任務だが、他の騎士団も美味しい所だけを持って行きたいようで縄張り争いが面倒な事になっている。
とりあえず、調査班と狩り班とめんどくさい班に分かれて動いてくれ。まず調査班は爺様、チャカ、パブだ。めんどくさい班はジャキとイッチョとパンダ。狩り班は俺と名前が呼ばれていない団員でやる。
何か質問がある奴はいるかー」
ギザイン国内では今まで魔獣の発生率は高くなかった。そもそも魔獣とは魔の実を間違って食べた獣が凶暴化したもので、その体内で育った魔核は貴重な薬となり高値で売買されている。
たまに魔獣が出るくらいなら地元の自警団でも対応できたが、急に魔獣が多くなり灰騎士団にも話が回って来たのだ。
調査隊のメンバーは裏の情報網がある爺様、誰からも警戒されないで気軽に情報を引き出すチャカ、そして何にでも変装できるぽっちゃり体形の狸獣人パブに決まりで、誰からも異論はでない。適材適所が一番能力を発揮するのだとみんな分かっているからだ。
実力№1のドウ団長が狩り班を率いるのも当然だ。
だがめんどくさい班に任命された三人だけは納得がいかない。そもそもめんどくさい班ってなんだと三人で顔を見合わせている。今までそんな怪しげな班が作られたことなどなかったので、警戒心を露わにしている。
---きっとこれは、外れくじに違いない。
「はい、はい!質問ありまくりですよ。そのめんどくさい班ってなんですか?名前からして胡散臭いので私は断固辞退したいです!」
リアは手を上げてドウ団長に抗議をしている。無口なジャキと脳筋イッサも首を大きく縦に振り賛同の意を示す。
その様子に『お前らすでにチームワーク抜群だなー』と自分がめんどくさい班にならなかった者達は笑っていたが、『トウッ!』という掛け声と共にリアの華麗なる回し蹴りが炸裂し、みな一瞬で黙ることになった。
それを見たジャキは親指をリアに向かって立て、口パクで『グッジョブ』と称えている。リアもお返しに投げキッスだ。
「ホッホッホ、パンダの回し蹴りは相変わらず見事じゃ。三人の意思疎通もすでに抜群みたいだし、めんどくさい班に三人とも適任じゃぞ、その調子で頑張れ」
「有り難う、爺様。じゃっなーい!そんな事で誤魔化されません。副団長のジャキとイッチョ兄を差し出しますから、私だけでも抜けさせて下さい!いえ、勝手に抜ける気満々です」
リアは目上の二人を生贄にして自分だけ班から逃れようとしている。最初にあった三人の共闘の雰囲気はなくなり、微妙な空気が流れ始める。リア、ジャキ、イッチョで三竦みの状態になっている。
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